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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

パープルレッド

2018-05-15 22:16:11 | プチ放浪 海沿い編

テレビもねェ ラジオもねェ クルマもまったく走ってねェ ピアノもねェ バーもねェ

南の果ての島、ジープ島。グアムのさらに飛行機で約2時間、南へ。そこからボートで40分。太平洋のど真ん中、チューク諸島の環礁にぽつんと浮かぶ直径34mの小島。
島一周は徒歩3分。島に夜が訪れればガソリンを燃やす発電機で電灯がともる。もちろん、島には冷蔵庫も、飲み屋のねーちゃんももスターバックスもない。
だから島の夜をやり過ごすためのアルコールは持ち込むしかない。

南の島といえば常識的にはラムだ。しかし、氷も冷えた炭酸もライムも手に入らない。
なので冷やさずに飲める酒として選んだのは「しそ焼酎鍛高譚」。
北海道は釧路のお酒だ。鍛高(タンタカ)とは、アイヌ語でカレイ科の魚のこと。
白糠町に実際に伝わる民話によれば、カレイが紫の草を持ち帰り、魚たちが元気になったという。
あっさりでさわやか赤ジソの上品な香りのお酒。

なんで北海道の酒?
そもそも、2年前、南の果ての島へ旅行するきっかけとなったのはこうだ。
その年の一月、北海道の美瑛の雪景色を撮りに行く途中、旭川で立ち寄ったエジプト料理店でチューク(旧トラック)諸島の海中写真と、現地レストラン「宝島」の写真を見かけた。
オーナーである店の女性に話を聞くと、彼女のだんなさんと娘さんがチューク諸島でダイビングインストラクターをしてたとのこと。
話を聞いて血が騒いだ。南の島、行くしかないと。

カレイ科の魚はこの海にはいない。
それでも北の紫の草の香りとレッドパープルの色は、南の島の夕暮れの空に映えるかもしれない。