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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~

2020-12-01 21:28:00 | cinema

I'm sorry・・・39フィートの大型ヨットを運転してた男は、海面に漂う中国の貨物コンテナに衝突して浸水するのをみつけた。インド洋をはるか一人で航海している最中のことだった。
ナビゲーションも、無線機も壊れた。立った独りぼっちだ。

・・・but I am. I tried

男は8日前にインド洋の単独航海を始めた。船内で寝ていた男は船に浸水してきた水音で目覚める。

名もなき男を演じるのは、チャールズ・ロバート・レッドフォード・ジュニア。1970年代に、ハリウッド屈指の美男俳優として数多くの映画に出演した俳優。ハリウッドで初めて「演技と製作の双方で成功を収めた人」。1936年生まれだから、86歳だ。

・・・太陽は照りつけ、持ち出した水や食料もほぼ底をついてしまう。
船で航海したことがある人なら、その不安や絶望感は実感できるだろう。
それでもやはり海はいい。一日中、海原を見つめていたい。水平線に沈む夕日に感謝の杯をささげたい。

いつか、そんな旅をしてみたい。

 


#BoycottMulan

2020-09-12 19:59:30 | cinema

アメリカ文化に毒されているせいか、中国への反感からか、観るのを潔しとしなかった映画。ディズニーの「ムーラン」。エンドロールには人権侵害が指摘されている中国の新疆ウイグル自治区への感謝のクレジット。昨年10月、深刻な人権侵害に加わったとして米企業との取引を禁じた同区トルファン市の公安当局や、中国共産党の宣伝機関も名を連ねている。

制作の遅れや新型コロナウィルスの影響を受け、劇場公開が中止となった映画だ。男装した女性が各地で戦果を挙げて帰郷する「花木蘭」という中国の伝説を題材としていおり、コン・リー、ジェット・リー、ドニー・イェンといった有名スターも多数出演している。

運が悪かったとしか言いようがない。映画の製作着手は5年余り前。当時の新疆は単にエキゾチックな砂漠の景色が広がり、強制収容所や文化的大量殺戮とは関係なかった。

映画の作品評価や出演者の背景にある問題はそれぞれ切り離して考えるべきだと思うものの、すっきりとはしない。中国の国家主義哲学に賛同した映画では決してなく、どこの国にでもある、祖国を愛し家族を守る、愛に満ちた映画であることは間違いない。上海ネズミランドには、ムーラン・アトラクションが生まれるのだろうか。


midnight express

2020-08-17 19:25:39 | cinema

まだ無名だったオリバー・ストーンの脚本、そしてアラン・パーカーが監督の「ミッドナイト・エクスプレス」。1978年のアメリカ映画だ。

東西を結ぶ麻薬の道「バルカンルート」。ヨーロッパとアジア、中東とアフリカをつなぐ地理的位置にあり、陸路、海路、空路で様々な人や物が行き交うトルコは、今でも麻薬の重要な中継地点。
恋人と旅行中だったアメリカ人旅行者のビリーは、出来心から麻薬をアメリカに運び出そうとして空港で身柄を拘束さ、現地の過酷な刑務所への4年間の投獄を宣告される。劣悪な環境下で主人公は次第に正気を失っていく。。。

この映画は、犯罪者の人権問題を取上げた政治的な作品として高い評価を受けた。しかし、残虐で異常な人格の看守と人権意識の欠如した法律しかもたない後進国として描かれたトルコの国民にとって、アメリカが最も嫌いな国にもなった。アメリカ社会におけるイスラム系の人々に対する差別意識を煽ることになった作品でもある。トルコは今、対イスラム圏の防波堤としてアメリカに利用されている。


イクジット・スルー・ザ・ギフトショップ

2020-07-19 20:55:47 | cinema

東京・日の出で発見され、「バンクシー作品らしきネズミの絵」で知られるストリート・アーティスト。バンクシー監督のイクジット・スルー・ザ・ギフトショップ。

ビデオ撮影が趣味の男ティエリー・グエッタに光を当てたドキュメントだ。アートの知識も技術もないティエリーはやがて、バンクシーによってアーティスト "ミスター・ブレインウォッシュ" に。
「何がアートで、何がアート作品じゃないかは鑑賞者が決めること」

アートってなんだろうね。取るに足らないと思われているアーティストたちが、ある日、脚光を浴びていく。そこには、やはりアーティストたちの主義・主張が必要だ。その根底があってこそ、本物のアート。


韓国中が・・・泣いた

2020-06-12 23:04:54 | cinema

自粛期間中、せっかくのおうち時間を利用して積極的にやってたのはDVD鑑賞。
海外はおろか国内も写真撮影がままならない分、せめて映像知識だけでも仕入れようかと。。

「7番房の奇跡」。韓国で歴代8位を記録。1,281万人以上の観客動員があった映画。ネットでは、そこらじゅうで「泣けた」との評判の映画だ。

・・・泣けない。何でだろう。コロナのせいでぼくの感性までにぶってしまったのだろうか>感染はしないけど。あまりにも内容が微妙すぎて書く気も怒らない。。けっして韓国映画がきらいというわけじゃない。「SUNNY]はいい映画だと思ったし、笑いながら泣いて観てた。

ということで、脚本を代えてリベンジ。あえてトルコリメイク版で再鑑賞。
今後はすんなり泣けました。別れの時に「come here asshole]で号泣。。
冤罪によって収監された男の物語。実際にあった事件を基にしているらしい。それだけに心にしみてくるのは、罪を犯してないのに死で償わなければならない理不尽ささ。激しい怒りがこみ上げてくる。
トルコ版は脚本がすっきりしていてストーリーにぐいぐい引き込まれていく。
本質を見失っちゃだめだよね。