Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

マイ・ブルーベリー・ナイツ

2008-03-25 12:46:40 | 映画
今回は今公開している「マイ・ブルーベリー・ナイツ」について。ウォン・カーワイがアメリカで、しかもジャズ歌手のノラジョーンズを主演にした映画ということで、前から楽しみにしていた作品でした。どっちも好きな僕としては(ノラジョーンズのCDは全部もってます)この二人がどんな作品をつくるのか期待して観にいきました。結果は、期待していた以上によかったです。もちろん以前のカーワイの作品よりゲリラ的ではなく、計算されたところはありますが、ノスタルジックで、人を好きになることに前向きになれる作品になっていると思います。
ここで内容を・・・。
エリザベス(ノラ)は失恋の痛手から、元彼の家の近くにあるカフェのオーナージェレミー(ジュード・ロー)に彼が現れたら、鍵を彼に返してほしいと頼みます。ここから彼との友情と恋愛の狭間のような関係が出来上がっていきます。そのカフェでいつも売れ残る「ブルーベリーパイ」を、閉店ぎりぎりに食べることが日課になったエリザベスですが、自分の恋にケリをつけるように旅に出てしまいます。ジェレミーも過去の恋愛から少し抜け出せなかったのですが、彼女と出会い、好きになりかけた彼女が旅立っていくことで「より大切な人」と感じていくわけです。
そして、エリザベスもそこで出会う人々との関係から自分にとって大切な人に気づいていくというストーリーです。
ニューヨークのカフェやメンフィスのダイナー、場末のカジノなど様々なところで働くエリザベスに絡んでくる脇役がとても豪華なんです。アル中の警官を演じるのがデイビッド・ストラザーン。この人グッドナイトアンドグッドラックという映画では非常にまじめなラジオキャスターを演じていましたが、今回は離婚した妻を忘れられない無骨だけど、純粋な男を見事に演じています。あと、その妻をレイチェル・ワイズが演じているんですけど、以前からノラジョーンズとレイチェルワイズって似てると思っていたんです。で、スクリーンで二人を観たら、顔のつくりは確かに似てました。でも、レイチェルワイズの役柄もあって、彼女の方がきれいに見えましたね。そして、場末のカジノで出会う女性がナタリー・ポートマン。彼女も演技がうまくなったと思いました。そしてなんと言っても、ジュード・ローがかっこいいですよ(笑)。最近気になっていた額の後退も前髪をおろしているせいかあんまり目立たず、いいですねぇ(笑)。彼が映画の中で食べていた、でっかい栗のおばけみたいなパイ?みたいなものの正体が知りたいです(笑)。
ウォン・カーワイの作品を苦手な方でも、彼の世界のいいところだけを見ることができる作品だと思います。おすすめします。

魔法にかけられて

2008-03-22 17:57:41 | 映画
今回は、今公開している映画「魔法にかけられて」について。これも予告編から絶対みたいと思っていた作品でした。僕はそんなに今のアニメ映画、ディズニー映画などは観ないのですが、昔のディズニーアニメ映画は好きなんですよ。小さいときに読んだり、テレビで観ていたので。そんなディズニーアニメを自らパロディにしてしまうあたり、さすがディズニーです。この映画では様々なディズニー映画のパロディ、オマージュが出てきます。
ここで内容を少し。アンダレーシアという魔法の国のプリンセスジゼルはいつか夢見ている王子様と結婚したいと、森の動物達と話をしています。その王子さまの継母である悪い魔女が、二人の結婚を阻止するために、プリンセスを過酷な世界へと追放してしまいます。そこは・・・現代のニューヨークだったのです。さぁ、世間知らずのプリンセスは、ニューヨークで生きていけるのでしょうか?また、助けにきた王子様、魔女の手下、ついには魔女まで現れて・・・。
とまぁ、内容はこんな感じなんですけど、出だしの11分は本格的なディズニーアニメ。森でプリンセスが動物達と歌を歌うシーンからはじまります。この間はディズニーアニメの濃縮スープ(監督がそう言っていました)のようで、これでもかっていうくらいの、王道です。ナレーションもジュリーアンドリュース(メリーポピンズ!)が担当しているくらいですから。そして、ニューヨークにやってくるとろこから、実写になります。ここで、プリンセスを助けるのが今人気のパトリック・デンプシーなんです。この人アメリカではグレイズ・アナトミーというドラマで有名になりました。僕はタイプではありませんが(笑)。ニューヨークで動物達と掃除をするシーンがおもしろくて、そこに出てくる動物が、ゴキブリ、ハエ、ネズミ、鳩と都会にいる動物(昆虫)で行われます。これもパロディですよね。あと、ニューヨークのセントラルパークでのミュージカルシーンには、リトルマーメイド、サウンドオブミュージックなどのシーンも再現されています。あと、イタリアンレストランの名前が、わんわん物語りで、2匹の犬がミートボールスパゲッティを食べるシーンで歌われた「ベラノッテ」という名前だし。言い出したらきりが無いくらいです。現実の世界に入ったプリンセスがだんだん変っていくのも、おもしろいです。あと、通常のディズニーアニメだと王子様がプリンセスを助けるのですが、ラストがちょっと違うのも現代的でおもしろいです。
劇場でぜひごらんになってください!

ジャンパー

2008-03-21 11:52:15 | 映画
今回は、今公開している「ジャンパー」について。テレビの予告編などでもおなじみなので、内容はご存知の方も多いはずですね。監督が「ボーン・アイデンティティ」のダグ・リーマンなのと、主役がスターウオーズのヘイデン・クリステンセン君なので、見たいと思っていたんですよ。内容も空間移動の話だし。
ここで、ストーリーを。ふとしたことから自分が空間移動の力があることに気づいた青年(ヘイデン)が、銀行強盗などをしながら悠々と生活していたところに、ジャンパー達を狩る、集団があらわれ命を狙われる羽目になります。この状況から逃れることはできるのか・・・
とまぁ、こんな感じなんですけど、この唐突な設定についていければもうこの映画を楽しむことはできます。でも、「なんで?」とか考えているとどんどん置いていかれてしまうので要注意(笑)。「まぁ、映画だしね~」というスタンスで観ていれば、全く問題がありません(笑)。この映画の主役はヘイデン君といいたいところですが、実は「空間移動の表現」が一番の主役なんです(笑)。今までの表現とはちがい、なんとなくリアリティがあるんです(笑)。ありもしないことに対してのリアリティってちょっと変ですが、実際にもしできたらきっとこんな感じになるんじゃないか?って感じることができるくらいの表現です。劇場でぜひ体感してみてください。いろんなところにいけちゃのも、人間の憧れですよね。こういうのを疑似体験できるのも楽しいです。あと、脇役が結構いいんですよ。ジャンパー狩のリーダーに、僕の大好きなサミュエル・L・ジャクソンがでているんですよ。この人が演じることで、とっぴな設定なのに、説得力がうまれるから不思議です。あと、ジャンパー仲間を演じる、ジェイミー・ベル君がかっこよくなったのもゲイからしてみるとうれしいところ。彼は「リトルダンサー」で主人公のビリーを演じて有名になりました。彼も22歳くらいになって、いい感じですよ(笑)。ヘイデン君より、彼の方ばかり観てしまいました(笑)。
どうやら続編もできるようです。ぜひ劇場の大きなスクリーンでごらんになってください。

バンテージ・ポイント

2008-03-11 16:40:04 | ゲイ
今回は今公開している映画「バンテージ・ポイント」について。これ予告編からおもしろそうだなって思っていたんですよ。設定が凝っていて、同じ事件を違う人物の視点でいくつも描き、最後に真相がわかるという手法。同じような映画に「戦火の勇気」や古くは「羅生門」なんてのもありますが、それらは「記憶」の中でその状況を思い出すということなので、今回の設定とは少し違っているように思います。
ここで少し内容を。スペインで行われていた「テロ対策国際会議」の席で、アメリカ大統領が何者かによって狙撃されます。その後、その会場の近くで爆破テロが起き、最後にはその会場も爆破されてしまいます。その状況を8人の視点から描き最後には誰が悪かったのかがわかるのですが・・・。
内容はこんなものなんです。だから、事件発生から解決まではわずか1時間たらずなんです。でも、それを同時刻に何があったのかをこまかく時間を逆戻りながら映像化しているので、最初は傍観者だったのが、だんだん参加者に変っていく感覚を覚え、「あ~、こなってたんだ!」ということになるわけ。ちゃんと意外なことも用意されています。
感想はといえば、とてもおもしろかったです。90分と時間も短いし、無駄が無く、テンポもいいし。とても楽しめました。カーチェイスなんかも迫力あるし。作品全体の編集がとてもよくできていて、編集賞をあげたいくらいです。役者も豪華で、大統領のSPにデニス・クエイドと「LOST」のマシュー・フォックス。大統領はウイリアム・ハート・テレビのプロデューサーにシガニー・ウイーバー、事件を目撃して真相をしってしまう観光客にフォレスト・ウィティカー。などなど。時系列にそっていくあたりは「24」のようでもあり、過去に坂戻る映像は「トゥルーコーリング」のようでもあり、うまくできている作品だと思います。ぜひ劇場でご覧になってください。今回はネタバレはしません(笑)。

抱擁

2008-03-10 17:07:54 | 映画
今回は2002年の映画「抱擁」について。これ劇場で公開されたんですかね?。たまたまつけたケーブルテレビでやっていたんですが、おもしろくてついつい全部観てしまったんです。というのも僕の好きなアーロン・エッカードが出ていたからなんです。他にはグイネス・パルトローも出ています。
ここで内容を少し。ランドルフ・ヘンリーアッシュというイギリスの詩人の研究をしている、学芸員であるエッカードがこの愛妻家で知られる詩人があるレズビアンの女流詩人と不倫関係にあったのでは、という証拠の手紙を見つけイギリスに行きます。そこで出会ったグイネス扮する大学の先生とともに、その真相をさぐっていくという現代と過去の恋愛が交錯していくストーリーです。同じ場所を使って現代と1850年代をうまく表現していたり、過去の二人の恋愛と現代のアーロンとグイネスとの恋愛感情をうまく重ねたりと、なかなかおもしろい作品でした。
この作品で、アーロンは飾らないけど、恋愛に臆病な学芸員をうまく演じています。そして、上半身裸の場面もでてきます(笑)。やっぱりかっこいいですよ。グイネスもイギリスの上品で繊細、おなじく恋愛に臆病な女性をうまく演じています。
偶然見た映画の掘り出し物。DVDでもいいので、1度ご覧になってみてください。

L・change the world

2008-03-06 10:12:44 | 映画
今回は今公開されている映画「L・change the world」について。公開されて約1ヶ月が経っていたのですが、劇場はけっこう混んでいました。まだ、人気があるようです。僕はあんまり日本映画を見ることはありません。というのも、日本人の演技があまりうまくないというか(笑)。もちろん、うまい人もたくさんいるのですが、若いアイドルが映画にでることの多い日本では、どうも主役級の人達のレベルがあまり高くないので、見ないんですよ。あと、すぐテレビでやるし(笑)。でもデスノートでは、藤原君がやはり演技がうまく、今回のL役でもおなじみの松山君もなかなかうまかったのと、ストーリーもよかったので、そのスピンオフは観にいこうと思っていたんです。
まず、感想から言うと、「まずまず、おもしろかった」というところです。僕は原作の漫画を読んだことがないので、それほど原作のイメージなどに固執してないので、Lの私生活などに関してさほど違和感を持ちませんでした。ストーリーもバイオテロを扱い、かつ今の自然破壊などの環境問題も絡めているので、いいと思うのです。そして、今回とてもよかったのは「工藤夕貴」でした。彼女だけとても演技がうまく、捻じ曲がった理想主義者のウイルス学者を見事に演じています。高島政伸も悪役でしたが、ただ怒鳴っているだけで、演技がうまいという感じはうけませんでした。でも、彼女は違いますね~。「ヒマラヤ杉に降る雪」という映画でもみごとな演技を披露しているので、その実力は証明されています。彼女の演技を見るというだけでも、価値はありそうです。当然松山ケンイチ君は主役だし、あの風貌だし、インパクトはあります。でも、彼女に食われているところもたくさんありました。
ただ、文句というか言いたいことはあります。前半から中盤にかけてはなかなかいいと思います。抗ウイルス薬があんなにはやくできるのかとか、いろいろはありますが(笑)。でもラストの一番緊迫感のでる飛行場でもシーンがもう少しリアルであってほしかったと思いました。実際のジャンボを使っているのですが、それゆえ飛行場でのパニックなどがどこか「のんびり」して見えました。それくらいなら、CGでもよかったかもしれません。あと、もう一つ、「これってギャグ?」と思うところが・・・。ナンチャンが出ているところなんですよ(笑)。彼の出演は必要なんですかね(笑)。別に彼でなくてもいい気がします。彼のイメージからとても「FBI」の捜査官には結びつかないし、演技も誇大で、どこか「コント」みたいでした。
きっと、テレビでもやるのでそのときに見るのでもいいと思います。僕は映画館の無チケットでみたので(笑)。

ライラの冒険・黄金の羅針盤

2008-03-04 17:16:54 | 映画
今回は今公開している映画「ライラの冒険・黄金の羅針盤」について。ファンタジーの3部作ってこのごろ流行りなんですよね。このライラも3部作のようです。で、僕はこのての映画が本当はあんまり好きじゃないんですが、魂が動物の形をして人間と共に行動して、会話することができるっていう設定がおもしろいと思ったんです。あと、ダニエル・クレイグも出ているし(笑)。今回は裸にはなってませんが(笑)。ニコール・キッドマンが悪役をしているっていうのも、いいなぁと思って観にいきました。
一応内容を・・・。
訳あって、寮にあずけられているライラに真実をつげる羅針盤が渡されます。それは「教権」とよばれる人達がすべて壊したとされていたのですが、たった一つだけ残ったものだったんです。この羅針盤も読めるのはそれを継いだものだけ。ここからライラをめぐる争奪戦がはじまるのですが・・。
まず、この世界観についていけるかどうかが、鍵です。自分達の世界とは似てるけど、どこか違う世界という設定。いわゆる「パラレルワールド」の世界なんですね。ここがわかると、けっこうすんなり入っていけます。で、びっくりするのはライラの行動と言動なんです(笑)。たぶん11歳くらいの設定だと思うのですが、ものすごい「策士」なんですよ!つまり状況に応じて平気でウソをついたり(これを気転というのかもしれませんが)、策を練るのがすごいんですよ。ここに感心させられます。というか、「これだけのこと考えられるんなら、あなたなら何があっても大丈夫だよ」っていう変な気持ちが生まれてしまうんですよ。いままでのファンタジーにありがちな、普通の子あるいはちょっとできの悪い子が成長するっていう映画じゃないんです(笑)。最初から「策を練って」ますから(笑)。あと、あんまりかわいくないし(笑)。
動物の姿をした魂はとてもかわいいですよ~。ニコール・キッドマンの魂はゴールデンライオンタマリンみたいなお猿さんなんですが、これがまた憎たらしいんです(笑)。その人を反映した動物の姿になっているところもおもしろさです。子供うちはその魂の姿が定まらないので、鳥になったらり、猫になったり、テンになったりと、そこもかわいいところでした。
映像はきれいなのと、迫力もあるので、劇場でごらんになってください。
僕も、続きを見ないわけにはいかなくなりました。ちなみに第2部は我々の世界が舞台になるようですよ。