彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国「新病毒(新コロナウィルス)」❶春節という最悪のタイミング、爆発的感染―訪日客、大量マスク購入

2020-01-27 10:24:44 | 滞在記

 中国では「春節(チュンジェ)―旧正月」が1月24日(大晦日)から始まった。中国の春節日は毎年変わる。早い年は1月20日頃から、遅い年は2月中旬ころからとなる。今年は早い時期の1月25日(正月)が春節となった。1月24日(金)の大晦日から1月30日(木)までの1週間、大型連休日となる。

 太陽の動きではなく、月の満ち欠けを基準にする「大陰太陽暦」の新年「春節」。古代中国で生まれた暦で、東アジアで広く使われてきた。日本でも明治5年(1872年)まで、1200年以上も使われていたが、文明開化とともに今の太陽暦に変った。かっての暦(旧暦)のお正月だから「旧正月」。日本でも旧正月の風習は、私が子供の頃の1950年代から60年代初頭まで 私の村では残っていた。中国も普段は新暦(太陽暦)を使っているが、春節の他に、清明節(4月)や中秋節(9月)など旧暦の大事な節目を祝う習慣が残り、国民の祭日となっている。清明節や中秋節も毎年、月の満ち欠けにより、日が変わる。

 昨年は約630万人が外国旅行をした。また、中国国内での旅行や帰省で、列車や長距離バス、飛行機や自家用車などで移動する人の数は延べ30億人にのぼった。今年、外国旅行をする人のほとんどは、1月31日(金)も休んで、2月1日(土)・2日(日)までの約10日間の日程で海外に出かける人が多いのではないかと思われる。

 中国人にとって、1年間の中で最も特別な「春節」。大晦日があり、子供達は祖父母や両親などから「お年玉」をもらう。都会に行っている大学生たちや、都会暮らしの人々も、両親や祖母が暮らす家に里帰り(帰省)する人がとても多い。帰省ラッシュに備えて春節の前後は飛行機や鉄道もバスなどの交通機関は「春運」と呼ばれる特別態勢を組む。

 旧正月の大晦日、家族で作った餃子(ぎょうざ)を食べながら、酒も飲み、午後8時から始まる「春晩(チュンワン)」と呼ばれる歌謡番組放映をみんなで見ながら年越しをする。ちなみに「春晩」は、日本の大晦日の「NHK紅白歌合戦」と類似しているが、その規模や内容の豊かさ・面白さは、日本の紅白とは比べものにならないくらい。日本の紅白がみすぼらしく感じてしまうくらいだ。CNN(中国中央電視台)の「春晩」が最も規模が大きいが、中国各省にあるテレビ局でも独自の「春晩」が作られて放映される。中国の「春晩」は日本でもインターネット視聴することが可能だ。

 現在、旧正月を祝う主な国や地域は6つ〜8つある。それぞれ呼び方も違う。中国では「春節」、ベトナムでは「テト」(1週間の休日)、韓国では「ソルラル」(4日間の休日)、台湾では「春節/過年」(1週間の休日)、香港では「春節/農暦新年」(4日間の休日)、シンガポールでは、「チャイニーズ・ニューイヤー」(2日間の休日)となる。中華系住民の多いマレーシアやインドネシアでも旧正月を盛大に祝う風習がある。

  「春節」期間の海外旅行先として最も多いのが、昨年度は日本とタイだった。(1位日本、2位タイ、3位シンガポール)。都市別では1位バンコク、2位大阪、3位東京となっている。 

 ところが1月上旬ころから、中国の武漢市(人口1100万人)で広まった「新コロナウイルス」のニュースが毎日のように日本でも報道され始めた。そしていよいよ春節が始まる1月20日ころからは、その感染の広がりが 中国国内だけでなく、世界規模になってきていて、「中国肺炎 爆発寸前―武漢封鎖」「春節、70万人 訪日―日本国内2例目発症」という新聞記事やテレビ報道が行われ始めた。まさに、今後 さらなる感染の爆発的広がりは 底なし沼のように広がりそうだ。

 中国の「春節」の大晦日の24日の昼、京都市内の祇園に行くと、たくさんの中国語が聞こえてきた。祇園の「スギ ドラッグ」の店の前に行くと、大勢の中国語圏観光客の姿が。マスクが中国国内では売り切れて手に入りにくいようで、ものすごい量のマスクを購入している人たちが。45ℓゴミ袋一杯に買い込んでいる人たちが多い。他には中国でも2年前から人気の日本商品「龍角散」の売れ行きもすごい。

 まず日本に到着して行くところは「ドラッグストアー」でのマスク購入という感じの中華圏からの訪日観光客の姿。この大量のマスクを持っての観光移動は大変だとは思うが、まずは、「マスク」。日本のマスクは高機能商品として中国でも以前から評判はよかったのだが。日本のマスクも都市部では品切れが多くなりつつあるようで、マスク製造会社は24時間体制の増産を始めたという。

 

 

 


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