令和六年度使用教科書展示会が、茜が丘複合施設みらいえで開催されているという連絡を受け、見学に行ってきました。
小中学校で使われている教科書は、4年ごとに変わります。今年度、小学校の教科書が変わり、来年度、中学校教科書が変わります。公立学校で使用される教科書を決める権限は、その学校を設置する市町村や都道府県の教育委員会にあります。また、国・私立学校で使用される教科書の採択の権限は校長にあります。都道府県教育委員会は、学校の校長及び教員、採択関係者の調査・研究のため毎年6月から7月の間の一定期間、教科書展示会を行うことになっています。今回のみらいえでの展示会は、6月28日まで行われていました。
教科書採択については、保護者をはじめ国民により開かれたものにしていくことが重要だと文部科学省も説明しています。ただ、みらいえでの教科書展示会は、隅っこの方に設定されており、もっと見やすい所に設置してほしかったというのが正直な感想です。市民の皆さんが市内の小中学生が学んでいる教科書を手に取って見ていただき、感想を述べてあげてほしいと思っています。自分が学んでいたころに使っていた教科書、自分の子どもたちが学んでいた教科書と、現在、内容も含めて大きく異なっています。
私は元中学校社会科教師なので、社会科の教科書(地理・歴史・公民・地図帳)を中心に見せていただきました。まず、教科書が大きく重くなったこと、写真がふんだんに取り入れられていること驚きました。文字も大きく読みやいように、工夫されていました。タブレットで検索できるよう、バーコードも各ページに記載されていました。
ただ、歴史分野で、沖縄戦や南京虐殺、太平洋戦争(大東亜戦争と記載)扱いが大きく変わった教科書が数社見受けられました。このような教科書が検定を通っていることに、驚きました。ドイツと異なり、日本の戦後の歴史認識に年々後退していっているように感じていましたので、歴史教科書の記述にも反映されているようです。私が教師を辞めてから27年経過していますが、日本人の歴史認識を大切にしていただきたいと思いました。現在、NHK朝のテレビドラマ『虎に翼』を観ていると、日本国憲法や民法がどのようにして生まれたのかがよく分かります。沖縄戦を体験された方が現在の歴史教科書を見るとどう思われるか、シベリアに抑留され、戦後戦争の悲惨さを訴え続けた私の亡き父はどう思うかと考えてしまいました。