彦四郎の中国生活

中国滞在記

コロナ防疫:日本の失敗の本質はどこにあるのか❶―この1年間で、この第4波は最大の危機に直面か‥

2021-04-24 10:04:50 | 滞在記

 「コロナ第4波のピークは10月―東京1日5600人も、東京五輪開会式を"変異株"ショックが直撃―AIが予測」との見出し記事(『週刊朝日4月16日号』)は、ショッキングな内容だった。

 変異株の感染急拡大によるコロナ第4波はどこまで拡大するのか?AI(人工知能)による予測では恐るべきシナリオが待ち受けている。記事は、日本のコロナ対策「失敗」の元凶でも"感染症対策ムラ"が抱える深刻な問題点も書かれている。このAI分析は筑波大学大学院の倉橋節也教授(社会シミレーション学)が発表したもの。

 AIによる感染拡大のシミレーショングラフ(東京都)は、「①東京が感染者数1500人で緊急事態宣言発令/高齢者優先でワクチンを1日7万人(都民人口の0.5%)に接種した場合のシミレーション」と「②感染者500人で緊急事態宣言発令/ワクチンを1日7万人(都民人口の0.5%)に接種し、うち3割を59歳以下に振り分けた場合」の2つが掲載されていた。①の場合の感染ピークは10月20日、1日の感染者数は5600人と試算される。②の場合の感染ピークは8月30日、1日の感染者数は700人と試算される。いずれも、東京五輪が開催された場合の閉会後がピークとなる。

 ちなみに、まん延防止重点措置や緊急事態宣言などの規制措置を有効に実施しない場合は、①の場合の10月20日の感染者数の予測は1日23万人と予測。日本でも欧米のような猛烈な感染爆発が起きる可能性が示唆されている。

 ①の場合、東京だけでもこれだけの感染者数なので、全国の1日あたりの感染者数は優に1万をはるかに超えることとなり2万人・3万人台となる可能性も示唆される。東京では4月3日には1日446人の感染者が確認され、昨日の4月23日では1日759人が確認されている。同日、大阪は1162人、兵庫は567人。愛知・神奈川・埼玉・福岡などはいずれも200人超え。北海道・千葉・京都などは100人超え。全国では1日5113人の新規感染が確認された。1・2・3波と比べてとても早いスピードでの感染者の急増状況。

 明日25日から5月11日までの17日間、大阪・東京・兵庫・京都の4都府県には3度目の「緊急事態宣言」が発令されるが、100人・200人超えの6道県にも「緊急事態宣言」の発令が必要ではないのだろうか。(※面積の大きい北海道の判断は微妙だが)    4都府県だけの宣言実施ではコロナ抑制の効果には大きな疑問が残る。

 変異株コロナウイルスが感染拡大の主流となりつつあるが、二重変異株という新たなタイプのコロナウイルスに感染した人も出始め、「二重変異種上陸」の報道もされ始めた。

 週刊朝日の記事にはまた、「"感染症ムラ"の非常識が招いている第4波"打つ手なし"の悪夢—厚労官僚も"能力不足"。"ガラパゴス化"した厚労省・感染研の変異株検査は"周回遅れ"」の見出し記事も。日本のコロナ感染対策の失敗の本質は、安倍政権や菅政権がきちんとした感染対策の組織を作らず、対策責任をたらい回しにし続けていることに起因していることだ。基本戦略がまったく確立できていないのだが、これについては、次号以降のブログで少し詳しく述べたいと思う。以下、本号では、昨年の春からここ2月を経て現在に至る、日本のコロナ状況や対策の経緯について、再確認のためにも記す。

 日本における新型コロナウイルス感染拡大は現在、最大の危機ともいわれる第4波に入っている。第1波は昨年春の3月から5月にかけての時期だった。安倍政権のもと、昨年4月7日には第一回目の緊急事態宣言が7都道府県に発令、その後4月16日からは全国的に緊急事態宣言が発令された。ピーク時の1日全国感染者数は800人ほどで、宣言が解除された5月25日の全国の1日感染者数は20人までに減少した。しかし、第2波が7月~9月の夏に来て、お盆帰省には自粛ムードが広がった。この第2波の1日の全国感染者数のピーク時は1600人ほどで第1波の2倍だった。

 第3波は11月下旬頃から始まり、年末年始を挟んで、2021年1月中旬ころにピークを迎えた。ピーク時の1日の感染者数は約8000人に上る。1月8日から11都道府県に2回目となる緊急事態宣言が発令され3月21日に宣言が解除(※大阪府だけは府の要請に基づき1週間早く解除)。解除時の1日感染者数は1110人と「高止まり」。その後、変異種による感染拡大が大阪・兵庫より急拡大。このため、蔓延防止重点措置(まん防)が大阪などから要請され急きょ発令される事態に。(①4/5大阪・兵庫・宮城②4/12京都・東京・沖縄③4/20埼玉・神奈川・愛知・千葉④4/23愛媛、以上11都府県)

 そして、今回、明日4月25日からは、大阪・東京・兵庫・京都の4都府県には緊急事態宣言が当面5月11までの17日間発令される事態となっている。(7県は「まん防措置」のまま) 長期を見越した防疫感染抑制戦略がないままの"打つ手なし""基本戦略なし"の管政権下でのコロナ対応に国民の不安は増大し続けている状況だ。

 4月9日付朝日新聞、「東京・京都・沖縄、まん延防止へ」「第4波 大阪は医療崩壊 2日連続1000人超」。17日付朝日「大阪 病床数超す」「大阪府吉村知事 緊急事態宣言の要請」などの見出記事。日本医師会の中川会長「これまでで最大の危機だと思います。感染力が強い変異株ウイルスが主体になりつつあるということです」「早期の緊急事態宣言のが必要ということです」とのテレビ報道での記者会見。

 4月16日・17日付朝日「大阪の指揮をとる 感染"災害レベル"と府健康医療部長の藤井睦子氏」「まん延防止 新たに10都府県に拡大」などの見出し記事。後期高齢者を主対象としたコロナワクチンの第1回目接種がようやく4月12日から一部だが開始され始めることとなる。

 中国のインターネットや新聞などでも、このような日本の状況について、「東京奥運(五輪)黄了?日本疫状持続反弾(リバウド)!恐大規模暴発」などと報道されていた。

   4月20日付朝日、「感染大波 宣言またか―1年間同じ繰り返し」の見出し記事。非常事態宣言の発令にともない、大阪市では「午前中2時間オンライン授業―登校して給食—下校帰宅して、午後オンライン授業」を実施と発表。教育現場にも混乱が生じている。

 4月19日、教育評論家の尾木直樹氏が、大阪府の吉村知事のコロナ対応に、「大阪のドタバタ劇!??!」と題したブログで、「何をドタバタやってるの。連日のTV出演で熱心に語っている割には全てにおいて[後追い後追い」の連発。いくら何でも大阪のみなさんはよくぞついていかれますね」と批判の意見を述べていた。また、続けて、「TVは、地道に成果を上げている首長さんをもっと紹介することが大切なのではないでしょうか」とも。

 確かに、山梨県などは東京に隣接しているが、驚くほど感染者が少ない県だ。そのあたりの報道はTVではほとんど報道されてきていない。大阪府での感染拡大を受け、ネットでは吉村氏のテレビ出演に対する「ほんとテレビ出演好きだな」「テレビに出ている場合か」などの批判は増えてきている。

 緊急事態宣言の発令に関して、中国のインターネットや新聞などでも報道されていた。4月23日、朝日「酒類提供店に休業要請」の見出し記事。

 今日24日付朝日には、「まん防対象地区」でも「酒類提供をやめる」ことを要請と西村経済再生担当相。このごろ小池東京都都知事をTVで見かけることが少なくなった。どうしてだろう‥。もう疲れきったのかな‥。都知事もお手上げ状態かと推測もされる。

 この4月に入り、世界の1日あたりの新規感染者数は約50万人。「変異株の猛威に 世界は危機感」との報道。中でもコロナワクチンの最大生産国でもあるインドでの再びの感染拡大は深刻で、1日の新規感染者は約20万人超。だが、バイデン政権となり、ワクチン接種がすすむアメリカは感染拡大に歯止めがかかり減少してきている。特にイギリスではワクチン接種がすすみ、この1月8日には1日約7万人の新規感染者数だったのが劇的に減少。4月8日には1日の新規感染者数が3126人となり、日本の同日3405人を下回った。

 

 

 

 

 

 


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