Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

死霊のはらわた(ネタバレ注意)

2013-05-14 00:09:29 | Weblog
今回は2013年度版、「死霊のはらわた」について。




僕が初めて死霊のはらわたをみたのが、たしか大学生1年生の時だったと思います。全米の公開は1981年ということですが、レンタルビデオで借りて公開から何年か経ってから観た記憶があります。
その時は、ふざけたスプラッター映画だと思って観ていました(笑)。たしかに気持ち悪いのですが、笑っちゃうような場面が多くてそれがとてもおもしろかったという記憶があります。自分の首を持って新体操みたいなことしたりするんですよ(笑)。それがコマ撮りのいかにもお人形っていう感じなのが、低予算の面白さでした。

それが、前作の監督サムライミ(すっかりメジャーな監督さんになりましたね)が制作にまわって、新しい監督のもとリメイクされたと聞いて、早速観に行ってきました。

ここで内容を・・・


うっそうとした山奥にたたずむ小屋を訪れた、ミア(ジェーン・レヴィ)をはじめとする5人の若者。小屋で「死者の書」という不気味な書物を見つけた彼らは、はからずも邪悪な死霊をよみがえらせてしまう。解き放たれた死霊はミアにとりつき、若者たちに襲い掛かる。おぞましい姿に変ぼうしたミアと戦いながら山から脱出しようとする若者たちだが、死霊の力によって行く手を阻まれてしまう。助けを呼ぶこともできぬまま、一人、また一人と、彼らは死霊にとりつかれ……。


と書いてあります(笑)。


でも、もう内容なんてどうでも良いんですよ。とにかく死霊に取りつかれてどんどん変わっていく仲間に殺されていくさまがこの映画のおもしろさ。あと、とことんスプラッターなので、血の量や気持ち悪い体液、痛いシーンが目白押し。これを楽しめればこの手の映画はすごくおもしろくなります。

今回の設定が、薬物依存の女の子を薬から離脱させるために、この小屋にやってくるということなんです。これは現代的ですね。だから、死霊に憑依されて言動がおかしくなっても、「薬を抜いているための、禁断症状」って思われるのがなんともおもしろいところです(笑)。

結構前作が好きな方は、否定的な意見が多いのですが、僕はこれはこれとしてありだと思います。きっとサムライミもお金と技術があれば、こういった感じにしたかったのかもしれません。なにせ本人が製作していますから。

まぁ、こんな映画を映画館に観に行きたいと思うくらい好きであれば、ご覧になってもらいたいですが、それ以外の方はあえて観る必要のない映画です(笑)。

ゲイ的なしてんからは、主人公のお兄さん役の俳優さん、野球のダルビッシュに似てるんですよ(笑)。ここも要チェックですかね。

ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は読まないでくださいね。














で、前作の死霊のはらわたでは、死霊を復活させた本を焼くとうまく終息していったのですが、今回は燃やしても燃えないっていう設定になっています。

じゃあ。どうやって終わらせるのかといえば、生き埋め、体を燃やす、切り刻むという方法が本に書いてあるんですよ。ここでへんだなぁって思うのが、呼び出す方法があって、殺す方法もかいてある悪魔の書ってどうなのかと(笑)。まぁ、ここは映画ですからね。気にせずいきましょう。

結局生き残るのが、ミア(最初に乗り移られる女の子)のお兄さんなんだけど、このお兄さんも撃たれたり、さされたりしてるのに異常に強い(笑)。「え、さっきここ釘ささってたよね」的なつっこみをいれたくなるほどの、元気っぷり。きっとアドレナリンが過剰にでているからなんでしょうね。
で、このお兄さんがミアをいちど生き埋めにしてから蘇生することで、元に戻せると考えるんです。お手製のAED(心配蘇生装置)でね。

みごとに妹は死霊からの解き放たれて、あとは逃げるだけとなるのですが、ここで、死んだと思っていた仲間が死霊にとりつかれて登場。お兄さんが犠牲になりながらも小屋を燃やして、死亡。

ミアはひとり残るのですが、ここで真打の登場です。土の中からこのストーリーの前段階で殺された女の子が出てくるんですよ。でもね、この女の子が最初に出てきた女の子にどうしても見えないんです。僕の記憶力が悪いからなのか、どうなのかわからないけど、とにかく最初は「えっ!これ誰?」って感じでした。とにかくこのもう一人の死霊と最後ミアが戦うんです。ここも痛いのと気持ち悪いのと、結構おもしろいですよ。車の下敷きになって腕をはさまれたミアが、その腕をちぎって逃げるなんてことが行われます(笑)。

結局、この死霊はミアのチェーンソーによって二つに切り裂かれ、話が終わります。このシーンも楽しいです(笑)。

まぁ、前作のユーモアのあるようなシーンは少ないのですが、CG技術の向上によりリアルさが増した本作。

何回もいいますけど、僕的には「あり」だと思いました。



カルテット!人生のオペラハウス

2013-05-13 13:52:08 | 映画
今回は映画「カルテット!人生のオペラハウス」について。



この作品、ダスティンホフマンが監督なんですよね。しかも初監督ということでも話題になっているようです。予告をみるとなんだか予想できそうな感じでしたが、クラシックやジャズなども含めて音楽がすばらしいと思い観に行ってきました。


ここで内容を・・・


第一線を退いた音楽家たちが生活している「ビーチャム・ハウス」では、経営難のホーム存続を懸けてコンサートの準備に追われていた。そこで余生を過ごすレジー(トム・コートネイ)、シシー(ポーリーン・コリンズ)、ウィルフ(ビリー・コノリー)たちのもとに、かつてのカルテット仲間だったものの確執を残して去っていったプリマドンナのジーン(マギー・スミス)が入居する。コンサートを控えたメンバーは、疎遠だった彼女との再会に当惑するが……。




と書いてあります(笑)。



この老人ホーム、とっても楽しそう!っていうのがまず最初に思ったことでした。音楽家や音楽に携わっている人がリタイアしたホームなのですが、いたるところで演奏したり、歌ったりで。なんともうらやましいかぎり。その演奏もなんだかすごい。それもそのはず、主演と助演の他、演奏している方々は本当のヴァイオリニストだったりピアニストだったり声楽家だったり。これもすごく豪華な演出です。ダスティンホフマンだからなのか、ってちょっと勘ぐってしまうくらいの豪華さでした。

ストーリーは過去の男女のもつれ(一度結婚していて、女性の浮気がもとで離婚)がながい年月を経て、お互いを理解しあい再び同じ舞台に立つという、だれもが予測できるもの(笑)。でも、それがクラシックの名曲とセリフの面白さ、老人特有のユーモア、綺麗な景色と建物が加わるととても素敵な作品になるという不思議。もちろん老人を描くので認知症や病気、死といったこともとりあげられますが、そこは映画ですから、あくまでも「匂わす」程度で。そもそもこのホームは健康な人たちが入っているからなんでしょうけど、にしても、綺麗すぎる(笑)。きっと、すごく料金が高いんだろうなぁなんて、つい思ってしまいます。

原作は戯曲ということなので、イギリスの舞台を見るような雰囲気も味わえます。

クラシックがお好きで、綺麗な映画がお好きであれば、おすすめの1本だと思います。派手さはないけど良い作品です。