彦四郎の中国生活

中国滞在記

積雪の中、久しぶり帰省➋春しのび寄る—長浜盆梅展と菜の花畑、そして比良山系の雪景色

2022-01-22 19:05:35 | 滞在記

 1月17日(月)、再び積雪の深い福井県・滋賀県の県境を越えて滋賀県に入った。この日は福井県の敦賀から国道8号線の深坂峠を越えて滋賀県木之本町に。このあたりも積雪は多いが、道路は除雪されていて通行に支障はなかった。琵琶湖東岸沿いの「さざなみ街道(ロード)」をひた走り長浜城付近に着く。近くで「長浜盆梅展」が開催されているので見に行くことにした。20日の大寒のこの時期、何か、春がしのび寄っているのを感じてみたくもなってくる‥。

 今年で71回目となる長浜盆梅展は、1月9日(日)~3月10日(木)までの2カ月間開催される。この長浜盆梅展は、長浜市浅井町に住む盆梅愛好家の高山七蔵氏が、自分の所蔵する約40鉢の盆梅を、もっとたくさんの人々に鑑賞してほしいという思いから長浜市に寄贈したことがきっかけとなり、1952年から開催されるようになった。私が生まれた年の始まりだ。そして現在では日本一の盆梅展として有名になっている。2月になれば、日本全国各地で梅がほころび開花し、多くの人が梅を愛でるが、1月9日から梅の開花をみられるところは、ちょっと珍しい。一足早く、春の訪れを感じられるのが、ここ長浜盆梅展。

 JR長浜駅には「旧長浜駅舎」が現存する。1882年(明治15年)につくられた駅舎で、現存する駅舎としては日本で一番古い駅舎。駅舎内には鉄道文化館があり、D51型蒸気機関車も展示されている。この旧長浜駅舎の前にある「慶雲館」で毎年長浜盆梅展は開催されている。慶雲館がつくられたのは1887年(明治20年)。作庭は七代目小川治兵衛。

 大広間には、開花している紅梅・白梅・桃梅などがずらりと並び、梅の香りが漂っている。庭には積雪がかなり残る。まだこの時期の入場者はとても少なく、会場に入った午後2時ころの客は10人ほどだった。2カ月間の間に5万人余りの入場者となるようだが、見ごろとなる2月は多くの人がここを訪れるのだろう。

 まだ蕾が少し開花した程度の盆梅の古木が展示されていた。一つは樹齢250年の「昇龍梅」と名付けられている古木。龍が昇るさまのようだ。幹の根本は細く朽ちて空洞がほとんどだが、それでも生きて花を咲かせている。もう一つは樹齢250年の「瑞光梅」と名付けられている盆梅。これも根本は大きく空洞化しているが、しっかり枝をつけ開花させていた。おそらく二つの盆梅とも、2月上旬頃には開花がすすみ、見ごろを迎えるかと思う。

 会場案内ボランティアのおじいさんの話によると、「2月には樹齢400年の盆梅が展示されるとのこと。また、長浜市が管理している盆梅は、現在では約3000鉢にのぼり、市内4箇所の地でこれらを世話し管理している。長浜市役所には、この盆梅管理専門の部署もあり、この盆梅展には、その年に展示される約300鉢が選ばれ、1週間ごとに開花状況の具合により展示入れ替えが行われ、約90鉢が会場内に常時展示されている」とのことだった。樹齢250年の「昇龍梅、瑞光梅」などは毎年展示されていると話していた。

 今年の盆梅展は、「早川鉄兵—WORLD OF  KIRIE」と題された、切り絵と盆梅の展示コーナーが設けられていた。黒い切り絵には、イノシシ・キツネ・鳥・ウサギ・クマ・クジャクなどがあり、森の中の梅と動物がイメージされていた。

 長浜といえば、盆梅展が終ったあとの4月中旬の4日間、「長浜曳山まつり」が開催される。一度見てみたい‥。近江湖北の長浜の町は、盆梅展➡桜➡曳山まつりと、厳冬から春さき、春へと季節が移り変わっていく。

 でも、今年の正月から始まった第六次新型コロナ感染爆発(オミクロン変異種)により、70年間一度も絶える事なく毎年開催された長浜盆梅展の開催期間や長浜曳山まつりの開催も微妙になってくる可能性もある。今日22日は、1日の新規感染者が5万人をはるかに超えて6万人台に迫りそうだ。滋賀県では昨日は445人と発表されていた。長浜盆梅展の見ごろとなる2月には、コロナ超爆発感染拡大となる可能性が大きいと予測もされている。

 長浜から湖岸道路を米原市、彦根市、東近江市、近江八幡市を通過、「さざなみ街道(滋賀県湖北の木ノ町から湖南の大津市まで続く)」を車で走り、守山市にはいると、湖岸に広い菜の花畑が見えてきた。ここは毎年この時期になると菜の花が満開となる。

 琵琶湖西岸の比良山系(1000m級の山々がいつくつか連なる)が冠雪し、雪化粧の山々が望める。比良山系の雪化粧と満開の菜の花畑の光景がこの時期にみられて、まさに「春が近い」と思わせる光景が広がる。滋賀県地方が雪となった日の翌日が晴れとなった日などは、絶景の光景が見られるだろう。

 琵琶湖湖の岸辺におりての、比良山系の雪景色を眺めるのもまた、絶景だ。水鳥も泳いでいた。ここ「第1なぎさ公園」の菜の花畑づくりは、1995年から始まっているようだ。開墾から種まき、肥料やりなど、畑の世話をしているのは滋賀県守山市の人材シルバーセンターの20人ほどの班のメンバーたち。夏はここはヒマワリ畑となる。今見られる菜の花の品種は「カンザキハナナ」。約1万2000本が植えられている。

 琵琶湖さざなみ街道を大津市に至り、瀬田の唐橋から宇治川の渓谷に沿って京都府宇治市に至る。夕暮れ時に京都盆地に入り、自宅に戻った。

※東近江市の「世界凧博物館・東近江大凧会館」では、特別展「寅の凧と郷土玩具展(1/3~1/23)」が開催されているようだった。1月27日から2月6日までは、節分にちなんで特別展「鬼の凧展」(鬼を退治する絵が描かれた凧の展示)が開催される予定となっていた。

 

 

 


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