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水処理の技術開発

2011-11-29 13:05:27 | その他
 11月28日、上水道を含め水処理の技術開発についての専門家のお話を聞く機会を得ました。
 全国の自治体は、安全な上水道を安定的に供給する責務があります。市町村単独で供給している所、複数の市町村が広域行政で対応している所、都道府県が対応している所と様々な形態がありますが、目的は同じです。
 近年、集中豪雨の際の濁度の問題、クリプトスポリジウムをはじめとする細菌の問題が発生し、これまでの簡単なメッキ処理やろ過処理だけでは対応しきれなくなってきています。
 そのため、「膜ろ過処理」方式を採用する自治体が多くなってきていると聞きます。旧黒田庄町でも、私が町長時代に、大雨の際の濁度を防ぐため3つの水源を「膜ろ過処理」方式に切り替えました。
「膜ろ過処理」方式は、安全な水を供給することが出来ますが、建設コストや維持コストが高くつきます。1年に1回の膜の洗浄、5年に1回の膜の交換が必要だと言われています。幸い、旧黒田庄町は膜処理を導入して10年が過ぎますが、まだ交換せずに使用できています。大切に施設谷設備を使用する事も大切です。
 「膜ろ過処理」方式を採用しても、低コストで済むように、より安い膜が開発されたそうですが、一方詰まりやすいという問題点もあるようです。また、半永久的に使えると言われるセラミック膜も開発されていますが、大変高価だそうです。
 さらに、クリプトスポリジウムをはじめとする細菌を紫外線による消毒により除去する装置(リストロン)も、開発されました。ただし、濁度を解消することは出来ません。また、これまで使われてきた「ろ過器」も開発が進み、ここに来て見直されているとのことです。ろ過器とリストロンを併用して採用している自治体もあるとのことでした。
上水道設備の整備には、それぞれ一長一短が有るようです。水道会計は企業会ですから、安易な設備投資は水道料金の値上げにもつながります。
重要なことは、それぞれの自治体が、自分の地域の水量や濁度の状態、水道会計、設備を導入する上での用地確保の問題等を考えて、自分の地域にとって最適な判断をすることだと考えます。また、リストロンをはじめ、新技術を実際に見学したいと願っています。
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