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ドロマエオサウルス補足



ドロマエオサウルスの前上顎骨歯について、前の記事中の文言を一部訂正し、ここに補足説明します。
ヴェロキラプトルでは2番目の歯が最も大きいのに対して、ドロマエオサウルスでは4本とも同じくらいとされる理由は、分離した前上顎骨歯が見つかっているため。

Colbert and Russell (1969) によると、歯槽に保存されているのは左の前上顎骨の後半部分の2本(3番と4番)だけであるが、その他に4本の分離した前上顎骨歯が見つかっている。形態から、これらのうち2本は右側、2本は左側のものである。さらに前縁と後縁の近接の程度(D字形に近い)から、右の1本と左の1本は1番目の前上顎骨歯と考えられる。よって左側の残りの1本は2番目となり、左側は一応、1、2、3、4が揃っていることになる。そのためCurrie (1995)の論文中で、大きさが4本とも同じくらいとされている。それなりのロジックがあって結論されているのが面白い。

ドロマエオサウルスの最大の特徴である、歯の前縁のねじれを確認しようと思って、Colbert and Russell (1969)を参照したのであるが、なんと前上顎骨歯の写真はあるが、上顎骨歯と歯骨歯の写真はないようだ。上顎骨歯については、文章で記述されている。


参考文献
Colbert, E.H. and Russel, D.A. (1969). The small cretaceous dinosaur Dromaeosaurus. American Museum Novitates 2380: 1-49.
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