Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

アイ、トーニャ(ネタバレ注意)

2018-05-24 18:09:56 | 映画
今回は映画「アイ、トーニャ」について。



ナンシーケリガン殴打事件、オリンピックでの靴ひも事件、子供の頃、実際に観ていたことの裏側がわかる日がくるとは。予告編の時から観に行こうと思っておりました。



ここで内容を・・・




貧しい家庭に生まれ、厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、血のにじむような努力を重ねて、アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、1994年のリレハンメルオリンピックに出場する。ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、その後彼女はフィギュア界から追放されるが……。



と書いてあります。


当事者からのインタビューの形式で話が進んでいきます。映画の最後で実際のインタビューの映像が出てくるのですが、みんなそっくりでびっくりしました。特にお母さん(笑)。すばらしい。


環境が人を育てるってこと、実感した映画でした。アメリカで、白人の貧困層がどんな生活を送っていて、どんな教育をされているのかがわかり、それによって、せっかくの才能がいかされていかないという切なさがありました。

母親の毒っぷり、半端ないです。あんなお母さんに育てられたら、まともにはならないです。でも、トーニャはよくがんばったと思います。

特に元夫の友人ショーン!こいつがあまりにバカで、しかもその友人達ももっとバカで。トーニャはそんな彼らと離れられなかったことであんな事件の関係者となり、さらには、唯一自分が自身を持つことのできるスケートすらも奪われてしまうのです。

せっかくトリプルアクセルを跳べたのに。



主演のマーゴット・ロビーはスケートを本当に滑っているようにみえます。技術ってすごい。

当時を知っていて興味がある方、フィギュアスケートに興味があるかたはご覧になってみてください。ゲイはフィギュア好きですからね(笑)。




ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。




















そもそも、あの事件が起こるきっかけはトーニャに脅迫状が届くところからなのです。その出所を勝手にナンシーケリガンだと思って、彼女にも脅迫文を送ろうとしたことだったのです。

でも、そのトーニャに届いた脅迫状、実は仲間で夫の友人ショーンが自ら行ったものだったんです。このショーン、自分のことをもっと認めてもらいたいというか、世間に自分を知らせたいというか、ちょっと変なのです。国家で対テロリストの仕事をしていると嘘をいったりね。だから、トーニャの警護を自分で行いたいと思ったこと、そして、ナンシーによるものだと思わせ、復習することでナンシーが弱くなりトーニャが活躍するようにしたいと思ったことが脅迫状を送った原因でした。彼なりの作戦だったのですが。

それと知らず、トーニャの元夫はナンシーに脅迫文を送るため、ショーンに仕事を頼みます。ショーンは実行犯として友人二人をナンシーの練習会場に向かわせます。

この二人、ショーンにナンシーを襲うように指示されていました。これもショーンが勝手にやったこと。

でも、この二人、あまりに作戦もお粗末で、すぐに捕まってしまいます。ショーンも「あの事件は俺がやらせた」なんて自慢していたものだから、あっさり捕まり、元夫も捕まってしまうのです。

トーニャは自分は関係が無いが、元夫、その友人がやったことで迷惑をかけたと謝罪の会見を開きます。

当時、冬季のオリンピックが夏季のオリンピックと同じ年ではなく、2年おきに開催することになったことから、トーニャは再び2年後のオリンピックに出ることを目標にしていました。

そして、あの靴ひも事件になります。トーニャは滑る前から靴ひもを気にしていました。ギリギリまで。でもそれは、自分の心の整理がなかなかつかなかったのかなと思わせる演出だと感じました。泣きながらメイクをして、そして、鏡に向かってわざと微笑んだり。

演技の途中でやめてしまい、靴ひもがほどけたことをアピールし、結びなおしてから再び最初から演技を始めるトーニャ。結局8位に終わります。

ナンシーケリガン暴行事件に関しては元夫がやったことと関係を否定していたトーニャですが、関与が濃厚となる証拠が見つかり、スケート連盟から追放させられ、スケートが二度とできなくなってしまいました。

他の環境だったら、もっと、良い成績をおさめて活躍できたかもしれないトーニャ。だけど、あの環境だったからこその根性だったのかもしれません。1回目のオリンピックのあと、4位だったのでスポンサーもつかず、ウエイトレスの仕事をしていたと映画で知りました。そして、2回目のオリンピックに出ることを目指して、再びがんばるのです。

そこを思うと、ほんと切ないですね。






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