■特別講座の4回目は、「日本の俳句」。江戸時代の松尾芭蕉や小林一茶などの俳句を紹介し、大正期に生まれた自由律俳句(種田山頭火や尾崎方哉)も紹介。学生が俳句を作り発表。五回目は、日本の現代歌謡曲である「四季の歌」と「未来へ」(キロロ)の歌唱練習。そして、学生たちによる(1人又は2~3人グループ)日本の歌謡曲の発表(歌詞はPPTに映す)。私は中国語の歌「天路」を中国語で歌った。
🔴この特別講座では、先生が私たちを導いてくださり、中国の漢詩だけでなく、日本の短歌や俳句、そして日本の歌謡曲にも触れることができました。学ぶだけでなく、私たち自身も俳句や短歌を創作し、みんなの作品はどれも面白く、日本の歌謡曲を歌う課程では、一人ひとりが自分の歌声と個性を発揮し、みんなが素晴らしいパフォーマンスを見せました。寺坂先生の「天路」の歌声は非常に美しかったです。この特別講座はとても面白いと思います。私は好きです。(3回生 黄雅靖)
🔴この度は「中国の漢詩、日本の短歌(和歌)と俳句の世界、そして、日本の歌謡曲」という素晴らしいテーマの特別講座に参加させていただき、誠にありがとうございました。講座を通して、中国と日本の詩の深い歴史や文化的つながりについて学ぶことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。特に、漢詩や和歌、俳句の表現の違いや魅力を丁寧にご説明いただき、とても感動しました。また、日本の歌謡曲を詩の流れの中で紹介していただいたことで、現代文化とのつながりを感じることができました。貴重なお話を聞かせていただき、心より感謝申し上げます。今後の学びらも大いに役立てていきたいと思いました。本当にありがとうございました。(3回生 李楊)
■和歌に関してはアニメ映画名探偵コナンシリーズでの「から紅の恋歌」や映画「ちはやぶる」などがある。そのことなども学生に紹介した。今年は、その「ちはやぶる」の続編的なテレビドラマがこの7月上旬より放送されている。
🔴特別講座の勉強を通して、日本の俳句とか、短歌とか、歌曲などについて習った。そして、日本人の視点から中国の漢詩を見て日本語で詠むのと、中国人の自分から見て詠むのとでは、かなりの違うことが、珍しいだ。講座の中、私たちは俳句を書いてみた。中国の詩より、俳句はもっと自由でシンプルな文体だと思った。現代詩みたいな特徴があった。自分の気持ちをうまく表現することができた。最後の講座で、みんなは日本の歌曲を歌った。とても楽しいだ!寺坂先生の講座は、楽しみながら勉強して、おもしろい授業だ。(3回生 鄭鈺才)
—なぜ、中国人が日本語を好きになるのか、また、なぜ世界で日本語学習者が最も多い国が中国なのか—
現在、中国国内には105万人以上の日本語学習者がいる。また、日本国内に留学して日本語を学習している学生たちの数も中国人が最も多い。近年、中国人の日本語学習者が増加しているのは、日本のアニメや歌曲や映画、ドラマ、日本観光などの文化への関心の高まりや、中国国内の経済不況の長期化による就職難を背景とした日本への留学や就職希望の増加による日本語需要によるものと考えられる。また、中国の大学入学統一試験の「高考(ガオカオ)」で、英語の試験のかわりに日本語の試験を受験することが可能で、近年は日本語を受験する受験生が増加していることも一因だと考えられる。
日本語の特徴とは何なのか?これについて書かれた名著が2冊ある。➀『日本語(上・下)』岩波新書、➁『日本語教室』ちくま学芸文庫。いずれも著者は金田一晴彦。中国語は「四声」があって発音がとても難しい言語だ。例えば「いくらですか?(値段)」は英語では「How mach?」で、発音は簡単ですぐに通じるが、中国語では「多少銭?(ドウシャオチェン?)」。私はこの発音が通じるのに半年余りを要して苦労した。
日本語は文法的にちょっと難しい言語だ。文法の難しさベスト3を挙げると、①動詞の変化、➁助詞の使い方、➂敬語の使い方となるかと思う。そして、欧米人にとっては漢字の難しさがある。中国人(中国本土・台湾・香港)が特別に親近感をもっているのは、言うまでもなく日本語の中に漢字があるからだ。そして親近感とともに日本語という言語に好奇心をもっている。(※中国人にとって日本語の漢字学習で最も難しいのは、その読み方だ。中国語の漢字の読み方は一つしかないが、日本語の漢字は音読みと訓読みがあるので、読み方が複数ある。これは中国人にとってもけっこう難しい。)
—日本語はカッコいいという認識が中国人にはあるようだ—
日本語を好きな理由はいろいろあるが、多くの中国人が「日本語はカッコイイ言語」だと意識しているようだ。特に中国の若者にとって、日本語のかっこよさは、アニメから始まり、日本のドラマ・歌などまで広がっている。それらは日本文化輸出の域にあるものばかりだ。日本語のアニメや歌を通して独学し、日本の名門大学(上智大学や筑波大学など)に合格した学生も私は二人いて二人ともよく知っている。一人は現在は筑波大学大学院の博士課程(教育学)に学び、将来は中国の大学教員になることを目指してもいる。
「なぜ、日本語を好きになるのか?」という質問をすると、「日本の漫画やドラマを見るためには、日本の文化や歴史、人物への理解が必要だ。日本語を学ぶことで理解が深まる」「友達と一緒にカラオケに行き、日本語の歌を歌うと、注目される」「流暢な日本語で好きな日本のアイドルや歌手、俳優を応援したいから」「日本の礼儀作法が非常に伝統的な文化的感覚をもつ。そこには日本語そのものとつながりがある。」「日本という国に留学したい」「この就職難、チャンスがあれば日本で働いてみたい」などの答えもかえってくる。
今回7月の参院選では、皮相(ひそう)な「日本人ファースト」、「排外主義」、「在日外国人の問題」などがクローズアップされていたが、中国の若い人たちが、これだけ日本語を学んでいることを、日本人にも理解してほしい。そして、より多面的な中国と中国人を認識してもらいたいと思っている。今回、閩江大学での「特別講座」に対する学生たちの感想を読み、改めてそうも思う。
現在(2024年調査)では、➊海外での日本語学習者は約380万人。内訳ベスト10の国別では、①中国約106万人、➁インドネシア約71万人、➂韓国約47万人、➃オーストラリア約42万人、➄タイ約18万人、⑥ベトナム約17万人、⑦米国約16万人、➇台約14万人、➈フィリピン約5万人、⑩マレーシア約4万人。
❷日本国内での日本語学習者(日本語学校など)は約27万人。内訳ベスト9の国別では、➀中国約7万人(約30%)、➁ネパール約2.5万人(約14%)、➂ベトナム約3.2万人(約12%)、④フィリピン約8千人、➄韓国約7千人、⑥⑦ミャンマーと米国 それぞれ約5千人、➇台湾約4.6千人、➈ブラジル4.4千人などとなっている。