彦四郎の中国生活

中国滞在記

日本滞在➂④―故郷・福井、留学生の大学院試験結果、娘の結婚問題、文集作成など―

2016-03-05 06:38:12 | 滞在記

 2月8日から10日にかけて、福井県の故郷の家に帰った。一人暮らしの母は元気にしていた。南越前町糠漁港は、小さな漁村の一つだが、寒冷なシベリアからの北風に、少し海が荒れていた。冬季は海が荒れるので、定置網などの漁業網やブイ(網を浮かせる)は港に揚げられている。3月末より漁業が再開される。となり町の越前町の大型港では、冬季は「越前ガニ」の漁業が盛んだ。

 2月9日の朝、「寺坂家之墓」に行く。小さな墓から、わずかに海が見える。夕方、武生の街に行き、友人たちと久しぶりに会い、酒を飲みながら深夜までいろいろ話し、歌い 過ごした。
 10日の昼過ぎに京都に戻った。東京に住む中国人留学生の申さんが、「立命館大学大学院」の入学試験を受けるために京都に来た。夕方、すでに昨年の9月から立命館大学大学院に通学している林さんとともに三人で、市内で夕食をとった。翌日11日に試験がある。申さんの宿泊は林さんのアパート。

 1月17日に日本に帰国し、2月21日に中国に戻るまでの期間、「文集」を作成することが一つの目的だった。約3週間を要したが、文集が60部完成したので、2月19日に国際郵便で中国に発送した。福建師範大学外国語学部日本語学科3回生の「日本語作文」の授業で書かせた作文を掲載している。54ページ。以前に勤めていた学校で、料金を払い印刷製本させてもらった。文集作文の内容は、①写真②「私の故郷」※全員の作文➂「中国人と公共マナー」、「恥ずかしかったこと・くやしかったこと」、「自己紹介」の3つの作文から、学生が1つ選んだ作文を掲載している。中国人が書く日本語作文は、表現が率直で かなり面白い。

 中国も徐々にサッカー熱が国民的に高まってきていると思う。中国のプロサッカーリーグは今年度、世界で最も巨額の500億円近くのお金をかけて「世界の有名選手」を招致している。福建師範大学の運動場でも、一般市民のチームが何チームも練習やゲームをしている光景が増えてきた。
 ブラジルオリンピックのアジア枠出場権を男子チームが優勝し勝ち取った。何試合か このチームの試合を見たが、なにか強さを感じた。チームの一体感と言うか---。先制点をとられても、最終的に勝利するような予感を感じさせるチームだった。手倉森監督というのが 面白い人だ。何か親近感を感じる。かっては「鹿島アントラーズ」の一選手だったが、世界的選手のジーコが加入し、監督となるころはパッとせず、パチンコや競馬の賭け事にあけくれていたらしい。監督のジーコがパチンコ店まで探しに来たときには、隠れたりもしたようだ。サッカー人生に完全に行詰まっていた時期、貯金総額の2000万円を競馬に賭けて パーになったこともあるという。
 女子サッカーが、昨日 中国に2対1で完敗した。オリンピックへの出場は もうかなわないだろう。これまでのオーストラリア戦・韓国戦もみたが、佐々木監督の選手起用判断も冴えがなく、精神的にも完全に行詰まったチーム状況を感じた。FWの横山選手の活躍だけは、注目出来た。監督の進退も含めて新たなチーム作りが必要な時期なのかと思った。
 1990年代に数回、恐竜発掘調査のためにアメリカに行った時、芝生の広場などで「わぁ!女性がサッカーをしている!!」と驚いたものだが、それから20年を経て、世界的にも女子サッカーが盛んになってきた。

 アメリカでの「大統領選挙」に向けた「共和党」「民主党」の候補者選びの行方が、世界の政治状況に今後の大きな影響を与えるだろう。共和党の「トランプ現象」は、今のアメリカの国民感情をかなり露呈しているものかと思う。「世界のリーダー・アメリカはもうやめよう。他国の世界的な利益をも考えるリーダーシップ・アメリカはもうしない。アメリカ国民だけが豊かになればいいのだ。」というトランプの極端な主張。もし、トランプ氏が大統領になったら、この東アジア(中国・日本・韓国・北朝鮮・ロシア・台湾・ベトナム・フィリピンなど)の政治状況は、混沌とし混乱したものになり、緊張が高まり 危機が訪れることはまちがいないだろう。日本や中国の国民の暮らしにも直結する。
 それにしてもアメリカという国の、「民主主義」や「報道の自由」さには、改めて日本の国の現状を考えさせられる。奈良県選出の高市早苗総務大臣の「テレビ界」への恫喝的な発言(高市氏の安倍首相への「へびこつらい」に感じるが。)に対して、反論しないテレビ界の人間もかなり情けない状況かと思う。NHkをはじめとして、各テレビ局の「もの言う」報道番組司会者の左遷が ここ1年あまり目立ってきた。『時が滲む朝』(※楊逸 芥川賞受賞作)を立命館大学の図書館から借りて読んだ。なかなかすばらしい作品だった。作者の体験をもとに、身をけずりながら書いた作品だと思った。中国を知るためには、必読の一冊だ。

 昨年の7月から日本に来日し、東京に住み 日本の大学院進学を目指して苦労していた閩江大学時代の三人の学生たち。日本に帰国する一週間前あたりから、中国に戻った2月21日以降、各人の入学試験の結果が最終的に連絡されてきた。申さんは、「立命館大学大学院・立教大学大学院・明治大学大学院」に合格し、「明治大学」に入学する予定となった。黄さんは、「北海道大学大学院・東京外国語大学大学院」に合格し、「東京外国語大学」に入学する予定となった。もう一人は、受験した二つの大学院合格に至らなかった。中国の両親を説得し、さらに半年から一年間 苦しいだろうが日本に留まり、大学院進学を目指してがんばることとなった。

 ―娘の結婚―

 日本に帰国した1月17日の5日後に、娘が付き合っている男性と初めて会ったのだか---。急転直下、私の日本滞在中に結婚が決まってしまった。父親として、気持ちの切り替えが 急激な展開のために なかなか難しいのだが---。急きょ、中国に戻る1日前に 男性の両親たちや本人たち、私の妻がそろって、「京都がんこ寿司二条苑」で会うことになった。そして、結婚式の日取りも決まっていった。4月9日(土)、京都嵐山の結婚式場で挙式予定となった。この日は娘の28歳の誕生日となる。2013年9月の中国赴任以来、日本の桜を見ることができなかったが、3年ぶりに日本の桜を見る事ができる。別れと出会いや独立の季節だなあ---。桜が慰めてくれるだろう--。

 2月21日(日)、中国に戻る。後期は、一回生の「文法・会話」と二回生の「日本概況」の授業を担当し始めた。新しい学生たちとの出会いが始まった。

 







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