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稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

菅井きんさん逝く 併せて俳優像の虚実について

2018年08月28日 | 日々
 俳優 菅井きんさんが逝った。

 映画やテレビの脇役でよく見かけたが、どこにでもいるおばさんの風貌。
 その親しみやすい雰囲気、ぼくは大ファンだった。

 きんさんが若いころ、女優になりたいと父親に相談すると
「女優とは美しい女性がなるものだ」と猛反対されたとか。

 その後、脇役として俳優の座を確立するには自身の並々ならぬ努力があったはず。

 人気をはくした必殺シリーズの「ムコ殿!」のセリフや演技にも
きんさんの熟慮と工夫があったらしい。

     

 このイビリ役は当たったが、
きんさんの娘さんの実際の縁談では支障があったそうだ。

 相手方の親から「お母様があんな方では・・・ねえ」と。

 きんさん、このときばかりはあのドラマからの降板も考えたというからおもしろい。

 いや、考えるにぼくらが俳優に抱くイメージというもの、多分にその役柄に重なる。

 いつだったか、
韓国で悪役を演じた女優に猛烈な抗議やいやがらせが殺到したことが話題になった。

 そこまでいかなくとも、映画やドラマで紳士、淑女~悪役、
それぞれを演じる俳優というもの、元々私生活でもそういう人柄なのだと
知らず知らずのうちに錯覚してしまうのはよくあること。

 きんさんの逸話は、銀幕に映るのは虚像なのだ
というあたりまえのことを改めて教えてくれる。

     

 それはともかく、楽しませてくれたきんさんの御冥福をお祈りしたい。

 昭和がまたひとつ遠くなった。
 
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