東野としひろ活動NEWS

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平成26年度9月議会一般質問(論旨)

2014-09-27 07:18:09 | 市議会活動
 通告書に基づき、一般質問を2点行います。1点目は、集中豪雨による土砂災害・浸水災害に対する対策について、2点目は、西脇市の学校教育・学校設備・学校予算についてです。

1.集中豪雨による土砂災害・浸水災害に対する対策について

 今年の夏は、台風やゲリラ的集中豪雨により、全国で大きな水害、土砂災害を引き起こしました。特に、広島市では、土砂崩れで多くの方々が亡くなりました。福知山市や丹波市でも土砂崩れによる大きな被害が起こり、現在も復旧に大変な苦労をされています。心より、お見舞い申し上げたいと思います。
 西脇市議会でも12名の議員が災害ボランティアで市島町へ行きました。改めて、土砂災害の怖さを痛感しました。
 ゲリラ的集中豪雨は、今後ますます発生する可能性があり、西脇市でも、集中豪雨が起こる可能性が十分あります。そのため、危機感を持って、浸水対策と共に、土砂災害対策に取り組む必要性があります。この観点で3点質問します。

(1)西脇市における土砂災害・浸水災害の危険地域の把握について

 1点目は、土砂災害対策についてです。土砂災害については、近年、西脇市では大規模なものは起きていません。ただ、31年前の1983年(昭和58年)9月に発生した集中豪雨による災害のことを、皆さんは覚えておられるでしょうか?
 58年災と呼ばれる土砂災害により、比延地区では、畑谷川沿いに大きな土砂崩れが起き、西光寺山にその傷跡が残っています。黒田庄町では、門柳川沿いに土砂崩れが起き、旧役場近くの大門橋が流されました。
 58年の集中豪雨は、1時間64mm、3時間102mmでした。今年の広島での降雨量は、3時間で倍の200mmでした。広島の被災地と、市内の緑風台などの造成地や土砂災害渓流や急傾斜地に指定されている各地区の山麓は、似ていると指摘される専門家もいます。
 これまで、広島のような豪雨が降っていないだけで、西脇市に同じような豪雨が起きる可能性があることを、しっかり押さえておく必要があります。
 そこで、お尋ねします。被災した広島市や丹波市での降雨量が西脇市でも起こったと想定した場合、土砂災害や浸水災害が起こる可能性がある地域をどのように把握されていますか?


 西脇市には見やすい浸水対策・土砂対策編の防災マップが作成され、全家庭に配布されています。私も、今回の災害を受け、再度見直したのですが、大変見やすいマップだと感心しています。
 ただ、このマップは兵庫県からの資料に基づくもので、市独自に調査をしたものではありません。決算委員会でも質疑がありましたが、土砂災害に対する危険性をしっかり認識するために、土砂災害が起こる危険性の高い地域を、市独自でも、調査していただきたいのです。マップによると、危険個所は、248か所です。248か所すべてではなく、砂防や急傾斜地対策工事が必要な個所であるかどうか、亀裂が生じていないかどうかも含め、現場を歩いていただきたいのです。いかがお考えでしょうか?


 現場を知ることは、いざ災害が起こった時、より正確な指示を市民の皆さんに出すことが出来ます。248か所すべてではなく、特に危険な個所はしっかりと担当としてつかむ必要があると考えます。特に、担当部署の役割は、平時に危険個所を含め現場を熟知しておき、いざ災害が起こった時その基礎データーをもとに、災害対策本部長である市長に進言するわけですから、異常気象が当たり前になっている現在において、さらに、危機意識を持って、対策を講じていただきたいことを強く要望します。

(2)黒田庄町福地・黒田庄町前坂・西田町の浸水対策について

 次に、浸水対策についてです。8月16日夜半から17日未明に降った雨は、加古川上流の雨量は記録的に多かったものの10年前の台風23号の時ほど広範囲の大雨でなかったのが幸いし、加古川の水位はその時を下回りました。激特事業による河川改修の成果でもあると言えます。
それでも、福地では昨年家屋への浸水が起こり、今年8月は2度も浸水の危険性が起こりました。加古川水位の急上昇により、福地川の水門を閉めざるを得ず、内水のため田畑や家屋への浸水が起ころうとしました。幸い、10数台の消防車による放水により、田畑の冠水は起こりましたが、家屋への浸水はどうにか免れました。急いで、対策を講じる必要があることは言うまでもありません。
そこで、昨年12月議会の補正予算で、黒田庄町福地・前坂・西田町3ヶ所の浸水対策について、調査費が計上されました。その検討結果と今後の取り組みをお尋ねします。

 福地地区については、県土木による加古川の岩盤の掘削とともに、西脇市として、今年10月に策定する浸水対策計画に基づき、具体的な取り組みを今後3年間で事業を実施するとありました。来年度から、福地川の堤防のかさ上げ等の事業が始まると理解していいのですね。
 ぜひ、危険地域に住む住民の皆さんが、安心できる取り組みを早急に進めていただくことを強く要望します。

(3)西脇市の防災対策と市民の防災意識高揚について

 続いて、現在の気象状況を考えると、行政の取り組みとともに、市民の防災意識を高め、緊急時の対応が速やかにできるように平常時からの取り組みが重要です。
例えば、土砂災害危険地域に住まれる住民の皆さんには、危険地域であることを説明し、土砂災害警戒情報が発表された際には、安全な所へ避難するようにしていただくこと、危険地域を知らせておくことにより、日頃から気象情報に注意していただき、いざという時に速やかな行動が取れますし、危険のない地域の方々には不要な非難をしなくても済みます。
各町ごとに、防災マップを使った机上の防災訓練や防災マップを持って街歩きをすることも災害時に大きな効果を発揮すると思います。
 西脇市の防災対策と市民の防災意識の高揚について、防災対策本部長である市長に今後の取り組みを伺います。

 市長が先頭に立って、市民の生命財産を守るため、危機感を持って防災対策に取り組んでいただきたいと思います。


2.西脇市の学校教育・学校設備・学校予算について
 大きな2点目は、西脇市の学校教育・学校設備・学校予算についてです。私は、西脇市の学校教育の実態をつかみたいと思い、夏休み中の西脇市内の8小学校・4中学校を訪問させていただきました。その調査の上で、質問をさせていただきます。

(1)「学力」問題についての考え方を問う

 まず、学力問題についてですが、全国学力テストの実施に伴い、テスト結果を公表するかどうかの問題と共に、学力とは何かについても議論されています。
私は、児童・生徒の学力とは、読み・書き・計算の基礎学力をしっかりと身に付けたうえで、自ら学ぶことのできる力だと考えています。学校教育においては、基礎学力をしっかりと定着させ、自ら学ぶ生徒の育成、生きる力を養うことが重要であると思っています。
そこで教育長にお尋ねします。教育長は、学力をどうとらえておられますか?また、西脇市の学校教育において、学力を身に付けるため、重点的に取り組んでいることは何か、お答えください。

 教育長の述べられた学力支援補助員の役割を否定するものではありませんが、日々子ども達に接している正規の先生方の果たす役割を決しておろそかにしないでいただきたいと思います。
 市内の学校を訪問したとき、夏休み中でしたが、小学校では勉強の遅れている児童を学校に呼び、指導されていました。中学校では、午前中の部活動を終え、午後からは勉強会を行っている学校もありました。頑張っておられるなと感心をしました。
 また、「黒田庄校区連携だより」を見せていただくと、幼稚園・小学校・中学校が連携し、園児・児童・生徒を10年間かけて確かな学力を身につけさせることを目標にされていました。そのためには、①家庭学習習慣を身につけさせる、②読書を通じて読む力を身につけさせる、③基本的な生活力をつけるとありました。いい取組みだと感心すると共に、西脇市の宝であるすべての子ども達に確かな学力をつけさせていただきたいと思いました。
 
(2)学校教育において教育行政が果たすべきこととは何か。

 次に、学校教育において、児童生徒に学力をつけさせるのは、当然児童生徒を直接学習指導する現場の先生方です。教育委員会ではありません。それでは、子どもたちの学力をつけさせるため、教育行政を担っている教育委員会の果たすべき役割とは何なのでしょうか?笹倉教育長、明確な答弁を求めます。

 教育委員会の役割は、①児童生徒が学習しやすい環境づくりを行うこと。②先生方が教えやすい、働きやすい職場・学校を創ること。③学校を支える地域を創ることだと私は捉えています。
現在、教育委員会不要論が議論されたり、選挙で選ばれる首長の下に教育委員会を置くべきだという意見が強く出されてされています。来年度から、教育委員会制度も大きな転機を迎えようとしています。私は、教育の中立性・公平性からも、教育の継続性の重要性からも、教育委員会の果たすべき役割はますます大きなものになるべきだと考えています。西脇市の子ども達の教育のため、ぜひ、頑張っていただきたいと思います。
 
(3)西脇市内の幼稚園・小学校・中学校の施設の現状について

ただ、私が訪問した市内の小中学校は、改築された西脇南中学校・双葉小学校を除き、施設面で様々な問題点があると感じました。西脇市の教育予算は、北播磨5市1町で比較すると、大変少ないように改めて感じました。
教育委員会として、市内の小学校・中学校施設・学習環境の現状をどのように把握されているのでしょうか?

 私が訪問した小学校・中学校の施設の現状を、具体的にお話しします。
・ある小学校では、プールサイドをスリッパをはいて歩かないといけない状態の学校がありました。 シャワーや更衣室の老朽化もひどいものでした。「教育に関する事務の点検及び評価の報告」で  は、25年度の重点課題として老朽化したプール等の計画的な整備とありますが、プール改修の年次 計画はあるのでしょうか?ある校長先生は、児童から、「校長先生、プールが古いけれどいつに  なったら、きれいになるの?」とたずねられて、応えられないことがつらいと話されていました。 子ども達に、今年はだめだけれど、来年はできるよ。再来年はできるよと計画を示してやりたいと も話されました。
・また、強い雨が降ると雨漏りがする校舎もありました。災害時避難施設に指定されている武道場が 雨漏りをする中学校もありました。
・学校修繕費がないため、校舎入口の壁が落ち、近寄ってはいけませんという
 張り紙は張られていました。階段のフロアーが滑りやすいので、滑り止め
 のカバーを張りたいけれど、修繕費がなくてできないと嘆かれていた校長先生
 もおられました。
・古い世界地図や日本地図があり、時代に即応した教材教具が不足しているところもありました。
・予算特別委員会で、図書費は充足しているとの教育委員会答弁がありましたが、実際、図書費が足 らず、PTA会計から図書費を用立ててもらっている学校がありました。
・中学校の部活動では、対外試合は新人戦・総体の2試合を除き、すべて先生方や保護者の費用で賄わ れています。協会主催の準公式試合であっても、参加費や生徒の運送を先生方や保護者がすべて  行っています。
 などなど、本当に心配な状況が西脇市の学校施設・学習環境になっていると言わざるを得ません。
こうした状況で、先生方に本当に西脇市の子どもの学力をつけるために頑張ってくださいといえるのでしょうか?また、子ども達に西脇市の宝である君たちを大切に思っているんだよといえるのでしょうか?
 教育長はどう思われているでしょうか。

 ぜひ、児童・生徒が学習しやすい環境づくり、先生方が教えやすい環境づくりのため教育長が先頭になってしていただきたいと願っています。そのために、来年度予算編成において、ぜひリーダシップを発揮して具体的に教育予算に反映していただきたいと思います。
 
(4)学校施設の簡易な修繕と施設の整備計画について

 そこで、3つのことを具体的に提案します。
 一つは、学校は児童・生徒が日々活動する場所ですから、ガラスの破損やドアの故障など簡易な修繕や急な修繕が必要になることがよく起こります。そのため、学校ごとに、修繕等に使える自由な予算(例えば、年間100万円以内)創られてはどうでしょうか?
 二つ目は、プールや屋根、体育館、武道場等の大規模改修について、今年はA小学校のプールを、来年はB小学校の体育館を、再来年はC中学校の武道場をといった年次計画をしっかり立てる必要があると考えますが、いかがでしょうか?
 三つ目は、部活動に対する支援です。中学校の部活動は、大変意義があることは十分ご承知だと思います。そこで、西脇市としても応援しているという姿勢を示して頂きたいです。そのため、協会主催の大会の参加費ぐらいは、公費で負担してあげてはどうでしょうか。無制限ではなく、年間、2回までとか、県大会以上の大会に出場した場合等の条件を決めて、生徒輸送のマイクロバス代の費用負担をしてあげればいかがでしょう?
 教育長の答弁を求めます。


 教育長、ぜひ、校長先生が子ども達やPTAの方々に説明できるようなプール等の学校施設の整備を行う年次計画を立てていただきたいこと、学校裁量で使える修繕費をぜひ創設しないでしょうか?

(5)計画的な学校施設整備更新を行っていくための学校施設整備基金の創設について
 
 最後に、市長に質問します。片山市長は、就任の際の所信表明で、西脇市復活の3つの柱の一つとして、「教育の復活」を掲げられました。また、今年度施政方針でも、「西脇市の宝」である子ども達との表現を使われています。
 私は、西脇市の市政の重要な柱の一つとして、優秀な人材を育成することがあると考えています。そのためにも、片山市長が、「西脇市の宝」である子ども達が安心して学校で学べる体制を創り、市行政として、子どもたちをしっかり応援しているという姿勢・メッセージを発信することが必要であると考えます。
 西脇市の子ども達が、自分たちは大切にされているという実感ができるかどうかが、西脇市の将来を握っているとも考えています。
 そこで、行政の長として、予算編成権を持っている市長として、西脇市の学校教育予算を充実させていただきたいのです。そのしっかりとしたメッセージとして、学校の大規模改修やプール改修、武道場の改修を計画的に行うためにも、学校施設整備基金的な指定基金を創設する必要があると考えますが、市長の姿勢を尋ねます。

 片山市長、私は学校施設整備基金の創設に固執してはいませんが、西脇市は学校教育を大切に考え、人材育成に重点を置いた施策を展開しているというメッセージを発信することが大切だと考えています。
 市長の権限の素晴らしさは、まちの将来に対し必要な方向性を示し、それを職員のと共に施策としてまとめ、予算化するという点です。
 市長に就任されて約1年が過ぎようとしています。教育の復活を重要な柱とされるのなら、市長としてのリーダーシップを発揮して、それを施策化することが大切ではないでしょうか?

 現在の西脇小学校の校舎は、地域の方々がお金を出し合い、建設されたと聞いています。私財を出してでも、子ども達にしっかりと教育を受けさせようとしてきたのが西脇だと思います。
 黒田庄町でも、門柳山の一部を学校林として植林し、30年~40年、育林した材木を売って、校舎の建て替えをしていました。現在は、材木の値打ちが下がり、できなくなりましたが。旧西脇市の方々と同じように旧黒田庄町でも子ども達の教育ことを第一に考えてきました。
 現在、西脇市は多くの課題を抱えています。その中でも、西脇市の将来を担ってくれる人材を育成すること、特に学校教育に力を入れることだと思います。子ども達に、西脇市は、君たちを西脇市の宝として大切にしていることをしっかりと実感することが、将来、西脇市のために働こうと言う人材に育ってくれると考えるのです。また、市外に出るとしても、西脇市を故郷として、大切に思う大人に育ってくれると思います。
 ぜひ、西脇の将来を担ってくれる子ども達のため、学校施設の計画的な整備に頑張っていただくことを強く要望して、私の一般質問を終わります
コメント (2)
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