goo blog サービス終了のお知らせ 

tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

"Save Our Souls"(・・・---・・・)

2009-01-09 00:50:06 | プチ放浪 海沿い編




【撮影地】葛西臨海水族園(東京都江戸川区臨海町)

低視界でのボートダイビング。ダイビング計画通り、すべてがオンタイムで進行し、最後のエキジットの際に予定していたアンカーロープが見つからなかった場合にどうするのだろうか。
選択肢は2つ。
(1).アンカーロープを探す。
(2).フロートを揚げ、チームでまとまって浮上

先日の田子で、初心者チームを引率したイントラが選択したのは、ゲストたちのエアが十分に残っていたにもかかわらず、(2)のまとまって浮上するだった。
彼女は、フロートを揚げて、5m付近での安全停止させ、その後浮上した。海面でブイを探すと、はるか向こう30mぐらい沖にそれは浮かんでいた。彼女の方をちら見すると、明らかに意気消沈している。どうしてアンカーロープに気が付かず、通り過ぎてしまったのかと後悔している様子だった。こんな時、気落ちしないようにと、うまく彼女を慰めてあげられたらと思うのだが、相手が若い女性ということもあって、アイコンタクトして手を握る訳にもいかない。「なんで見落としたんだろう」とつぶやく彼女の言葉が聞こえなかったフリをするしかなかった。

彼女の選択は、正解だったと思う。初心者ダイバーたちのチームだったから、エアが残っていたにせよ、透明度の低い海でロープを探しまわっていれば、どうなっていたかわからない。自分自身の不安を抑えて、ゲストを安心させつつ、みんなを安全に浮上させた彼女は立派だった。彼女は何も恥じることはない。

だが、問題はこの後だった。いつもは、打ち合わせどおり、ぴったりの時間に、ぴったりの場所に浮上するものだから、ダイビングボートは、そのつもりで待っていた。フロートを打ち上げても、海面から大きく両手を振ってサインを出しても、ボートは拾い上げに寄ってこようとはしない。挙句の果てに、そばにいた他のボートにぼくらの存在を知らせている。おまいらの客だから拾いに行けと。
きっと、船頭さんは、ぼくらのチームを認識できず、他のチームであると勘違いしていたようだった。というのも、これまで完璧に打ち合わせどおりの浮上を繰り返していたものだから。
両手を振ってのサイン。このサインは万国共通の“レスキューシグナル”だったりするのだが・・・・・・。

気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ダイビングへ

ハンドシグナル(4)

2009-01-08 21:21:45 | プチ放浪 海沿い編

 
 

【撮影地】葛西臨海水族園(東京都江戸川区臨海町)

ところで、下田ダイバーズでは、チームをコントロールするため少人数制をとる。ひとチームは、多くても4人まで。経験豊富なダイバーは、一人でツアーに参加することが多い。しかし、tetujinがいつも入れられる初心者チームでは、気のあった友達と参加するダイバーが多い。友達同士でバディを組む。
したがって、いつも一人でツアーに参加するtetujinは、一人余るのでイントラとバディを組まされる。
イントラとバディを組むのは、素直に考えれば、イントラにコバンザメのようにくっついていればいいのだろうが、いらぬことを考えてしまったりする。
つまり、アシスタントとしての役割を要求されているわけではないのだが、チームのしんがりにくっついて、みんなよりも上層に位置して、急浮上を始めてしまったダイバーに備えたり、視界が悪い場合は、水中ライトで前を行くイントラに最後尾の位置を知らせたりと余計なことをしてしまうのだ。ただし、イントラから感謝されたことは一度もない。本当によけいなお世話なのか、イントラが気づいていないかのどちらかだろう。
このように、ダイビングする時は最後尾に着くことが多いのだが、このポジションの欠点は、イントラが示すスレートの文字が見えないこと。たいていの場合は、文字を読むのをあきらめて、こんなことを書いているのだろうと想像を働かせている。
たまに、前を行くゲストたちが、イソギンチャクをじっくりと覗き込んだりしているので、イントラのそばに行ってスレートを見ようとするのだが、スレートに書かれた文字はすでに消されていたりする。
しかたなく、そのイソギンチャクの写真を撮ったりしていると、場所が違うとイントラからハンドシグナル。みると、イソギンチャクカクレエビがイソギンチャクの陰で踊りを踊っていたりする。

スレートの文字が見えないから、あきらめて自分で被写体を探そうとあらぬ方向を見ていると、ぼくがすねたのかと思ってイントラがアイコンタクトしてくれる。でも、すねているわけでは決してない。これでも、めちゃくちゃダイビングを楽しんでいるのだ。


気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ダイビングへ

ハンドシグナル(3)

2009-01-07 22:44:25 | プチ放浪 海沿い編

 
 

【撮影地】葛西臨海水族園(東京都江戸川区臨海町)

以前、このブログでダイビング中にイントラが指し示すスレートのことを書いた。
「雲見 ハンマーヘッドロック(1)」← ココ 
http://pub.ne.jp/tetujin/?entry_id=1794025

”この前、雲見をダイビング中に、イントラが”Tか”とスレートに書いて示したので、一瞬、”シュモクザメ?”と思ってあたりを見回したのだが、実は書かれたのは”イカ”だった。”という話。

イントラの彼の名誉のために付け加えてくと、透明度のさほどよくない海で、かなり離れた中層を泳ぎ去るアオリイカを見て、大急ぎで書いたものだった。透明度が悪い分、ゲストが良く見えるようにと文字を大きく、したがって、必要最低限の情報とならざるを得ない。
さらに、スレートに丁寧に文字を書いていると、その間は、スレートを見続けることになる。そのぶん、ゲストに対する注意がおろそかになる。彼は、そうしたことを考え合わせての、”Tか”の記載だった。また、丁寧な字でスレートに書いている間に、レアな魚がどっかに行ってしまって、見たのはイントラだけということにもなりかねない。

正式なイカの名称は、ログ付けの時にでもすればいい。さすがはプロのガイド。感心するほかない。
 

気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ダイビングへ


ハンドシグナル(2)

2009-01-06 21:28:41 | プチ放浪 海沿い編




【撮影地】葛西臨海水族園(東京都江戸川区臨海町)

日本では、イントラがスレートにサカナの名前を指し示してくれる。このスレートによるコミュニケーションは、日本の海で特徴的なもので、海外ではあまり見かけない。スレートの代わり、海外では、ハンドシグナルが主流だ。
日本人ダイバーが、マクロの生物であるウミウシなどが好きなのは、このスレートによるところが大きいのかもしれない。というのも、ハンドシグナルで一緒に潜ったゲストたちに、まわりに同化したように見えるウミウシなどの名称を添えて示すのは困難だからだ。

国際的なハンドシグナルは、「OKですか?」というサインのほか、浮上、潜降、進路を右、左、さらに、「大丈夫じゃない」とか、エアー切れのサイン、「空気ください」、「タンク残圧は、いくつですか?」などがある。基本的には、本能的に理解できるジェスチャーが主体なので、初めてハンドシグナルを見ても、大体想像がつくものだ。
たとえば、プロレスのチョークサイン。このサインを見れば、一発でエアー切れだと理解できる。
こうしたハンドシグナルを駆使して、海外のイントラは上手にゲストとコミュニケーションをとる。「寒いですか」とか、「ゆっくり」とか、「待て」とか、「お座り」とか、「伏せ」とか。「お手!」もあったっけかな。

まだライセンスを取立てでモルジブで潜ったときに、遠くをホワイトチップシャークが泳ぎ去った。ヨーロッパのダイバーたちが、それぞれに「危険」のハンドシグナルを送ってくれるにもかかわらず、サメを追って行こうとして、お前はクレージーとログに書かれてしまったことがあった。
外国人の彼らが、サカナの事で水中でコミュニケーションをとるのは、危険な生物についての場合だ。これに対して、日本のイントラたちがスレートに書き示すのは、ウミウシなどのマクロな生物。こうした違いが、日本人と外国人とで、興味を持つ海の生物の対象を異ならせているのかもしれない。


気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ダイビングへ

ハンドシグナル(1)

2009-01-05 22:27:57 | プチ放浪 海沿い編
 
 
 
 

海を潜っていて聞こえてくる音は、自分の呼吸音。それ以外に、ボートのスクリューの音や、クマノミのカチカチと歯を鳴らす警戒音が聞こえてきたり、ブダイがサンゴをボリボリかじる音が聞こえてきたりもする。
たまに驚くのは、一緒に潜ったダイバーが発する声。
「キレイー」とか、「ツメテエー」とか。主に女性ダイバーが声を発するのだが、はっきりと聞こえてくる。
イントラが「ウシー!!!」と叫ぶので、そばに行ってみれば、ピカチュウが岩に張り付いていたりする。
結構、水中で音声でもコミュニケーションがとれるのだ。
ただし、しゃべれるのは簡単な単語まで。長文はどんなおしゃべりな人でも無理かもしれない。
というのも、試しに、一息で「スベスベマンジュウガニ」と20回繰り返して言ってみてほしい。きっと、息が続かないはず・・・(あれ?今やったらできた!)
基本的に、水中ではレギュレータのマウスピースをくわえた口で呼吸しているだけに、呼吸と同時に言葉を発するのはかなりストレスになる。鼻で息が吸えないせいもある。したがって、発声できても、単語がせいぜいのところなのだ。
このため、水中でのコミュニケーションは、ハンドシグナル、あるいは、スレートに書く文章でということなる。

気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ダイビングへ