Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

NINE

2010-03-28 18:12:04 | 映画
今回は今公開している映画「NINE」について。

監督はシカゴのロブマーシャル、主演はダニエル・レイ・ルイス、共演の女優人がとても豪華で、ニコールキッドマン、ペネロペクルス、ジュディ・ディンチ、そしてソフィアローレン!このほかにもたくさん出演しています。これはゲイでミュージカル好きであれば、観にいかないわけはありません(笑)。ということで、相方と二人で行ってきました。

内容はイタリア映画「82/1」をブロードウェイでミュージカルにしたものを、再び映画化したもの。
映画監督のグイドは次回作「イタリア」の撮影に際し、非常に頭を抱えていました。それは全く脚本ができていないということ。周りからは期待の声と、はっきりしない監督の態度にいらだつ声とで、次第に彼は追い詰められていきます。そこへ、現実の妻、愛人、女優、少年のころに出会った娼婦、そして自分の母親などの女性たちが様々な形であらわれ、彼に本当に大切なものが何かを、教えていきます。

この作品、もとはフェリーニの作品で、これは彼自身がモデルと言われている作品だけに、過去や現代が交錯し少々難解ですが、中心は「ダメ男の墜落と再生」を描いています。

こういう内容だとしても、この豪華ば顔ぶれと圧巻の歌とダンスは、劇場で観るべきだと思います。シカゴの時もそうでしたが、現実のシーンと歌とダンスのシーンでは現実感が違うという設定はミュージカルに違和感を感じる方にもわかりやすい演出だと思います。

圧巻はファーギーが歌う「be Italian」。この曲1曲しか出てこないのに、すごい存在感(笑)。ぜひ劇場で体感してみてください。

あまり、評判が良くないっていうことも聞きますが、あの豪華な出演者達に歌って、踊ってもらうことを思えば、それだけでも価値があると思います。

大きなスクリーンでごらんになってみてください。

マイレージマイライフ

2010-03-25 10:36:56 | 映画
今回は今公開している映画「マイレージマイライフ」について。

これ、ジョージクルーニーファンであれば、絶対いくでしょ(笑)。しかも監督が「JUNO」のジェイソンライトマンであれば、そして、アカデミー賞にもノミネートされていれば(笑)。

といことで、行ってきました。

で、内容ですが
年間に322日も出張し、リストラを会社に変わって宣告していくライアン(ジョージクルーニー)は主張先で出会ったアレックス(ヴェラファーミガ)と一晩だけの関係のつもりが、自分の中にその存在が次第に大きくなっていくことを感じます。そんなとき、大学出たての新人をつれての出張の時に、その彼女から「本気で人を好きにならないってどういうこと?」って言われてしまいます。自分の仕事もネット回線を使えば、出張もしなくてよくなるということも出てきて、ライアンは「自分の将来」ということを感じ初めていきます。アレックスにその想いを告げようと思っているライアなのですが・・・


といった感じです。ここで、ライアンの妹が結婚するっていうエピソードが入ってくるんですが、これが物語をぐっと引き締めていくんですね。ライアンは企業に呼ばれたセミナーでいつも「自分のバックパックに何をつめるか」っていうことを、セミナー参加者に言っていきます。それは、必要なものだけでいいっていう哲学。つまり、家も家庭も、車も、ペットも、動き回るのには重たくなるばかりで、本当は必要ないって。でも、アレックスの登場で、この哲学もゆらいでしまうんですよね。たしかに(笑)。

で、この妹の結婚のお祝いのために彼らのパネルを世界各地で写真に収めるっていうエピソードがでてくるんですけど、会話の中で(これは日本語訳にはあらわされませんが)「フランスの映画でもやってた」って言ってるんですよね。これ「アメリ」の小人の人形が世界の名所で写真を撮って、それが父親に送られてくるっていう「あれ」をまねています。これ映画ファンならおもしろいところだと思います。

今回はネタバレしませんが、最後はライアンも前に進むっていうことにつながっていくようになっていると思います。

ジョージクルーニーも歳をとってますが、かっこいいのは変わらず(笑)、ベッドでしかも裸で目覚めるシーンはまさに、自分の横で寝ているかのようで(笑)、ファンにはたまりません(笑)。すごくいい身体っていうことじゃないけど、そこが自然でいいんですよ(笑)。

こんだけ、出張があれば1000万マイルなんていうのも、できてしまうんだなって思いました。

DVDでもいいかもしれませんが、ぜひ劇場でごらんになることをオススメします。

フィリップ、きみを愛してる

2010-03-19 11:25:54 | 映画
今回は、いま公開している映画「フィリップ、きみを愛してる」です。これはゲイであれば見ないわけにはいかない映画ですよね(笑)。

僕はジムキャリーが好きではないんですけど、今回は彼に愛されるユアンマクレガーにすごくきたいしていたんです。で、その期待を上回るほどのゲイっプリ(笑)。この人、演技がうまいんだなぁって改めて思いました。話し方、電話の持ち方、全てがゲイっぽい(笑)。それが、ドラァグクイーンのような、わざと女性らしくしているということではなく、ゲイの男の人特有のやさしさみたいな、それでちょっと女性っぽいっていうところをうまーく表現しています。

内容ですが、これ実話に基づいているんですよね。
9歳で、自分が養子だと知らされたスティーブン(ジム)は自分がゲイだと隠して、警察官となり結婚して、子供も作ります。しかし、ゲイの愛人との密会の帰り道で大きな交通事故をおこし、それをきかっけに奥さんや周りにカミングアウト。ゲイとして生きていくのですが、フロリダで恋人と生活するのに、お金が必要となって、保険金の詐欺をおこなうようになります。そんな生活が続くわけもなく、刑務所へ。そこで、運命の人フィリップモリス(ユアン)と出会います。そこから、スティーブンはフィリップとの愛を育てていくために、あらゆる手段を講じていくのですが・・・


これ、あんまり内容を知らないほうがおもしろいですよ。今回はネタバレしません(笑)。
で、今回の映画を観て、このスティーブンとっても頭が良いのにどうして?って思ってしまったんですよね。全て「フィリップのため」って思っていても、結局彼を犯罪に巻き込んでしまうことになってしまうから。ということは、自分を満足させたいっていう気持ちが強かったということなんでしょうね。

そう、英語を聴いていて「Top or Bottom」って言っているのに訳では「SとM」ってなっていたですよ。さすがに「タチとウケ、リバ」なんていうゲイ用語は使えなかったってことですかね(笑)。

コメディとしてみても、恋愛映画としてみても、すごくおもしろくてよくできた映画です。
ぜひ、ごらんになってみてください。

メンズデーに観にいったのですが、一人で来てる男性のうちどのくらいがゲイだったのかがきになります(笑)。

シャーロックホームズ

2010-03-16 11:40:05 | 映画
今回は、今公開している映画「シャーロックホームズ」について。

これ、ガイリッチーが監督しています。彼の作品は「ロックストックトゥースモーキングバレルズ」「スナッチ」が頭に浮かびますね。イギリス人の友人は「彼の作品は、みんないっしょでしょ」って言ってました(笑)。たしかにその通り。小粋な笑いをいれつつ、ギャングを織り交ぜ、群像劇を作り上げるっていう感じ(笑)。

その彼が作った、シャーロックホームズがいったいどんな感じなのかすごく気になりますよね。

ということで、観にいってきました(笑)。


内容は・・4人の少女殺害と一人の殺人未遂でホームズ(ロバート・ダウにー・ジュニア)の協力のもと、つかまったブラックウッド卿。彼は死刑を宣告され実行されるのですが、彼は予言を残します。「自分は復活し、この世界を変える」と。ワトソン(ジュード・ロウ)が死亡を確認したにも関わらず、墓から復活の印が見つかり、イギリスに恐怖が走ります。そして、次々に人が死んでいき、ホームズにもその危険が迫ってきます。この事件の裏には何があるのか、次第にわかっていきますが・・・・


という感じです。

今回のホームズ象は、原作に近いという評判。僕達はどうしてもNHKでやっていたシャーロックホームズのイメージが強く、知的でジェントルマンな雰囲気(笑)。でも、どうやら原作はもっとやんちゃで、無鉄砲な感じなんですね。それはうまく出ていたと思います。映像もCGを駆使し、ガイリッチーにしてはすごいお金のかけよう(笑)。迫力もあるし、テンポもいいです。ホームズの話を知らなくても楽しめますが、よく知っている人にとってみると、ホームズの宿敵「モリアーティ教授」の存在が気になってしまいますよね。今回もその存在はにおいますが、続編に続く感じで終わるので、直接対決はまだ先のようです。今回の映画でも、「この人、モリアーティー教授でしょ」ってすぐわかります(笑)。顔は残念ながらみえないんですよね(笑)。

あと、ゲイの視点から言えば、ホームズとワトソンの関係がどうも(笑)。ワトソンの婚約を心から喜べないホームズ(ワトソンが家をでていくので)の姿は「ワトソンのこと好きでしょ」って思ってしまいます。もちろんホームズにも思いを寄せる女性の存在もありますが、この二人の友情が「ゲイっぽく」見えてしまうのが、たまらない(笑)。それは、僕がゲイだからでしょうかね(笑)。

ロバートダウニーJrは、見事に復活してきましたね。アイアンマンの成功が大きいです。今回も身体を張って、がんばってますよ。でもやはりかっこいいのはジュードロウ!ツイードのスーツがすごく似合っていて、彼の額の後退もすごくいい味になっています(笑)。

ゴシックホラーの雰囲気と、謎解きとアクションとけっこう大雑把な味付けもありますが、その世界にはまることができれば、すごく楽しめる作品だと思います。

ぜひ、大きなスクリーンでご覧になってください。

ハートロッカー

2010-03-14 13:06:12 | 映画
今回は今公開している映画「ハートロッカー」について。

この作品、アカデミーの監督賞も作品賞も獲っているから、どんな作品になっているのかすごく楽しみでした。にしても、観にいったのはアカデミー賞の次の日ということもあって、すごい人(笑)。たぶん、アカデミーを獲らなかったら、絶対観に来ていないような女の子とかもいて(笑)、改めてアカデミー賞の影響力を感じました。終わった後に、「こんな映画だとおもわなかった~」なんて言ってたし(笑)。なら、来んな!(笑)


さて、内容ですが、ご存知のとおり、イラク戦争での爆弾処理班を描いています。大きなスートリーというものは存在していないのですが、そこがまた、ドキュメンタリーのような雰囲気を出し、さらに、手持ちのカメラで撮影しているから、よりその雰囲気も出ていて。でも、爆破のシーンなどでは、スローモーションを多様するなどの演出も。
ここら辺が、キャサリンビグロー監督の手腕なのでしょうか。

物語の初めに「戦争は麻薬のようなもの」っていうテロップが出てくるのですが、これを最後にもう1度思い出させる演出も「うまいなぁ」って感じます。

緊張感をずっともち続けている映画なので、疲れるということもありますが、それだけよくできているということかもしれません。

戦争って、やはり、「普通の」精神状態ではいられないってこと、よくわかります。それを体験するっていう意味でも観る価値はあると思います。

主人公のジェレミーレナーを初め、ほとんどが無名の役者さんなのですが、ガイピアーズをはじめ、レイフファインズもほんの数分だけ出演しています。これもチェックしてみてください。

去年の作品賞である、スラムドッグミリオネアの方が「映画」とすればよくできてるとは思いますが、ぜひ、劇場で戦争に参加する兵士の感情をリアルに感じてみてください。

ニューヨーク、アイラブユー

2010-03-06 09:46:31 | 映画
今回は今公開している映画「ニューヨーク、アイラブユー」について。

僕はこのブログでも何回か言っている通りで(笑)、ニューヨークが大好きです。ということで、この映画を観ないわけがありません(笑)。

いろんな監督が、ニューヨークの様々な場所で愛をテーマに少しずつ人を絡ませて作った映画です。つまり「パリ・ジュテーム」のニューヨーク版。

内容は、書きません(笑)。いろんな話がちょっとずつ絡んでいくので、これはご自分で確かめた方がいいと思うから。

僕はニューヨークが大好きだから、いろんなニューヨークが観れて楽しかったのですが、「パリ・ジュテーム」と比較すると、映画の質は落ちると思います。風景も、俄然パリの方がきれいだし、監督の個性もパリ~の方が、強くておもしろいです。

でも、やはりニューヨークには魅力がありますね~。僕は好きな映画です。流してるだけでもいいから、これはDVDを買ってもいいかなって思います。

様々なストーリーがある中で、僕の好きなブラッドリークーパーが出るエピソードはいやらしくていいですよ~。もともと彼を知ったのは「エイリアス」っていうテレビドラマ。かっこいいなぁって思っていたら、映画にも出てくるようになりました。今回はバーで知り合った、一晩だけの女性と再びバーで待ち合わせをして、そこに向かう二人の気持ちを描いたエピソードの中で、濃厚なベッドシーンがフラッシュバックで出てきますが、これがけっこういやらしい(笑)。これは彼が好きなら、要チェックです(笑)。

DVDでもいいので、観てみてください。パリ・ジュテームと比較はしないこと(笑)。

アカデミー賞2010 予想

2010-03-05 09:55:24 | 映画
今回は日本では来週の月曜日に発表されるアカデミー賞の予想をしてみたいと思います。

かなり、希望的な観測が入っていることを、ご了承ください(笑)

作品賞
これ、かなり迷ったのですが、「アバター」のような気がします。監督賞か作品賞どっちかは獲るとおもうんですよね。で、こっち(笑)

監督賞
これは、キャサリンビグローかなと。アカデミー初、女性監督ということでの受賞ということになるといいかなって思って(笑)

主演男優賞
これは、ジョージクルーニーにあげたいですね~(笑)。単に僕がフアンというだけなんですけど。うわさでは、ジェフ・ブリッジスが有力らしいので、どうかな~。

主演女優賞
これは、プレシャスのカボーレー・シディベにあげたいです。まだ観ていないのですが、この作品での彼女はすごい演技だと思うのです。でも、ドリームガールズのジェニファーハドソンのようには、いかないかも(笑)。それでも、僕は彼女にあげたいです。

助演男優賞
これは、イングロリアスバスターズのクリストフ・ヴァルツかなと思います。でもゴールデングローブも獲ってるからな~。役のインパクトで言ったら、ラブリーボーンのスタンリー・トゥッチもかなりなんですが。うーむ、悩む(笑)。

助演女優賞
これ、たぶんマイレージマイライフの二人のうちどっちかかなって思います。でも、ここはちょっとカケで、プレシャスのモニークにあげようと思います。こうなると、主演も助演もプレシャスからってことになりますね。でも黒人ということからもどっちかは受賞するような気がするんです。

さぁ、実際はどうなるか。

こうご期待!

幸せの隠れ場所

2010-03-04 11:06:10 | 映画
今回は今公開している映画「幸せの隠れ場所」について。

これ、サンドラブロックがゴールデングローブも獲ったし、アカデミーでもノミネートされてるということ、事実に基づいているということで結構期待して観にいきました。
ここで、内容を・・・

家族と共に車で帰路に着くリー・アン(サンドラ・ブロック)は、雨に濡れながら夜道を歩くマイケル・オーア(クィントン・アーロン)に目を留める。自宅に連れ帰ったマイケルの境遇を知り、一家に迎え入れることにしたリー・アン。アメリカン・フットボールを始めたマイケルの適性をリー・アンが見いだしたことから、マイケルの才能は一気に開花する。

ということが書いてありました(笑)。

これ、実際の映像が最後にでてくるのですが、サンドラブロックがそっくりで(笑)。そこにもびっくりしましたが、内容の通り、感動の作品だと思います。金持ちの家族だけど、この家族はまったく嫌味がなく、ほんとうに良いことをしたいって思って始めたことが、結局、自分達もマイケルよって生活の質が豊かになっていくという事実に気付かされるっていう、いいお話しなんです。
この黒人のマイケルは、お母さんがヘロイン中毒で、お母さんが警察に捕まり、離れ離れになっても、周りがものすごく、悪い環境であっても(麻薬の密売や、暴力など)そこに影響されずに、まっすぐ育ったことが奇跡のようです。このお母さんの教えである「悪いことは目をつぶりなさい」ということを忠実に守ったということ(これ実は、お母さんがヘロインを注射するところをみせないようにっていうことからなんですが)で、こんな小さなことで、あんな環境でも、悪くならなかったっていうことに感動しました。

でも、これは黒人からみるとどういうストーリーなんでしょうか。白人に助けてもらってやっと自分の才能を開花させたということから、なんとなく「手放しで、良い映画」とはいかないような気がしました。自分達のおかれた環境が、自分達では良くしていくことができないっていうことを、見せ付けられる感じですからね。

コミカルなところもたくさんあるし、幼い長男がすごくこのマイケルの面倒をみているところもほほえましいし(笑)。あと、キャシーベイツが家庭教師の役で出てきますが、彼女も良い味を出してますよ。

劇場で観てもらいたいですね。でも、DVDでもいいかなっていう気もします(笑)。

今、一番映画の収入を得られるのがサンドラブロックらしいのですが、この演技、どっちかというと、彼女が自然に演じているので(ということは、いつもの彼女っていう感じ)、アカデミーはどうかなって思います。

皆さんの意見は?