旅にはテーマミュージックがつきものだ。その土地に合ったメロディ・歌詞。旅の初めにテーマミュージックが決まってなくても、知らぬ街を歩き回っているうちに特定の曲が頭の中でヘビーローテーションするようになるし、曲のイメージとともにその旅が印象付けられるのが常だ。
だが、この旅ではイメージできた曲がないまま、旅の終わりになろうとしていた。
いや、正確にいうとスピッツの「cherry」が頭の中をリフレインしていたのだが、これは日本をでがけにYoutube にアップした動画のBGMが頭に残っていたためだろう。
イスタンブルなんて、ろくなところじゃなかった。雨に濡れた石畳の通りの美しさに感動して、手持ちのSDカード目いっぱいに写真を撮りまくってしまったし。いまも、その美しい写真の数々を選びきれず、いくつものスライドショーをつくっちまったし。イスラムの女性のスカーフから覗く、きりっとした目に魅入られっぱなしだったし、飯はうまかったし、ベリーダンスは妖艶だったし、街歩きで疲れてカフェで飲むトルココーヒーは本当に味わいがあったし・・・
でも旅は終わるのが宿命。旅が始まったばかりだというのに、いつまでも居ついてしまいそうなイスタンブルから逃げ出してカッパドキアへ。730 km (454 miles) 深夜長距離バスの旅。そう、沢木耕太郎のバックパックの旅の踏襲だ。
制限速度が70kmの3車線高速道路。道路灯のない真っ暗な路面を、バスは制限速度70kmでひたすら走る。
ときおり、陸送の大型トレーラーが反対車線をすれ違うが、どこまでも続く一本道。
深夜バスの窓からは、真っ暗な道路の向こうに、点々と町灯りがずーっと見えていたような気がした。
明け方、曇り空の道路脇で見かけた白い大型テントのかたまり。そして、派手な原色使いの薄汚れた服装の女たちが朝げの支度をしていた。・・・ジプシーたちが、この国でまだいる。
そして、朝の光に包まれて見た道路脇を移動する羊飼いたちに先導された羊たちの群れ。
やわらかい朝の光の中で観たこれらの景色は、深夜バスの疲れから見た幻想だったのだろうか。
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