Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

永遠のこどもたち(ネタバレ注意)

2013-12-08 11:41:23 | 映画
今回は映画「永遠のこどもたち」について。



僕はスペインに友人がいるので、なんかスペインにも親近感があって、スペイン映画もよく見るようになりました。でもこれはまだ観ていなかったので、DVDで観ることにしました。

プロデューサーはパンズラビリンスのギレルモ・デル・トロ。監督はこれが長編デビューのJ・A・バヨーナです。ちなみに、彼はその後ナオミ・ワッツとユアン・マクレガーの映画「インポッシブル」を撮るんですね。これもまだ観ていないのですが、津波に遭遇した家族の映画ですよね。アカデミーでもノミネートされていました。やはり才能ある監督さんなんですね。


ここで内容を・・・




孤児院で育ったラウラ(ベレン・ルエダ)は、長らく閉鎖されていたその孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建しようと夫のカルロス(フェルナンド・カヨ)、息子のシモン(ロジェール・プリンセプ)とともに移り住んでいた。だが、シモンは遊び相手のいない寂しさから空想上の友だちを作って遊ぶようになり、その姿にラウラは不安を覚える。そして入園希望者を集めたパーティーの日、シモンはこつ然と姿を消してしまい……。



と、書いてあります(笑)。




映画を観終わって、なんだか、切ないのに幸せな感じというか、不思議な感覚になる映画でした。パンズラビリンスでも感じたような感覚。これ、スペイン映画だからなのでしょうかね。独特な解釈があるような気がして。ホラーサスペンスの要素があるのですが、そこに、母子の愛が感じられるんです。


ゴシックホラーがお好きな方は、ご覧になってみてください。そしてこの独特の感じに浸るのも良いと思います。おススメします!


ここからはネタバレです。絶対にご覧になっていない方は読まないでくださいね。































この神隠しのようにいなくなってしまったシモン。ラウラは訪ねてきた一人の老婆(たしか、政府から来たと名乗っていたとおもうのですが、書いているときには、ちょっと忘れてしまいました)が怪しいと思うようになり、過去を調べていきます。そうしたら、いぜんこの場所(ラウラもいた孤児院)で働いていた女性だったことが判明。そして、彼女には息子がいたんです。でもその息子は奇形で、孤児院の中でも皆に嫌われ、そして、子供たちのイタズラによって、死んでしまうのです。このときラウラはちょうど孤児院を出ていたので、この事件のことは知らないのです。



自分の子供を殺された女は子供たちに毒入りのケーキを与え、全員を殺してしまいます。そして、遺体を窯で燃やしてしまったのです。彼女はその遺体をばれないように回収しようとして、この屋敷に来たのでした。

この子供たちの霊がラウラやシモンにも見えていて、なにより奇形の息子の霊の存在が一番大きく感じられていたのです。

この老婆がシモンを連れていったに違いないと考えたラウラは必死に彼女を探し、ついに見つけるのですが、その直後に彼女は交通事故で死亡。

シモンはどこにいるのか?

ラウラはシモンがいなくなった日のことを思い出します。「袋をかぶった友達の部屋にいく?」とシモンが言っていたことを。シモンがしかけた、宝詐探しゲームをしながら、どこにその部屋があるかを突き止めます。それは屋敷の地下でした。そこにあの奇形の男の子が幽閉されていたのです。

その階段の手すりが一部くさって落ちています。気を付けながら進むとそこには、袋を被った男の子が床に倒れていました。その袋をとってみると・・・

数か月前に失踪したシモンが変わり果てた姿で、横たわっていたのです。そう、シモンは手すりからおちて、上がることができず、亡くなっていたのです。彼女が感じていた、「霊」よる、物音はシモンが出していた音だと気付き、あの日地下室への入り口を鉄の棒でふさいでしまったのが自分だったことも気が付き、絶望からくる叫び声を出します。

救うことができなかったこと悔やむラウラですが、遺体にキスをすると、生き返る幻想をみるのでした。

そして、彼女は薬を大量にのんで自殺してしまうのです。

ですが、そこから、彼女はシモンや過去に殺された5人の孤児院の仲間たちと「永遠」に幸せに暮らすのです。



このラスト、パンズ~の時にも思いましたが、亡くなることで幸せになるということ、この独特の死生観がなんとも良いなぁと思うのです。死ぬことを美化している訳ではないのですが、ここに何か「救い」のようなものがあると思うのです。

こういう雰囲気、スペイン映画ならではって気がします。



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1 コメント

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紹介 ()
2014-10-13 13:01:09
日本語の起源

言霊百神
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