Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ザ・マミー呪われた砂漠の王女(ネタバレ注意)

2017-08-23 17:52:07 | 映画
今回は映画「ザ・マミー呪われた砂漠の王女」について。



主演はトムクル-ズ。ハムナプトラの元ネタ「ミイラ再生」をさらに現代版にリメイクした作品。これ、ユニバーサル映画のモンスターシリーズを「ダークユニバース」として、次々にリメイクし、さらにそれらに関係性を持たせるというアベンジャーズ的映画の第一弾。

これを知ったのは、映画を観に行った後でした。個人的にはこういった、作品をいろいろつなげて客に観続けさせる手法、もう好きじゃないんです。一個の作品として続編がでるのなら良いけど、この作品の人が別なのにも出ていて、それを知らないともう一つの映画を楽しめない的な。


ここで、内容を・・・



中東で、古代エジプトの文字が刻まれた石棺が発見される。その発掘に居合わせたアメリカ軍関係者のニック(トム・クルーズ)は、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)らと共に調査のために石棺をイギリスに運ぶ飛行機に乗り込む。だが、フライト中に思いも寄らぬアクシデントが起きて、ニックをはじめとする軍関係者を乗せたまま輸送機はロンドン郊外に墜落し、石棺の所在もわからなくなってしまう。



と書いてあります。



トムクルーズが死ぬわけありません(笑)。それって、作品を観る前からわかっていますが、「ひょっとして?」なんて思った僕がバカでした。そうだよね~。っていうラストです。でも、それにしても、今回はちょっと腑に落ちない。

確かに映像はすごいですし、トムも全裸(に見える)でがんばっております。でも、僕ももう歳なんでしょうね。こういう作品、よほどでないとおもしろかった~ってならないんです。

これは、この作品じゃなくて、MI5のものですけど、一応体を見せておこうかと。

トムクルーズファンや、この世界観を好きな方には、たまらない映画なのだと思います。興味があるかたは劇場の大きなスクリーンでご覧になることをお勧めします。



ここからはネタバレです。ごらんになっていない方は読まないでくださいね。













砂漠の王女アマネットが悪魔セトに肉体を提供するために、ニックを生き返らせているのです。そして、魔力をもつ短剣でニックを刺せば、セトに肉体を与えることができるという仕掛け。

でも、ここにラッセルクロウ演じるジキル博士とハイド氏が登場します。どうやらこのキャラクターは他の作品にも登場するみたいですね。彼はモンスターを退治する組織プロディジウムの長で、アマネットを封じ込めるために動くのです。でも、ハイド氏になっちゃうからちょっと大変(笑)。

ラストは、ニックが短剣の先についているルビーを壊し、短剣の魔力を無くしたうえで、自らを刺すことで、セトの復活を阻止するけど、自らモンスターとなってしまうんです。でもね、そこに至るまでに、一緒に協力していた女学者のジェニーが亡くなってしまい、彼女を愛してしまっていたニックは彼女を生き返らせようとして、その決断をすんです。ここ、映画をずっと見ていても「そんなに好きになってた?」ってちょっと疑問に思うんです。もっと、深く愛しているような描写、あっても良かったと思うのですが。


モンスターとなったニック、まだまた、この手の映画に出演しそうな、オチですね。








マンチェスター・バイ・ザ・シー(ネタバレ注意)

2017-08-23 17:28:42 | 映画
今回は映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」について。



アカデミー賞で主演男優賞と脚本賞をとっている作品。特に脚本賞を獲ったというところに魅かれて、観に行ってきました。


ここで内容を・・・


ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。



マットデイモンがプロデューサーで、友人ベンアフレックの弟ケイシーが主演のこの作品。役者さんたちの息がぴったりで、文句がでません。特にリーの元奥さんを演じるミシェルウイリアムズの演技のうまさが際立っていました。演技しているとは思えないんです。

人間ドラマとしてみても、非常によくできていると思います。リーの過去が少しずつ明らかになっていくにつれ、観ている方の胸が苦しくなってくる作品です。

でも、ラストは悲しみだけではなく、希望も見えるので、そこも気に入っています。


こういった作品、退屈と思う方もいらっしゃると思います。でも、良い脚本って、不思議と退屈にならないものだと、感じてもらいたいので、ぜひ、ごらんになってみてください。


ここからはネタバレです。ごらんになっていない方は読まないでください。














リーには子供がいるシーンが出てきます。でも、現在のシーンではもとの奥さんだけしか出てきません。ここに途中から違和感を感じていたのですが、ストーリーが進んでいくと、リーが家で仲間とバカ騒ぎをして、奥さんに怒られた夜。皆が寝てしまっている家をリーはコンビニに買い物に出ていきます。そして、もどってみると家は火事になっていて、奥さんが「中に子供がいる!」と叫び、戻ろうとするのを必死に消防士に止められているところでした。リーは自分の不注意で家を火事にしてしまい、子供を失っていたのです。

彼の、短気でどうしようもない性格のせいでそうなってしまったという過去があるから、便利屋として働いているときには、全ての感情を表に出さないようにしていたということがわかります。

そして、自分に自信をもてないし、マンチェスター・バイ・ザ・シーにはつらい過去しかなく、ここに暮らすことはできないと正直に思い、リーはパトリックを遠くから見守ることに決めるというラスト。それを受け入れるパトリックとのやり取りも秀逸です。



特に良かったのは、元奥さんがリーに「あなたを許す」というシーン。もうここ、すごすぎです(笑)。


僕にとっては、すごく良い映画でした。





ハクソーリッジ(ネタバレ注意)

2017-08-23 17:05:33 | 映画
今回は映画「ハクソーリッジ」について。



監督がメルギブソンで、主演がアンドリューガーフィールド。アカデミーにもノミネートされていましたね。
戦争のシーンがプライベートライアン以上って言われていて、興味があったので観に行ってきました。


ここで内容を・・・


第2次世界大戦中、デズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、人を殺してはいけないという信念を持ち、軍隊に入ってもその意思を変えようとしなかった。彼は、人の命を奪うことを禁ずる宗教の教えを守ろうとするが、最終的に軍法会議にかけられる。その後、妻(テリーサ・パーマー)と父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の尽力により、デズモンドは武器の携行なしに戦場に向かうことを許可され……。


と、書いてあります。


観終って、途中、いろいろとあったけど、感動させる手腕はメるギブソン、すごいと思いました。アンドリューガーフィールドの演技もうまいし、戦争映画が嫌いでない方はご覧になってみてほしいです。





ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は読まないでくださいね。















確かに、後半の戦争のシーンはすごかったです。ただ、中盤で軍隊に所属し、武器を持たないで戦争に行きたいっていうところの描き方が、僕としてみると、「うーん」という感じが残りました。それはデズモンドが武器をもたないで戦争にいかなかればならないという大事なシーンを、「それなら来なかったらいいじゃん」って思わせてしまうような展開なんです。主人公の心のうちがはっきり見えないというか、なんというか。裁判にまでなっていく前に、観客にはわからせてほしいなぁって。
ここ、もう少し、うまくいっていれば大変よかったのに、と勝手に思ってしまいました。


日本人として知らなかったこと、たくさんありました。この話が「沖縄での戦争」のことを描いていたことでした。宣伝ではここに一切触れていなかったのは、やはり、沖縄で犠牲になった方達への配慮からだったのだと思います。この作品はアメリカが作ったのですが、日本兵の描き方が、日本人としてみても、良かったと思います。そして、デズモンドがアメリカ兵だけでなく、日本兵までも救っていたという事実も大変驚きました。



戦争のシーンでは、手や足が吹っ飛ぶ、内臓が出るなど、かなり映像的にはすごいのですが、きっとこれも、実際にはこんなものではないのだと思います。ですが、少しでも、その残虐さ、むごさを感じることができれば、戦争を経験していない僕たちには大切な経験だと思うのです。