桜が散って地面がピンクに染まった。八重咲桜は散り終らずに、まだ絢爛と春の名残りを楽しませてくれる。
この時期なって、競うように草花が急いで開花しだしたので、毎日目をこらして地面を見回していると、気が付かないうちに咲く花を発見して生命力の素晴らしさに感動する。
興味をそそられる草花の一つは、「一人静」で、花の名がたった一人の静かな様子を思い浮かべるが、樹陰などに群生している。
歴史上の人物「静御前」が一人で舞っている姿を連想して「一人静」と名付けられたとか。
光沢のある濃緑色の四枚の葉の中央から、1本の花穂にブラシ状のような白い花が、何ともつつましく涼やかに見えるのが、自然の造形美に魅せられる。
しかし、その花は花のように見えるだけで、花弁も萼もない特殊な形状なのだ。
白く見えるのが雄しべで、近くに寄ってルーペで観察すると、雌しべは雄しべの根元にある。
不思議な構造?には、繁殖を確実にするしたたかな仕掛けがあるのだろう。