多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

「外国人の子ども集まれ とやま国際センター、来年 射水に支援施設」

2007-09-15 09:37:46 | TOYAMAな多文化共生
(北日本新聞2007年09月14日)

◇外国人の子ども集まれ とやま国際センター、来年 射水に支援施設

 とやま国際センター(富山市牛島新町)は来年度、外国人登録者の割合が県内自治体で最も多い射水市で、外国人の子どもを支援し、地域で暮らしやすくするための「多文化こどもサポートセンター」を開設する。運営を手助けするサポーターを広く募集し、外国人の子どもと遊んだり、簡単な日本語を教えながら、外国人の子どもが住み良い地域づくりを目指す。

 サポートセンターの開設は、本年度から三年計画で進めている「外国籍子どもサポートプロジェクト」の一環。とやま国際センターは今年八月、推進母体となる射水多文化共生推進会議を設立。県や射水市、同市教委などが参加し、開設に向け準備を進めている。

 計画では、同市内の公民館などを活用し、五カ所のセンターを開設。竹馬やメンコなど日本の遊びを一緒にしたり、学校の宿題を手助けするなどして外国人の子どもが楽しく暮らせる環境を整える。各小中学校にチラシを配布し、日本人の子どもも含め利用を呼び掛ける。

 開設に向け、十一月十八日には射水市橋下条公民館(小杉)で「こどもたちの交流会」を開いて手応えをつかむほか、アンケート調査で外国人の子どもの実態を把握し、運営に生かす。

 併せて、多文化共生の必要性を理解しているサポーターを公募。十月に射水市中央図書館(小杉)で四回にわたって無料の養成講座を開き、知識を得た上で運営に協力してもらう。

 とやま国際センターの中村則明主任は「外国人と日本人の子どもたちが理解し合えれば一石二鳥。多くのサポーターに協力してほしい」と話している。

 問い合わせやサポーターへの応募は、同センター、電話076(444)2500。

◇共生社会づくり急務 「登録者数」県内でも増加

 外国人登録者数は、県内外を問わず増加傾向が続く。平成二年の入管難民法改正で、日系ブラジル人や、研修・実習制度で来日する中国人が増え、外国人が地域の一員として安心して暮らせる「共生社会」づくりが急務となっている。

 とやま国際センターによると、平成十八年末の国内外国人登録者数は二百八万五千人で、この十年間で一・五倍になった。県内は十八年末、人口の約1・3パーセントに当たる一万四千八百九十一人。射水市では十八年五月現在、中古車販売業を営むパキスタン人や、ブラジル人ら、市人口の約1・8パーセントの千六百八十二人が暮らす。

 同市は県内自治体で最も外国人登録者の比率が高く、日本語の指導が必要な子どもの数も高岡市に次いで二番目に多い。同センターは、射水市をモデルケースと位置付け、将来的に各自治体にサポートセンターのノウハウを提供する考えだ。

 地域の外国人住民が一般的になる中、生活相談や他言語によるラジオ放送など、外国人の隣人を支える活動が始まっているが、子どもたちには言葉の不自由による不登校や学校嫌いになるケースもあり、一層の支援策が必要となっている。