モーターサイクル日記

モーターサイクルと日常

TRIUMPH T120R 1961 整備2

2022年06月21日 | メンティナンス

T120Rのシリンダーヘッドを分解点検した結果、8スタッドお約束のクラックが3か所見つかった。

先人たちが言うには、燃焼室とスタッドボルトホールが近いので起こるらしい。

程度の良いシリンダーヘッドがあれば交換が一番なのだが、なかなか8スタッドヘッドが見つからない。

見つかってもクラックの入ってる物も多く、なかなか大変だ。

9本スタッドのヘッドに変えてしまうのが一番早道かもしれないが、オーナーはわざわざ年式に拘って購入した車両なので

出来るだけオリジナルで仕上たいとの事だ。

 

クラックはこんな感じに入っている。

 

 

 

 

 

 

きちんと直すにはシートリングを外しクラックをある程度削り込みレーザー溶接、それからスタッドボルトホールにスリーブを挿入、その後面研になる。

この作業は内燃機屋さんでも楽な仕事ではないので、本来ならやりたくはない仕事だろう。

やったとなると、それこそ可愛くない請求書が届く(笑

 

オーナーといろいろ話した結果英国でも中古ヘッドを探していくが、今回はヘッドにスリーブだけ挿入して車検所得の方を進めて行く事にした。

 

スリーブは写真に撮り忘れたがこんな物。

コレをヘッドに圧入していく。

 

 

 

 

少しずつ穴を拡大していく。

スリーブはそれ程正確な寸法の製品では無いので、他の材料に穴をあけ10.8mm~11.4㎜と試しスリーブを通してTESTしてみた。

スリーブはマイクロで測ると11.5mmほどだが、10.9㎜の下穴でスリーブ外径を旋盤で削り、寸法を合わせてからヘッドを熱し圧入した。

 

 

 

 

 

圧入後ヘッドの面研を行う。

フライスで行わず、定番の上で少しづつ擦り合わせていく。

まだ中央が低い。

 

 

 

続けて研磨 だいぶ削れてきた。

 

 

 

 

ヘッドはこの位でOK、スリーブを入れたのは中央の4本。

ただこれで修理した感覚は無く、あくまで一時しのぎかと思う。

早めにヘッドの良品が見つかれば良いのだけど。

 

 

 

 

 

シリンダー上面も行う。

 

 

 

 

シリンダーは鋳鉄なので、それ程歪んでいなかった。

 

 

 

このヘッドは燃焼室を見ると一度ピストンかバルブが崩壊した経緯がありそう。

旧いバイクなのでいろいろとドラマがあります^^

 

コメント
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