シルクロードの交易路として知られる天山山脈の国境越え。かつて三蔵法師が越えたとされる古来の道だ。圧巻の大草原が眼前に。
キルギスは、国土全体の40%が標高3,000mを超える。途中、高山病と折り合いをつけながらのトレッキング。苦しがってるぼくを若いガイドがやさしく見守る。
キルギスはどの場所も絶景の撮影スポット。また来たいな。
有名どころの東北の夏祭りは、福島・相馬野馬追を皮切りに各地で人気が高いものが順繰りに始まる。その意味で、福島・相馬野馬追は東北に夏をもたらす祭でもあった。
今年の祭りは、台風一過のタイミングで開催。前日まで相馬は雨続きだったらしい。このため馬場はおも馬場。
例年は、もうもうと舞う土埃の迫力がみどころの一つらしい。だが、重馬場を駆け抜けた顔中泥だらけの武者姿も魅力的だ。甲冑姿のサムライガールもゴージャスだね。
相馬野馬追は、旧相馬藩領(現在の福島県浜通り北部)で開催される神事。
平将門が、関八州の武将を集めて下総国で行った訓練がその起源といわれる。
日本には、馬を扱った祭りは数多くあるようだ。だが、これほどの数の馬と鎧武者が一堂に集まる祭りは他になさそう。
馬装も昔ながらのもの。鞍や鐙(あぶみ)も西洋式のものとは全く違い、木製の漆塗りで蒔絵や象嵌など芸術的の装飾が施されてる。
甲冑競馬や野馬懸、御行列など、まるでタイムスリップして戦国時代に迷いんでしまったかのよう。
安政二年の野馬追に伝わる話。
原町駅亭。藩主が鐙に足を掛けて乗馬しようとした時、これを嫌がって、後ろ足で立ち上がって藩主を背中から振り落とした馬がいた。
あわてふためく従者。かまわず駆け去ってゆく馬。よくある風景だ。この時、藩主にかけ寄って介抱したのが松本孫右衛門。
自分の馬を引っ張ってこさせ、地に手をついて四つん這いになって、みずから踏み台になって藩主の自分の馬に乗せた。
昔も今も、勤め人は大変だよね。特に中間管理職。
美しい馬だ。
かつて平将門が、領内の下総国相馬郡小金原に野生馬を放し、敵兵に見立てて軍事訓練をした事に始まるといわれる。日本にも野良馬がいた時代があったんだね。
度重なる戦乱で野生の馬たちは兵役に捕らえられ、野生馬はいなくなった。それに加え、輸送・農作業に使役した馬たちも行き場を失い、日本では日常で馬の姿を見ることは皆無となった。
福島・相馬野馬追の馬たちも、その半数は借りてきたかつてのサラブレッドたちという。より速く走れる遺伝子を持つものが残されてきたサラブレッド。
走るために生まれた馬たち。でも、実は彼らは自分からは走ろうとしないらしい。
しっかりとした調教が必要な理由だ。