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テラノヴァの感想(終)



 最後のクライマックスは映画的にまとめている。ジムが意識を失い、目が覚めた時には‥というのはストーリーを省略するときの常套手段であるが、そこからのレジスタンスを主に描くためだろう。
 侵略者側はいたずらに恐竜を殺すなど、この世界の自然を経済的利益のための資源としか見ていないことが描かれる。私腹を肥やすためジャングル一帯を焼き払おうとする敵の計画を知り、必死で阻止しようとするテイラー達テラノヴァ側。このモチーフは「アバター」、ひいては「もののけ姫」「ナウシカ」に通じるものがある。

 ルーカス(途中から阿部寛に見えてきた)とテイラーの親子対決あり、スカイちゃんもいろいろと活躍するし、エリザベスさんも反撃に一役買うし、あきさせない作りになっている。

 恐竜が出ないという不満に応えたのか、最後のカルノタウルスの使い方は、定番とはいえ良かったのではないか。このくらい活躍しないとね。

 あれ?全体として、すごく面白いと絶賛するほどではないが、普通に面白いのでは?細かい突っ込みを入れはしたが、また最初に述べたように軸足がはっきりしないきらいはあるが、総合エンターテインメントとしてはこんな感じだろう。打ち切りになるほどつまらないとも思わない。
 やはり予算をつぎ込んだ割には元がとれなかった、というFOX上層部の判断なのか。「海外ドラマファン」と「恐竜ファン」では感想が異なるということかもしれない。特に恐竜に興味のない、ストーリー展開を追いたい人は、散漫な感じを受けたということか。子ども向けなのか大人向けなのか中途半端だという批判もあった。恐竜ファンというのは恐竜が見られれば楽しいという「子ども心」を持ちつつ、複雑な陰謀やスパイの行動なども理解できる変な人種なので、違和感がなかったのかもしれない。
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