Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

十字架の上で最後に仰った言葉"Consummatum est."「全ては成し遂げられた。全ては成就した。」

2021年04月06日 | お説教・霊的講話
2021年3月27日(土)御受難の週の土曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父説教

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

今日の福音で、イエズス様は予言されます、「私が上げられたら、人の子が上げられた時に、全てを引き寄せよう。」

これは、「十字架の上で亡くなる」という事を、「救霊の為に亡くなる」という事を予言されました。実際にイエズス様は、十字架の上に高く上げられて、全てを成し遂げて、亡くなります。

最後に仰った言葉の1つ、第6番目の言葉がそうでした、"Consummatum est."「全ては成し遂げられた。全ては成就した。」

全ての旧約の預言を、イエズス様は成就しました。アダムとエヴァから始まって、洗者聖ヨハネまでが指し示した、全ての予言が、イエズス様を指し示していました。

イエズス様は、聖父の御旨を全て果たしました。御生まれになった時から、この十字架の上に至るまで、やるべき事を、聖父から与えられた全てを、完璧に果たしました。その苦しみの一つも逃さず、逃げずに、御血の一滴も残さずに、流し尽くしました。

イエズス様は私たちに、教えるべき模範を全て示しました。私たちに与えるべき秘跡を制定しました、七つの秘跡。私たちに与えるべき教訓を弟子たちに残しました。使徒たちを司教にしました。御聖体を残しました。

私たちはもはや、イエズス様の元に行くだけです。イエズス様は全てを成し遂げられましたけれども、私たちにはまだ、「イエズス様に行く」という「イエズス様の功徳を、私たちのものにする」という事が残されています。

イエズス様は予言されました、「私が高く上げられたら、全てを私の元に引き寄せる。」


イエズス様の元に引き寄せられて下さい。イエズス様以外の元には、救いがありません。イエズス・キリストの残した秘跡を、ミサを、御恵みを、功徳を、全て受け入れて下さい。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。




悲しみのマリア様とヨハネと一緒にイエズス様の十字架の元に行きましょう

2021年04月06日 | お説教・霊的講話
2021年3月26日(金)聖母の七つの御悲しみの祝日のミサ

聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父説教

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

七つの御悲しみの聖母は、御受難の主日の後の金曜日は「記念」ですが、しかし聖ピオ十世会では、聖ピオ十世会のシスター会、また奉献修道女の為の特別の守護の聖人なので、私たちは「一級の祝日」でお祝いをしております。今日は、ですからこのミサではクレドがあります。

では、マリア様の御元に、今日は、心で馳せ寄りましょう。死刑の裁判を受けて、十字架を担わなければならなくなったイエズス様の元に、マリア様は愛弟子、御弟子ヨハネと共に行かれます。私たちもマリア様の招きに応じて、一緒に、マリア様とヨハネと一緒に、イエズス様の担がれる十字架の元に行きましょう。

マリア様は、赤ちゃんの頃からイエズス様の事をよくご存知でした。どれほど優しい、清らかな、聖徳のある方であったか。その御子が、遂に、シメオンの預言の通り、全く罪がないにも関わらず、断罪を受けて、十字架を担っています。

血に塗れたその御顔。茨の冠から滴る御血。傷だらけの鞭打たれた御体。重い十字架。あえぎあえぎ歩むイエズス様の御姿。それを、マリア様はご覧になります。

イエズス様も、このマリア様の御姿に気が付いて、マリア様の眼差しを見ます。変わり果てたイエズス様を御覧になった時のマリア様の御苦しみは、心は、その心は、剣で貫かれたようでした。

一体、イエズス様が何の悪い事をしたのか。周りでは、イエズス様を罵る、冒瀆する屈辱の言葉、根も葉もない悪口、嫌がらせ、嫌味、それを耐え忍ぶイエズス様。

マリア様は、そのイエズス様をお慰めしようとしたいのですが、それはできません。イエズス様も、そのようなマリア様をお慰めしたいのですけれども、それはできません。深い悲しみ、マリア様は、イエズス様の十字架の後を従って歩まれます。私たちも一緒に歩みます。

マリア様が聞かれた十字架の釘付け。衣服を脱がれるその御姿。あるいは人々の乱暴な取り扱い。どれほど心が傷んだ事でしょうか。

十字架の上に釘付けにされて、高く上げられたイエズス様。マリア様と私たちは、一緒に立ち留まって、イエズス様の御姿を仰ぎ見ましょう。


イエズス様は、私たちの方を御覧になっています。

イエズス様の仰る言葉を聞いて下さい。「聖父よ、彼らを赦し給え。彼らはその為すところを知らざるが故なり。」

盗賊には、「今日汝、我と共に楽園にあらん。」

そしてイエズス様は、マリア様に何かを仰ろうとしています。あえぎあえぎ、一生懸命、苦しい中で何かを言われようとします。マリア様は耳を傾けます。

そしてイエズス様は、私たちの方を合図して、「女よ、これ汝の子なり。」

そして、私たちの方を向いて、「汝の母、ここにあり。」

マリア様を、私たちの母として下さいました。

マリア様、イエズス様はなぜこのように、これほどまで苦しんだのでしょうか?

それは、私たちを超自然の命において生み出す為です。天国の命を与える為でした。地獄の火から私たちを守る為でした。私たちの受けるべき罰を、イエズス様とマリア様が一緒になって耐え忍んで下さいました。

イエズス様の苦しみを見たマリア様。そのマリア様の御心は、剣で貫かれておられました。マリア様にどうぞ、その御悲しみをお慰めする言葉をかけてあげて下さい。

イエズス様を十字架から降ろして御覧になったマリア様の悲しみ。お墓に葬られた時のマリア様のその御心痛。

マリア様の傍に居て、「お母さん、イエズス様は、私の罪の為にこれほど苦しまれました。お母様もこれほど苦しまれました。これ以上苦しませる事がないように、力を与えて下さい。」

ではこのミサを、マリア様の御心のこの悲しみを少しでも分け与えて下さる事ができますように祈りつつ、御捧げ致しましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。







イエズス会のルイ・ラルマン神父(Père Louis Lallemant)の聖ヨゼフに対する信心

2021年04月06日 | お説教・霊的講話
2021年3月21日(主日)御受難の主日

聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父メッセージ



聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟姉妹の皆様、今日は聖ヨゼフに対する信心について少しお話をしたいと思っています。

特に有名な、イエズス会の神父様であるルイ・ラルマン神父様(Père Louis Lallemant)という方が、この聖ヨゼフに対する信心がとても有名なので、そのお話を少し致します。

ルイ・ラルマン神父様は、1588年生まれで1635年に亡くなった方で、特にブルージュという所にあるイエズス会の修練院で、校長、修練院長、責任者を務めていて、非常に多くの霊的な書物を書いて、立派な著作を残して、大きな影響を与えた方です。

聖徳の誉れの高い神父様でした。この神父様が、聖ヨゼフに対して特別な信心を持っていたのです。

何をなさっていたかと言うと「聖ヨゼフを、4つの点において真似る」という事でした。

第1は、聖ヨゼフのように、聖霊の勧めに従って、聖霊にいつも従順であるように生きた事です。

第2に、聖ヨゼフに倣って、天主の現存の内に生きて、祈りと日常の生活をいつも一致させていた事です。

第3に、聖ヨゼフに倣って、マリア様に対する愛と尊敬と、そしてそのマリア様との一致の生活をする事を試みていた事です。

特にマリア様の童貞性、純潔性、また母性、愛徳、全ての美徳を模範して真似ていた聖ヨゼフに倣って、ご自分も生活していました。マリア様に対する特別の愛を捧げていました。

最後に、ラルマン神父様は、聖ヨゼフに倣って、イエズス様に対する親密な生活をしていました。イエズス様の特に御謙遜、そしてその自己犠牲、また天主聖父に対する従順の徳を学んで、聖ヨゼフのように生活しておられました。

そして多くの恵みを受けて、聖徳にどんどん進歩していくのです。

そこで、ブルージュの修練院の校長だった時に、若い二人の司祭がいました。その司祭に、自分のその受けた恵みを分け与えようと思って、こんな提案をしました。

「聖ヨゼフに対する信心を、神学生たちに広めてごらん。そうすると、特別の御恵みがあるよ。君たちがたくさん受けたいと思っている最高の望みを、きっと聖ヨゼフは叶えてくれるよ。私がそれを保証する」と。

するとその時、二人の弟子の神父様たちがそれに同意します、「じゃあ、私やってみる」と。

一人は有名なポール・ラグノ(Paul Ragueneau)神父様で、1608年生まれで1680年に亡くなっています。この神父様は、ブルージュの修練院で教えた後に、カナダに行って、カナダのインディアン達をたくさん回心させた方で有名です。ヒューロン語を生まれつきの言葉のように話して、何千人という方々をインディアンの人たちを回心させました。

もう一人は、ジャック・ヌエ(Jacques Nouet)という神学者で、1605年生まれでやはり1680年に亡くなっております。この神父様は、偉大な神学者で、多くの有名な本を残している神学者でした。

宣教師と神学者、活動家とそして観想家、二つのタイプですけれども、その神父様たちは、自分の教え子たちに神学生たちに、聖ヨゼフの信心を教えて、そして聖ヨゼフの祝日が近付いていたので、「聖ヨゼフの名誉の為に、聖体拝領をするように」という事を神学生たちに勧めていました。

そして実際に、多くの恵みを受けたそうです。

ヌエ神父様は、その事をラルマン神父様に秘密に報告しました。実は彼は、「自分は、イエズス様の事について立派に話したり、著作をしたい、という事を最も求めていた」との事です。「そして、実際にその恵みが与えられた。特に、書きたいと思っていたその本が完成した」という事を明らかにしたそうです。

もう一人のラグノ神父様についても、ラルマン神父様に伝えたと思いますけれども、それが一体どんな内容だったのか、私たちには伝えられていません。しかし、この後の宣教師の偉大な活躍を見ると、ものすごい恵みが聖ヨゼフによって与えられた、という事を知る事ができます。

何を言いたいかと申しますと、私たちは、聖ヨゼフに対する信心をする事によって、多くの聖徳を得る事ができます。そればかりか、聖ヨゼフに対する信心を他の方にも伝えるだけで、聖ヨゼフから多くの恵みを更に受ける事になります。

聖ピオ十世会日本でも、愛する兄弟姉妹の皆さんたちの聖徳をますます高めて頂く為に、聖ヨゼフの信心を勧めたいと思っています。そしてこの聖ヨゼフが、聖ピオ十世会日本を通して、皆さんに多くの祝福と御恵みを与えて下さるように、お祈り申し上げます。

聖ヨゼフ、我らの為に祈り給え!

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。





--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

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