Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

シェイプ・オブ・ウォーター(ネタバレ注意)

2018-03-26 14:35:59 | 映画
今回は映画「シェイプ・オブ・ウォーター」について。


アカデミー賞でも、最優秀作品賞をとったこの作品。ギレルモ・デル・トロ監督が監督賞も受賞しているので、観に行ってきました。この監督さんの作品、いろいろと有名ですが、僕が彼のホラーも好きで、永遠の子供たちとかロストアイズなども実は観ているのです。


ここで内容を・・・



1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。


と書いてあります。




パンズラビリンスはダークなファンタジーで、なおかつラストがちょっと切なかったのですが、今回は同じファンタジーだけど、観終ってじんわり暖かくなる作品でした。もともと、怪獣映画がすきだったギレルモ監督。昔の半漁人の映画のラストはすごくかわいそうだと思ていたらしく、今回は半漁人に幸せになってもらいたかったと語っていました。そのとおりで、観ていてハラハラしますが、素晴らしいラストでした。


映像も、音楽も、すごく素敵で、なんといっても、サリーホーキンスがすごくうまいです。彼女、仕事が夜勤なので、日中に寝て夕方から起きてから仕事に行くまでのルーティンがすごく面白い(笑)。これは映画でご覧になってみてください。特にお風呂に入りながらオナニーをするのですが、ここも、あとになって考えると「なるほど」と思ってしまいました。

あと、イライザを助けてくれる隣人のジャイルズ(リチャードジェンキンス)がゲイで、ひそかにパイ屋のお兄ちゃんに恋をしているという話も良かったです。この二人がどうなるのかは映画で。


人間のおごりがいかにおろかで嘆かわしいことなのかを知り、自分と違う存在をしっかり受け入れ、違いを理解することの大切さをファンタジーの中にしっかりいれているのが、すごいと思いました。


できれば、劇場の大きなスクリーンでご覧になってみてください。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。




























イライザは未知な生物との恋から、彼をなんとか逃がし(この救出するところも面白いのです)、自宅のお風呂にかくまい、次の大雨のときに、海に帰すという作戦をたてます。なんと、風呂場を目張りし、そこに水を溜め、イライザ自身も水中に入り、未知な生物とのセックスも体験してしまうのです。ここも美しい映像でした。

しかし、この未知な生物がやはり衰弱してきてしまいます。そこへ、ロシアの手にわたってしまう前にこの生物を殺してしまおうと、政府の役人がやっきになって探し回り、ついにイライザのもとにいることを突き止めます。この役人、この生物を逃がしてしまった責任もあるから、すごく必死。

大雨の日、弱った彼を連れて、海に来たイライザ。そこへ役人も登場します。手伝っていたジャイルズを殴り、気絶させます。そして、生物とイライザを銃で撃つ役人。倒れるイライザと生物。気を失っていたジャイルズが役人を殴ります。生物はゆっくりと起き、自分の弾丸を抜き、皮膚を再生させます。そして、イライザをつれると海に飛び込みます。水中でかれはイライザの首に鰓をつけ、呼吸をさせ、二人は結ばれるというラスト。

なかなか素敵ですよね。

ここで、思ったことがあります。イライザはもともと「人魚」だったのではないかと。

まず、首に傷があること。これがラストで、鰓となるのです。だから、もともと鰓があったのかな?と。
そして、川に捨てられていた過去。言葉は話せないのに、耳は聞こえること。これ、人魚姫の話と同じだなと。
あと、オナニーが好きというところ。もともと人魚だから女性器は持っていなかったはずで、だからこそ、すごく好きになったのかなと。

これは僕の感想で、まったく当たっていないかもしれないけど、ラストまで観ていて感じたことでした。

とっても素敵な映画で、こういった作品がアカデミーを獲るのはとてもうれしいです。

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