Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

フェイシズ(ネタバレ注意)

2012-06-26 19:10:58 | 映画
今回は映画「フェイシズ」について。



この映画、ミラジョボビッチが出ているということ、ショックから人の顔が認識できなくなったということだけの知識で観に行ってきました(笑)。なんとなく、スリラーが観たくなったということからなんですけど(笑)。

ここで内容を・・・



女性を殺害してはレイプする、シリアル・キラー「涙のジャック」。すでに5人の女性が犠牲となっているが、警察は何ひとつ手掛かりをつかむことができずにいた。ある晩、小学校教師のアンナ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、運悪く涙のジャックの犯行現場に出くわしてしまう。そのまま追いかけられ、すんでのところで川に落下して逃れられるが、その際のショックで人の顔の識別が不可能になる相貌(そうぼう)失認という障害を抱えてしまう。目撃した涙のジャックの顔を懸命に思い出そうとするアンナだったが……。


と書いてあります(笑)。この相貌(そうぼう)失認という障害。実際にもあるんですよね。きっとこの映画のような感覚になってしまうのでしょうか。だとしたら、最初は怖いだろうなぁというのが感想(笑)。まぁ、スリラーの要素にこの障害はもってこいという感じですよね。だから、きっとこの映画はこの障害のことを知った監督がストーリーを後からつけたんじゃないかって思います(笑)。彼女を助ける刑事役で出てくるのが、ジュリアンマクマホン。彼はファンタスティック4で敵役のミスタードゥームを演じていました。テレビシリーズのニップタックではけっこういい体を披露していたけど、今回「おっさんになってふとったなぁ」って感じました(笑)。だから、ゲイからしてみると、あんまりおもしろくない映像ですかね(笑)。ただ、アンナが彼氏をみるといつも違う男の顔になっているから、そこはちょっと楽しめましたが(笑)。

まぁ、いろんな怖い目にあっていくのはスリラーの王道(笑)。でも途中で犯人がわかってしまうんですよ(笑)。映画が好きな人なら、絶対わかると思います。

まぁ、絶対観た方が良い映画とはいえないけど、時間とお金があったらごらんになってみてください。


ここからはネタバレですので、まだ映画をごらんになっていない方は読まないでくださいね。







で、結局この犯人はアンナを助けていた刑事の相棒だったんですよ(笑)。彼は犯人をプロファイルする立場の人間でこの相棒と刑事は過去の事件から信頼していくようになるので、この刑事にしてみれば、犯人としては眼中にないということなんですよね。だけど、映画の中で変だと思うところがいくつか出てくるんですよね。特に、アンナが犯人と思われる人を面通しする場面。ここなんだか不自然な感じがして(これ、演出なのかなぁ)。あと、この相棒、死人じゃないとセックスできないということもあって、精神を病んでいたというところのオチも、うーんという感じ(笑)。

で、顔を認識できないということなんですけど、「声」はどうなんでしょうかね。ここが疑問でした。目をつぶって声を聞くと認識はできないのかなということをずっと思いながら映画を観ていました(笑)。

おびえるミラより、戦うミラの方がゲイとすれば好きです(笑)。

17歳の肖像(ネタバレ注意)

2012-06-18 14:28:38 | 映画
今回は2009年の映画「17歳の肖像」について。



これも見逃していた作品でした。たしかアカデミーにキャリーマリガンがノミネートされていましたね。どんな映画か気になっていたので、DVDで観てみました。この作品、事実に基づいているんですよね。

内容は・・・


1961年、16歳のジェニー(キャリー・マリガン)は、ロンドン郊外の街で平凡で退屈な日々を送っていた。父(アルフレッド・モリナ)は成績優秀な娘をオックスフォード大学に進学させようと躍起になり、彼女はそのことに反発を覚えていた。そんなある日、彼女はデイヴィッド(ピーター・サースガード)という年上の男性と出会い……。

と書いてあります(笑)。


人間の成長を描くといえば、そのとおりの映画なんですけど、そこにイギリスの中流階級が上流に対する憧れなんかがからんでおもしろい作品でした。ジェニーの両親はすごく厳しい人達なのに、まんまとデイビットの作戦(自分はオックスフォードの文学の先生を知っているとか、仕事でも成功してるとか)にひっかかっていくところは、まさにそんな感じ(笑)。ジェニーにしてみれば、自分をおとな扱いしてくれるデイビッドにひかれるのは当然ですよ(笑)。しかもこのデイビッド、ちょっと「悪」な匂いがするんですよ。それならなおさらです(笑)。フランスには連れてってくれるし、初体験もさせてくれるし(笑)。ついには結婚までもうしこまれるし。でも、ここで「ちょっと変だな」って思っていくんですよ。映画の作りもうまい。二人でいるときはジェニーではなく、「ミニー」って呼んだりして、なんだか変質者っぽい?って思わせる演出。一緒にこうどうしている友人達もどこかよそよそしくなってくるのも、うまいです。

そして、ついに、ジェニーはデイビッドの秘密を知ることになるんですよ。興味があるかたはご覧になってみてください。かわいくって、切ない映画です(笑)。


ここからは、ネタバレになります。






実は、デイビッドは結婚していて、子供もいたんですよ(笑)。それで若い子に結婚を申し込むのもこれが初めてじゃないし(笑)。ちょっと病気ですよね(笑)。

これを知ったジェニーはきっぱり彼とは別れ、自分を心配してくれていた先生(彼女とは意見が合わないって、言い合いになっていた。しかもジェニーは結婚するから学校を辞めてしまっていた)と再び連絡をとって、大学に進学できるように努力していくラスト。ついにはオックスフォードに入学も決めて。

自分の過去を振り返って、こんな経験をしたことって無いなぁって思うと、ちょっとうらやましくもある映画でした(笑)。


ダウト~あるカトリックの学校で~

2012-06-15 14:43:57 | 映画
今回は映画「ダウト」について。



これ、メリルストリープがアカデミーにノミネートされていた作品です。公開当時は観ることができなかたので、例のごとくDVDを借りてみました。

ここで内容を・・・


1964年、ブロンクスのカトリック系教会学校。校長でシスターのアロイシス(メリル・ストリープ)は、厳格な人物で生徒に恐れられていた。ある日、人望のあるフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が一人の黒人の男子生徒に特別な感情を持っているのではないかと疑念を抱くが……。


と書いてあります(笑)。

ゲイからしてみると、このフリン神父の行動はやはりあやしいと思ってしまいますね(笑)。たしかに、熱心な神父という風にも見えるのですが(笑)。だから「ダウト」なんですよね。

にしても、メリルが演じるアロイシスの執拗なまでの追い詰め方もどうかと(笑)。結局、真相はあいまいなままなんですけど、「どうして、そこまで確信がもてる?」と聞きたくなるくらいの執着。フリン神父が「僕のことが嫌いだからでしょ」いうセリフがあるのですが、そのセリフがまさに「そのとおり」って思って観てました(笑)。

で、このシスターアロイシスが黒人の男の子のお母さんに会うシーンがあって、ここがなんとも言えず、心にひびくシーンなんです。アロイシスはフリンを性的虐待で追い出したいから、このお母さんに息子さんと神父のことを話すのですがこのお母さんは「たとえそうであっても、彼の見方をしてくれる人は他にいないのだから、私は今のままで良い」と応えるんです。

黒人という弱い立場とこの子はお父さんからも暴力をふるわれているという事実が、お母さんの言葉からもわかります。

メリルストリープとフィリップシーモアハフマンの演技対決に、エイミーアダムズのどっちにも疑いを向けるシスターの絶妙な演技が加わり、上質な舞台を見てるようです。というのも元は舞台劇だったこの作品。監督は原作者ですからね(笑)。どうりでそう感じるはずです。

静かで、派手さは無い映画ですが、どんどんひきこまれていくかんじ。なかなかです(笑)。

機会があったら、ごらんになってみてください。

善き人のためのソナタ

2012-06-12 13:33:39 | 映画
今回は2006年公開の映画「善き人のためのソナタ」について。



この作品、公開された時に観ていなくて、つい最近DVDで観たんです。ちなみに最近DVDを借りることがチラチラあって(笑)。というのもTSUTAYAの駐車場に車をとめないといけないことになって、DVDを借りると100円で2時間の駐車ができるということに気がついたからなんです(笑)。


まったくなんの知識もなく、「あっこれアカデミーにノミネートされてた」という感じで借りたら、すごく心を動かされる作品だったんです。

ここで内容を・・・



シュタージ(国家保安省)の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人で舞台女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)が反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが、自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられ……。


と書いてあります(笑)。


でも、このあらすじ、ちょっと違うと僕は感じました。ヴィースラーは最初本気でライアンが反体制と考えていたし、その信念で盗聴しだすのですが、その時大佐がこのクリスタの体が目当てで自分達の権力を使用していることや、自分の友人である上司も自分の地位をどのように高くするかしか考えていないことに気がついて、自分が理想として働いてきたことと、現在の東ドイツの腐敗ぶりとのギャップから、この芸術家達が考えることが「正しい」のではないかと感じていくという感情がベースにあると思うのです。そして、美しい音楽と文学。これもヴィースラーを変えた要因でもありますが。

盗聴した報告書にウソの記載をしていく、ヴィースラーは自分で小説でも書いているような感覚になっていたのかもしれません。でも、あの大佐が自分に冷たくしたクリスタを逆恨みして拘留し、ゲオルクに不利な状況を聞きだそうとします。この時に尋問するヴィースラー。この前に大佐に体を預けるために出かけたクリスタとある酒場で出会ったヴィースラーは彼女に「自分を捨てないで、私はあなたのファンです」。と話をしているシーンがあるから、この尋問のシーンがまた辛い(笑)。でも証拠のありかを聞き出し、先回りしてその証拠を隠すのですが、クリスタは自責の念から自殺してしまいます。

このあと、ヴィースラーは党の中でも左遷状態となって、話が終わるのかと思ったら、ここでベルリンの壁崩壊の話が入ってきます。ここから、また話しが進んでいくんです。ゲオルクが自分だけ盗聴されていなかったと思っていたのですが、情報開示から自分の盗聴はウソの報告によって守られていたことを知ります。ここもちょっと感動するところです。自分を守ってくれたヴィースラーを探して見つけるのですが、声をかけずに立ち去ります。新聞配達のような仕事をヴィースラーはしているのを見かけただけで。そして、さらに2年の月日が経って、ヴィースラーは本屋でゲオルクの新しい小説「善き人のためのソナタ」を見つけます。これはベートヴェンの作品で劇中でも自殺した芸術家から送られた楽譜でゲオルクが演奏していた音楽。その芸術家はこの音楽を聴けば、根っからの悪人はいなくなるとメッセージを送っていました。その演奏を盗聴という形でヴィースラーは聴いていたんです。

本を手に取るヴィースラー。そこには自分のコードネームHGWに感謝の言葉が綴られてるのを見ます。本屋の店員が「贈り物ですか?」と聞くと、「いいえ、これは私のための本です」と応えて、映画が終わるんですよ。

ここで、涙が出そうになりました(笑)。

1984年って自分が中学生くらいだったのですが、恥ずかしい話、あの頃の東ドイツがこんなに自由が無く、常に監視されていて密告や盗聴が当たり前のように行われていたという事実を知らなかったんです。だから、大人になっていろんな状況を理解したときにショックが大きいんですよね。こういった映画を通して、さらに理解ができこと、とても大切だと感じました。

きっと、レンタルやさんでも、1枚くらいしかないような映画ですが、機会があって、興味があったらぜひごらんになってみてください。

幸せの教室

2012-06-11 13:22:52 | 映画
今回は、映画「幸せの教室」について。



トムハンクスが監督、脚本、主演のこの作品。ジュリアロバーツが相手役。これだけでもう軽いロマンティックコメディが想像できてしまいますよね(笑)。まさに、それを観にいきたくて、行ってきました。


ここでお話しを・・・




ラリー・クラウン(トム・ハンクス)は、大学を出ていないという理由から長きにわたって勤務してきたスーパーをリストラされてしまう。その後、隣に住む夫婦の勧めで地元の大学に通うことに。大学での新生活に希望を抱くラリーだったが、ラリーを教える教師のメルセデス(ジュリア・ロバーツ)は仕事への情熱を失っていた。しかし、そんな二人の出会いがお互いの人生を大きく変えていく。


と書いてあります(笑)。


まぁ、この世の中どこでも不況です(笑)。仕事もないし、お金もないし(笑)。でも、このラリーは明るいし、なんだか幸せそう(笑)。ここらへん、映画です(笑)。大学にいくことで若い仲間もできたりして、楽しそう。これなら、リストラなんて怖くないってことでしょうか(笑)。現実にはとてもこうはいかないけど、そこを楽しさでくるんでしまうことができるのがトムハンクスなんですね。そして、男運のない女教師のメルセデスもラリーのまじめさやおもしろさにどんどん惹かれていくのも、映画としては王道(笑)。でも、それをさらりとみせてしまうのも、ジュリアロバーツだからということなんでしょうね。

もう、想像通りの展開で(笑)。

暗い気持ちになったり、ちょっと仕事で嫌なことがあったりしたときに見ると、この時間だけはいやしてくれるかもしれません。(その後、現実をみることになるのが辛いですが(笑))ちなみに、この映画を観るとスクーターに乗りたくなりますよ

DVDでも良いので、ごらんになることをオススメします。この映画を頭っから「嫌い」っていう人、少ないと思います(笑)。

私が、生きる肌(ネタバレ注意)

2012-06-10 18:55:36 | 映画
今回はスペイン映画「私が、生きる肌」について。
監督はゲイの(笑)、アルモドバル。主演がアントニオバンデラスというこの映画。予告編からなんとも不思議な雰囲気で「観たい~}と思っていました。



で、行って見るとなんと二人だけしかいなくて(笑)。レイトショーだけど二人は・・・(笑)。なんとも贅沢な時間となりました。

ここで内容ですが


最愛の妻を亡くして以来、完ぺきな肌の開発研究に打ち込む天才形成外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)。あらゆるモラルを打ち捨ててしまった彼は、ある人物を監禁して禁断の実験に取り掛かることに。それは開発中の人工皮膚を全身にくまなく移植して、被験者を亡き妻へと作り変えてしまうことだった。着々と妻の代役を創造させていくロベルだったが、思いも寄らぬ事態が起こってしまう。


と書いてあります(笑)。

でも、なるべくならなんの知識も無く観にいったほうが、オチにいたるラストにむかって衝撃的な事実がどんどん明らかになっていくあたりの感動が無くなると思います(笑)。感動というか、うわ~ってなるんですよ(笑)。この女の人っていったい誰なんだろうっていうところ(笑)。すごい話です。原作も読みたくなりました。

バンデラスはセクシーだけど、やはり歳をとってきたから、ゲイとしてみてはあんまりうれしい映像は無いんですよね。アルモドバルの映画はたいてい、グロいところや不条理なところがたくさんあるから、好き嫌いがわかれる監督だと思います。僕はオールアバウトマイマザーの所でも書きましたが、あの作品はあんまり好きになれないけど、ボルベールやトークトゥハー、バッドエデュケイションは好きなんですよね。でも今回のこの映画はなんとも言えない後味が残る映画です。

皆さんにオススメできる映画じゃないけど、彼の映画に興味がある方にはぜひご覧になっていただきたい作品です。そして、感想をうかがいたいですね。

ここからはネタバレですから、絶対に読まないでくださいね。読んだら映画を観たときの衝撃がかなり薄れてしまいますから。






















でね、ここであの「女の人」は誰かって気になるでしょ?

映画の冒頭からバンデラスはこの死んだ妻にそっくりな女性に執着があって、好きになっているなってわかるんですよね。でも誰かはなかなかわからない。

6年前の妻がひどい火傷をした事件(自分の弟(異父兄弟)と不倫して車で逃げる途中で事故になり、車ごと燃える。その弟は生き残っている)から人工の皮膚の研究をするのですが、この妻が自分の状態をガラスに映った自分を観てしまい、ショックから自殺してしまいます。しかも幼い娘の目の前で。この事件から娘も精神を病んでしまい、入院をするはめに。これだけなら、まだいいけど、その後、娘の状態が少し良くなった時に知人の結婚式に娘と二人でバンデラスが出席します。ここで、この娘は強姦されてしまうんですよ。このときのいきさつも男の子にしてみれば、なんだか自然のなりゆきって感じだったのです。でもこの女の子精神を病んでいるので、言動も少しおかしかったんです。だから、その男の子もびっくりして、思わず女の子の頬を叩いてしまい、女の子は失神してしまいます。怖くなって男の子はきちんと服を着させてその場をバイクに乗って立ち去るのですが、このとき娘をさがしていたバンデラスがその姿を目撃し娘を救います。だけど、娘は父親に強姦されたと思うっていうこの悲劇(笑)。娘は父親に対して病的な恐怖を示し、ついには母親と同様に、窓から身を投げて自殺します。

ここから、バンデラスは復讐を誓って、あの男の子を見つけ出し、誘拐、監禁します。ここら辺からなんとなく解ってきますか?(笑)。

そして、ついに彼を彼女にしてしまう手術をおこなっていくんですよ。膣形成からはじまり、乳房も形成して、あの自分が研究していた人工皮膚を全身に移植して。

これで謎が全部解けました(笑)。そして、6年間自分の家の地下に住まわせ、自分に好意をもたせるようにしていくっていうちょっと変態なお話し。

でも、ラストでこの性転換された男の子が自分の母親のもとに帰るために、6年越しの作戦というか自由を得るためにバンデラスと寝て、外に出ることを許されて、バンデラスと自分の世話をしていた実のバンデラスの母親を殺害して、実家にもどるっていうストーリー(笑)!

すごくない?(笑)

ラストにむかってどんどんわかっていくと、「そうなんだ、そうなんだ」って思っていくあのドキドキした感覚(笑)。

いや~すごい映画でした。

ミッドナイト・イン・パリ

2012-06-05 09:26:21 | 映画
今回は映画「ミッドナイト・イン・パリ」について。

ウッディアレンがパリを描いて、しかもアカデミー脚本賞も獲っていて、これは観るしかないでしょう(笑)。あんまり予備知識なく観にいってきました。率直な感想「すごくよかった」です(笑)。



ここで、内容を・・・



ギル(オーウェン・ウィルソン)は婚約者(レイチェル・マクアダムス)と共に、彼女の両親の出張に便乗してパリを訪れる。彼はハリウッドで売れっ子脚本家として成功していたが、作家への夢も捨て切れずにいた。ロマンチストのギルは、あこがれの作家ヘミングウェイや画家のピカソらが暮らした1920年代の黄金期のパリに郷愁を抱いており……。


と書いてあります(笑)。


まず、冒頭の5分、パリの景色を堪能するところからすでに引き込まれてしまいます(笑)。特に僕は今年の4月にパリに行ったばかりだから、「ここ知ってる、ここも!」的な感じで(笑)。で、内容も大人のファンタジーですごく楽しめました。タイムスリップする様子も、街角でクラッシクカーが現われ、そこに乗り込むともう1920年代の世界へ。そこにはギルがあこがれていたヘミングウエイやピカソ、コールポーターなどなど、パリに暮らしていた有名人達と交流を持っていくんです。ピカソと一緒にくらしていたアドリアナ(マリオンコティヤール)と出会い恋におちます。でも、朝になると現実の世界に戻ってしまって、ギルはとても残念に思うんですよ。現実には自分を認めない婚約者の両親(これがまた、お金持ちだけど嫌味な人達)、婚約者もパリで偶然出会った昔か寄っていた大学の教授(これも知ったかぶりをひけらかす、嫌な人物)と不倫しちゃうし、自分のあこがれていた1920年にどんどんのめりこむのもよくわかる(笑)。
でも、アドリアナはさらに昔のベルエポックの時代に憧れを抱いていたんです。ギルは1920年こそ黄金時代だと思っていたのに、そこに暮らすアドリアナはもっと昔のパリにあこがれをもっていたと知って、すこし違和感を覚えていくあたり、ウッディアレンのストーリーの面白さ。そして、ギルとアドリアナはベルエポックの時代に再びタイムスリップするんです。そこで出会ったロートレックやドガらと話をするギルとアドリアナ。彼らからはもっと意外な言葉が飛び出します。ルネッサンスのころが芸術家にとっては黄金時代だったと。

このストーリーは芸術家のみならず、昔に対する憧れはどの時代の人達にもあって、それは決して手の届かないところにあるからこそ、美しく、すばらしいものと感じるってことを表現していると思います。で、現実のギルは婚約者とも別れる(ここはけっこうスキっとします(笑))のですが、ウッディアレンはちゃんとギルにも出会いを作ってあげるので、それは映画を観てください(笑)。

個人的にはエイドリアンブロディのダリ役がすごくツボでした(笑)。

パリの景色とたくさんの有名な芸術家達。それだけでもこの映画を観る価値はあります。DVDも買おうかなって思っています。それほど、気に入った作品でした。