Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ムーンライズキングダム

2013-02-19 11:03:39 | 映画
今回は映画「ムーンライズキングダム」について。



監督はウェス・アンダーソン。僕は彼の作品を今回初めて劇場で観ました。予告編がとてもかわいらしくて、ちょっと皮肉っぽい雰囲気も素敵だったので。とても興味がありました。ロイヤルテネンバウムズが高評価の監督ですが、僕は劇場で観ていないんです。ということで、初ウェス・アンダーソンとなりました。


ここで内容を・・・・



1960年代ニューイングランド島。自分が養子だということを寂しいと感じながらボーイスカウト活動をしていたサム(ジャレッド・ギルマン)は、常に本を読んでいる少女スージー(カラ・ヘイワード)に恋をする。キャンプでの生活になじめない二人は文通を始め、キャンプから勝手に抜け出し森で自由気ままに過ごしていた。一方、村では保安官(ブルース・ウィリス)やスージーの両親(ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド)らが、二人を捜していたのだが……。


と書いてあります(笑)。


観終わって、とってもかわいくて、おしゃれな映画だと感じました。皮肉っぽいところや、グロいところ、大人の不倫、そういったところもすべてが「おしゃれ」に描かれています。それは監督の映像感覚のすごさなんでしょうね。1960年代という設定も現代からみると、雑貨がとてもかわいいし、ボーイスカウトでの生活がなんだかとても楽しそうだし(出てくる犬が死んじゃうのもウェスアンダーソン監督の良さなのかも)、ラストにむかっていくちょっとした盛り上がりもすごく「いいかんじ」なんです。

出てくるキャストもすごく豪華で、この映画に出たくて出てる感じ、すごくしました。

こういった雰囲気が好きな方はぜひご覧になってみてもらいたいです。僕もさっそくこの監督の作品「ダージリン急行」を借りて観てみたくらいですから(笑)。ちょっとハマりました。ダージリン急行もとっても楽しい映画でした。出てくる俳優さんもこの監督との仕事を楽しんでいる感じします。今回も出ていたビルマーレイなんか、ダージリン急行では、ほんの少ししか出ないのにすごく楽しい役ですし。

ゲイは、この手の映画もきっと好きだと思います(笑)。僕がそうですから。

ライフ・オブ・パイ(ネタバレ注意)

2013-02-18 18:00:44 | 映画
今回は映画「ライフ・オブ・パイ」について。



久しぶりにIMAX3Dにて鑑賞いたしました。この作品は絶対3Dで観るべきです!!3Dの使い方ってこういうものかとおもいしらされます。監督はブロークバックマウンテン、ウエディングバンケットのアン・リーです。ゲイの映画を撮ってくれる監督ってやはり親近感がもてます(笑)。

ここで内容を・・・



1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……



と書いてあります(笑)。


この映画はなんといってもその映像。もちろんストーリーもうまくできています。主人公のパイ(この名前の由来は映画をご覧になってくださいね)の両親が経営している動物園の映像から映画は始まるのですが。ここでもうやられてしまいました(笑)。3Dでみると、本当に自分がその場にいるような感じになることを。今での3D映画はアクションやSFものでそういうことに3Dって使うものと思っていましたが、自然、水、動物などに使用されると、なんといえない感覚になります。これは観て体感しないとわからないです。特に漂流している海の表現がとても雄大で、美しいんです。嵐がきたり、トビウオの群れが通ったり、クジラが現れたりと、様々な出来事が起きます。この出来事を通してトラとパイとの関係も変化していきます。このあたりも見どころだと思います。あとパイの宗教観もとても影響してきますので、そこらへんも注目して観てみてください。

画面のほとんどをCGで構成されている作品ですが、トラやそのほかの動物のリアルさはものすごいです。行動やしぐさ、耳の倒しかた、瞳孔の開き方、まったく擬人化されていないので、本物と思ってしまうほどです。

できれば3Dでご覧になっていただきたい作品です。







ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は読まないでくださいね。




トラと一緒になってしばらくはボートに別ないかだを作りロープでつなげて、漂流するパイですが、大嵐で筏がバラバラになってしまい、トラのボートに乗らなくてはならなくなるのですが、魚を使って、餌付けをしたり、大きな声で威嚇したりと、様々な工夫をしていくのもおもしろかったです。
途中、食べるものもなくなって、やせたトラとパイが「僕たちもう死ぬのかな」って二人で寄り添うシーンもとても印象に残っています。
そして、やはりラストがどうしても気になりますよね。
結局、トラとパイは無事に(というか浜辺に打ち上げらえる)メキシコに到着するんです。で、トラはジャングルの中に消えていくのですが、パイはジャングルに入る前に絶対自分の方に振り向いてくれると信じるのですが、そこはトラ。まったく振り向かずにジャングルに戻っていくのです。ここでパイは自分とトラとのつながりについて考えることになるというラスト。
僕は、ここでトラが振り向かなかったことでこのストーリーがうまくできたと感じました。動物と人間そこにある絆は深いのですが、その表現は人間と動物とで違うのではないかと思うのです。

とても良い映画でした。