Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

アイ、トーニャ(ネタバレ注意)

2018-05-24 18:09:56 | 映画
今回は映画「アイ、トーニャ」について。



ナンシーケリガン殴打事件、オリンピックでの靴ひも事件、子供の頃、実際に観ていたことの裏側がわかる日がくるとは。予告編の時から観に行こうと思っておりました。



ここで内容を・・・




貧しい家庭に生まれ、厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、血のにじむような努力を重ねて、アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、1994年のリレハンメルオリンピックに出場する。ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、その後彼女はフィギュア界から追放されるが……。



と書いてあります。


当事者からのインタビューの形式で話が進んでいきます。映画の最後で実際のインタビューの映像が出てくるのですが、みんなそっくりでびっくりしました。特にお母さん(笑)。すばらしい。


環境が人を育てるってこと、実感した映画でした。アメリカで、白人の貧困層がどんな生活を送っていて、どんな教育をされているのかがわかり、それによって、せっかくの才能がいかされていかないという切なさがありました。

母親の毒っぷり、半端ないです。あんなお母さんに育てられたら、まともにはならないです。でも、トーニャはよくがんばったと思います。

特に元夫の友人ショーン!こいつがあまりにバカで、しかもその友人達ももっとバカで。トーニャはそんな彼らと離れられなかったことであんな事件の関係者となり、さらには、唯一自分が自身を持つことのできるスケートすらも奪われてしまうのです。

せっかくトリプルアクセルを跳べたのに。



主演のマーゴット・ロビーはスケートを本当に滑っているようにみえます。技術ってすごい。

当時を知っていて興味がある方、フィギュアスケートに興味があるかたはご覧になってみてください。ゲイはフィギュア好きですからね(笑)。




ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。




















そもそも、あの事件が起こるきっかけはトーニャに脅迫状が届くところからなのです。その出所を勝手にナンシーケリガンだと思って、彼女にも脅迫文を送ろうとしたことだったのです。

でも、そのトーニャに届いた脅迫状、実は仲間で夫の友人ショーンが自ら行ったものだったんです。このショーン、自分のことをもっと認めてもらいたいというか、世間に自分を知らせたいというか、ちょっと変なのです。国家で対テロリストの仕事をしていると嘘をいったりね。だから、トーニャの警護を自分で行いたいと思ったこと、そして、ナンシーによるものだと思わせ、復習することでナンシーが弱くなりトーニャが活躍するようにしたいと思ったことが脅迫状を送った原因でした。彼なりの作戦だったのですが。

それと知らず、トーニャの元夫はナンシーに脅迫文を送るため、ショーンに仕事を頼みます。ショーンは実行犯として友人二人をナンシーの練習会場に向かわせます。

この二人、ショーンにナンシーを襲うように指示されていました。これもショーンが勝手にやったこと。

でも、この二人、あまりに作戦もお粗末で、すぐに捕まってしまいます。ショーンも「あの事件は俺がやらせた」なんて自慢していたものだから、あっさり捕まり、元夫も捕まってしまうのです。

トーニャは自分は関係が無いが、元夫、その友人がやったことで迷惑をかけたと謝罪の会見を開きます。

当時、冬季のオリンピックが夏季のオリンピックと同じ年ではなく、2年おきに開催することになったことから、トーニャは再び2年後のオリンピックに出ることを目標にしていました。

そして、あの靴ひも事件になります。トーニャは滑る前から靴ひもを気にしていました。ギリギリまで。でもそれは、自分の心の整理がなかなかつかなかったのかなと思わせる演出だと感じました。泣きながらメイクをして、そして、鏡に向かってわざと微笑んだり。

演技の途中でやめてしまい、靴ひもがほどけたことをアピールし、結びなおしてから再び最初から演技を始めるトーニャ。結局8位に終わります。

ナンシーケリガン暴行事件に関しては元夫がやったことと関係を否定していたトーニャですが、関与が濃厚となる証拠が見つかり、スケート連盟から追放させられ、スケートが二度とできなくなってしまいました。

他の環境だったら、もっと、良い成績をおさめて活躍できたかもしれないトーニャ。だけど、あの環境だったからこその根性だったのかもしれません。1回目のオリンピックのあと、4位だったのでスポンサーもつかず、ウエイトレスの仕事をしていたと映画で知りました。そして、2回目のオリンピックに出ることを目指して、再びがんばるのです。

そこを思うと、ほんと切ないですね。






君の名前で僕を呼んで(ネタバレ注意)

2018-05-04 15:53:43 | 映画
今回は映画「君の名前で僕を呼んで」について。





ゲイとしても興味があったし、アカデミー賞でも脚色賞をとっている作品ですからね。当然観に行ってきました。観に来ているのは年齢の高い女性がほとんどで、あと、おじさんも少し(笑)。若いカップルもいたけど、少数派でした。


ここで内容を・・・




1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と過ごす17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、大学教授の父が招待した年上の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と出会う。一緒に自転車で散策したり泳いだり、読書したり音楽を聴いたりするうちに、エリオはオリヴァーに恋心を抱く。やがてその思いは通じるが、夏の終わりが近づくにつれてオリヴァーが避暑地を去る日が近くなり……。



と書いてあります。



切なくて、美しい初恋の映画でした。


通常同性愛の映画になると、それを差別されたり、卑下されたりというある意味お決まりの設定がなされるのですが、この作品は違いました。原作者のアンドレ・アシマンの理想というか、幻想というか、そういうものがあるのかなと思いました。それを脚色したのが、ジェームスアイボリー。彼はゲイの映画である「モーリス」で監督をしています。その彼が原作を非常にうまく映画の脚本にしているので、セリフや場面が全てが美しいんです。エリオの両親も彼がゲイであることになんの差別もなく、彼の初恋を応援しますし。

非常に切ないのですが、初恋の理想という感じがしました。

エリオは同級生のガールフレンドもいます。セックスも経験するのですが、オリヴァーとの体験は、それとはくらべものにならないくらいのh衝撃だったのです。オリヴァーから最初、エリオにボディコンタクトをするのですが、エリオは恥ずかしさから、拒否してしまい、オリヴァーはエリオから距離を置くようにしたと、二人が結ばれたあとで話をします。なんて、時間を無駄にしてしまったのかと。



北イタリアの夏の風景の美しさと、エリオとオリヴァーの美しい二人の恋愛を理想的な形で表現されていると感じました。

アーミーハマーは現実にはゲイではないのですが、彼はゲイの役が多いですよね。あの顔立ちがそうさせるのかもしれません。ジャコメッティでも、J・エドガーでも、ゲイが似合います。本人はどう思ってるんだろ?

主演のティモシー・シャラメはこの映画で実際にピアノを弾いているようで、才能にあふれた役者さんなのだと思いました。フランス語もイタリア語も堪能ですし。

イタリアの夏ですから、当然ふたりとも裸でパンツ一丁がほとんど(笑)。うれしいですね~。


同性愛に嫌悪がある方は観なくても良いと思います。あと、これを退屈な映画だと感じる方もいると思います。でも、理想的な初恋を美しい風景の中で感じることに興味がある方はご覧になってみてください。



ここからはネタバレですので、ごらんになっていない方は絶対に読まないでくださいね。











特に、ラスト近くで傷心のエリオにお父さんが「オリヴァーとの友情以上のすばらしいものを体験したことは、たとえ、悲しいことになったとしても、それはすばらしいことだ」とエリオに言うのです。そして、「自分はそれができなかったから」とも。そう、お父さんはゲイということを隠して、お母さんと結婚し、エリオをもうけていたという事実を話ます。

ちょっと調べてみたら、原作者のアンドレ・アシマンは大学教授で彼はイタリアに少年の頃に住んでいたということなので、ちょっと自伝的なのかなと思うのですが、彼自身は同性愛の経験は無いといっているみたいです。奥さんも子供もいるし。

でも、このお父さんのセリフは彼のことのようだと感じました。そして、エリオもオリヴァーも彼の理想形の愛の形を表現しているのかとも。自分にゲイの要素があって、それを誰にも言えず、頭だけで理想を描くってことあると思うのです。だから、エリオとオリヴァーのこと、誰も非難しないし、認めている。これも理想ですね。そうであってほしいです、僕も。

あと、エリオがモモをつかってオナニーするシーンが出てきて、そのモモをオリヴァーが舐めるというシーンにつながるのですが、ここ、いろいろと物議があるようですね(笑)。確かに良く考えると気持ち悪いともとれますが、ここも理想としてとらえるとなんとも美しい(笑)。好きな相手に関係したものであれば、なんでも愛おしく思えるって。あとこれによって、オリヴァーがボトム(受け)だったのかなんて考えたりして(笑)。エリオがトップ(タチ)でその快感がすごくて、ついモモに。女の子とのセックスより良かったということになりますね。

調べたら、途中で出てくるゲイのやや高齢のカップルの一人が原作者のアンドレ・アシマンだったんですね。ますます、こういう自分になりたかったって感じしてきます。


まさに彼の理想、僕の理想ばっかりがつまった映画ですが、それも映画の良い所です。

現実はもっときびしいからこそですね。









アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(ネタバレ注意)

2018-05-03 22:48:50 | 映画
今回は映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」について。




僕はアベンジャーズのシリーズは一応全てみていますので、今回も気になって観に行くことにしました。


ここで内容を・・・


それぞれ異なるパワーを持つインフィニティ・ストーンが六つそろうと、世界を滅ぼせるほどの力が得られるという。アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、スパイダーマン(トム・ホランド)らアベンジャーズはほかのヒーローたちと共に、インフィニティ・ストーンを手に入れようとたくらむサノス(ジョシュ・ブローリン)に立ち向かうが……。


と、書いてあります。


ほんと、すごい映画でした。


たぶん、観終った全員がボー然とするというか。

僕はこのアベンジャーズのシリーズと、キャプテンアメリカのシリーズ(クリスエヴァンスが好きなので)、ドクターストレンジ、ガーディアンズオブギャラクシーの1作目、しか観ていないのですが、全く問題ありません(笑)。

きっとこれに絡む作品全て観ていると、楽しめるネタもあるのかもしれませんが、よほど好きな人は別として、ほどほどの距離感で観てきた人にも十分すぎるほど楽しめました。

映像も迫力あるし、なにしろ、出演陣が豪華ですからね。前回で仲たがいしたアイアンマンとキャップがどうつながるのか、サノスは倒されるのか、世界はどうなるか、気になるところは、劇場でご覧になってみてください。そして、いつものことですが、エンドロールが全て終わるまで席は立たないでくださいね。僕の隣の人は出て行ってしまって、最後の部分見逃してしまっていましたから。

ここからはネタバレですから、絶対にご覧になっていない方は読まないでくださいね。























このサノス、ガモーラ(ガーディアンズオブギャラクシーの緑色の皮膚の女性)の父親(といっても、本当の父親ではないのですが)で、全て宇宙にはバランスが必要と考えているんです。今はどの星も居住する住人が多すぎることからバランスが取れていず、結果その星が不幸になると考え、星に行ってはその星の住人達を虐殺して半分にしていくのです。このインフィニティストーンが全てそろうと、一瞬にして、住人を半分にできるから、サノスは何としてもその石が欲しいのです。

ヒーローたちは自分たちがもっているストーンを死守しないと地球の人口も半分になってしまうことを理解し、仲たがいしていたアイアンマンとキャップも割とあっさり協力しあいます(ハルクがとりもつんだけどね)。

宇宙ではソー達が持っていた石をとられ、ロキが殺されソーも死んだと思われていたところ、スターロード達に拾われ、新たな武器を作りに向かいます。

一方ガモーラとスターロード達はサノスを倒すために彼のもとへ。そこへ地球へドクターストレンジの時間を操る石を奪いにきて、彼を誘拐した手下たちを追って、スパイダーマンとアイアンマンも結果宇宙のサノスのいる場所へいくことに。作戦は失敗しサノスはガモーラを連れて石のある場所へ。そこで、サノスは愛するものを捨てることで石が手に入れられると知り、ガモーラを谷底へ突き落してしまいます。

地球では、ヴィジョンの頭に埋まっている石を守るべく、キャップ達がブラックパンサーのもとへ集まります。ブラックパンサーたちの技術で石だけを頭から外すためです。むやみにとると死んじゃうからね。

サノスは石をうばい、をスターロード、アイアンマン、スパイダーマン、ドクターストレンジ達が待っていると知らずに手下がいると思っている星へやってきます。あと少しで石をはめた手袋を取り上げることができそうになるのですが、スターロードがガモーラの死を知って逆上し、結果、サモスにやられてしまうはめに。アイアンマンが殺されそうになったところで、ドクターストレンジが石を渡してしまいます。そうじゃないとアイアンマンが死んでしまうから。

残るは地球のヴィジョンが持つ石のみとなり、その石を奪うために手下たちがすでに地球にやってきていて、彼らとキャップ達、ブラックパンサーの戦いが始まります。

互角に戦っていたのですが、ついにサノスが現れます。頭から石を取り外すことが困難となり、逃げるヴィジョンですが、すでに石を5つそろえているサノスにみんななすすべがありません。ついにヴィジョンは自分の石を壊すようにスカーレットに頼みますが、それもかなわず、ヴィジョンの頭から無理に石をはがすサノス。当然ヴィジョンは死んでしまいます。

ですが、やっとの思いで作った武器を手にソーとガーディアンズのロケット、グルードがもどってきて、新しいハンマーをサノスの胸に突き刺すソー。

良かったと思うのですが、サノスのセリフ「頭を狙うべきだった」。

サノスは6つの石をはめた手袋で指を一回ならしてしまいます。



それと同時に、アベンジャーズ達の中から、スターロード、グルード、ドラッグス、スパイダーマン、ドクターストレンジ、スカーレット、ブラックパンサー、ファルコン、が灰となって消えていきます。

地球上の人類の半分が無作為に灰となって消えていく事態に。

静かな山間の村で、ゆっくりと過ごすサノイの映像でラスト。

え~っ!これで終わり?って感じで呆然としながらのエンドロール。

絶対最後に何かあるはずだと願いひたすら長いエンドロールを観ていくと・・・


NYで車に乗る、ニックフューリー(サミュエル・L・ジャクソン)の姿が。突然の自動車事故、運転席には誰もいません。空を見上げると飛行機がビルにつっこんできました。ニックの車を運転していた秘書の姿が灰になっていき、あせったニックは誰かに連絡をとります。通信をし終えて、ニックも灰になってしまいました。

残された通信機に映っていたのは、キャプテンマーベルのシグネチャー。

ということで、来年公開されるキャプテンマーベルにこの事態の収拾を期待するしかないんですね(笑)。

僕的には時間を戻すしかないのでは?と思っています。XMENみたいにね。

これ、絶対次も観ないといけない作りで。作戦とはいえ、なんともずるい(笑)。




レディ・プレイヤー1(ネタバレ注意)

2018-05-02 23:51:48 | 映画
今回は映画「レディ・プレイヤー1」について。




予告編でも、ポスターでも日本のアニメのキャラクターなんかが多く出ていたし、スピルバーグの新しい作品だし、ということで4DXで観てきました。


ここで内容を・・・


045年、人類は思い浮かんだ夢が実現するVRワールド「オアシス」で生活していた。ある日、オアシスの創設者の遺言が発表される。その内容は、オアシスの三つの謎を解いた者に全財産の56兆円とこの世界を与えるというものだった。これを受けて、全世界を巻き込む争奪戦が起こり……。



と書いてあります。



この映画を最高に面白いと思うか、映像はすごいけどそんなでもないやと思うのかが分かれるポイントがあると感じました。まず、年代です。僕は今40代後半ですが、まさにどんぴしゃなのです。きっともっと上の世代、あるいはもっと下の世代にはツボにはまることが少ないと思います。そして、もう一つ、映画オタク、ゲームオタク、アニメオタク、特撮オタクであるかどうか。僕はゲームはあまりしないので、なんとなく知っている程度なのですが、映画、特撮、当時のアニメは大好きで、そこはもう、「くぅーっ!」って言わせるツボだらけなのです。

とくに、映画「フェリスはある朝突然に」、「ブレックファーストクラブ」の話がでてきたことで、顔のニヤツキが止まらない、止まらない(笑)。あと、映画「シャイニング」にちなんだ映像も出てきてそこも最高なのです。

アーネスト・クラインの小説が原作なのですが、この原作者に影響を与えて映画、アニメ、ゲームなどのポップカルチャーに日本がどれだけ影響を与えていたのかがよくわかる作品です。

大きく映画をとらえると、若者の成長の映画です。恋愛もありです。


皆にみてほしいとは思わないけど、上にあげたオタク度が高いと思う方はぜひご覧になってみてください。それ以外の人は無理して観なくても良いかも(笑)。



ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。

















主人公(ウエイド)が恋する女の子のアバターであるアルテミスと、主人公のアバターであるパーシヴァルがVRの中で出会い恋していくのですが、そこに現実世界での様々な要因がからんできて、リアルでも彼らは協力しあって、問題を解決していくというのが、大まかなストーリ。

第一の関門車のレースは車を逆走することでクリアとなるのです。このレースをするところで出てくるキングコング、Tレックス、なんかは映画オタクにはたまりませんね。レースのシーンで出てくる車、主人公はデロリアンだし、その他にもマッハゴーゴーなんかもいるし、アキラのバイクも出てくるし、ほんと細部まで観てもらいたい。


そして、第2の関門では映画シャイニングに出てくるシーンが印象的。ほんと、良くできている。スティーブンキングはこの映画版シャイニングを好きじゃないっていう小ネタも、知っているだけに、面白い。そして、ディズニーランドのホーンテッドマンションのようなシーンも楽しめる。

第3の関門に行く前に、現実世界でいろんなことが起きて行きます。それは、この資産をねらっているオアシスの管理権を欲する世界2位の大企業IOI社社長、ノーラン・ソレント(これ、ベン・メンデルゾーンが演じています。ローグワンでもやなやつでしたが、ここでもまた、やなやつを演じています)が主人公達を現実の世界で、無いものにしてしまおうを様々な妨害をしてくるのです。だって、ウエイドがもう重要な鍵を二つももっているのですから。

ただ、そこをみんなの協力をもとに、最後のゲームを解く場面にいくのです。でも、ここで、ソレントが使った非常な作戦によって、彼らは窮地に陥ります。

それを救ったのは、他のプレーヤーたちでした。様々なアバターで最後のゲームを解く場面までウエイド達を連れていくことになります。ここの場面はほんと、キャラクターのオンパレードです。チャイルドプレイのチャッキーが出てくるところは、感動しました。あと、ソレント達はメカゴジラを操り、ウエイド側はガンダムで戦うあたり、日本のポップカルチャーは無敵なのだと確信しました(笑)。



いよいよラストのゲーム。このゲームは解いてはいけないというのが、創始者であるジェームズ・ハリデーが最後に託した謎でした。それを見事にクリアし、ウエイドはハリデーのアバターと向かい合います。でもその前にソレントが使ったリセットのボタンのせいで、みんなのアバターは削除されてしまうのです。ウエイドのアバターであるパーシヴァルはどうなるのか、と思ったら、彼だけライフをもう一つ持っていて、ゲームを続けることができるのです。それは、その前にハリデーの博物館で管理人のロボットから賭けでもらったコインにもう一つライフがついていたからなのでした。

ちなみにこの管理人は後でわかるのですが、ハリデーと共同経営者だったオクデンモロー(サイモンペッグが演じています)のアバターだったのです。モローはウエイドをなんとか勝たせたかったんですね。

ハリデーのアバターと出会ったパーシヴァル、契約書にサインすれば全てパーシヴァルのものとなるとハリデーのアバターは言うのです。ですが、そこでハリデーのことを研究しつくしているウエイドはサインしないことがハリデーを気持ちを表すと信じ、サインをしません。

それが最後のテストでした。見事クリアしたウエイドにすべての資産がもたらされることになります。


様々な妨害をし、ウエイド達を殺そうとしたソレントは結局捕まってしまいます。ソレントはハリデーたちのもとで働いていたのですが、そこではまったく目がでず、クリエイティブではなかったという負い目が彼をそこまで駆り立ててしまったと。

観終ってみれば、みごとな青春映画なのです(笑)。


そこに、僕たちが観てきた映画、音楽、アニメ、特撮、がそろった時に、感動すら覚える作品になりました。




ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

2018-05-02 23:31:28 | 映画
今回は映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」について。



アカデミー賞でも話題となった本作。

ここで内容を・・・



第2次世界大戦勃発後、ナチスドイツの勢いはとどまることを知らず、フランスの陥落も近いとうわさされる中、英国にもドイツ軍侵攻の危機が迫っていた。ダンケルクで連合軍が苦戦を強いられている最中に、英国首相に着任したばかりのウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)がヨーロッパの命運を握ることになる。彼はヒトラーとの和平か徹底抗戦かという難問を突き付けられ……。

と書いてあります。

ゲイリーオールドマンが素晴らしいです。メイクもすごいのですが、それを全く感じさせない技術の高さに脱帽です。

内容も、こんなにチャーチルが葛藤していたのかと、そして、周りの反対を押し切って作戦をたてていくことの苦悩をすごく感じました。映画ダンケルクとつながって、歴史がすごく良くわかったのもうれしかったです。あと映画「英国王のスピーチ」にもつながっていましたね。




政治の世界には、自分をうまくみせようとする人たちが多く、それは昔も今も変わらないのだとつくづく感じました。そんな中でのチャーチルの決断はものすごく価値があるんだと思うのです。地下鉄に自ら乗って、本当の市民の声を聴くチャーチルに「そうだよね。国民の意見が反映されてこそ、政治だよね」と思いながら観ていました。


今の日本の政治家たちはこの映画をみて、「過去のことだし、今とは違う」と思うのか、「自分もそうありたい」と思うのか。

日本の政治家に失望している人が多いと思う昨今、この映画は本当に考えさせられる映画でした。

ここでジョージ6世を演じた、ベン・メンデルスゾーンは良い人でした(笑)。でもね・・・。



ペンタゴンペーパーズ、大統領の陰謀、フロスト×ニクソン

2018-04-17 22:14:14 | 映画
今回は、ちょっといつもと違う感じで。

というのも、この間ペンタゴンペーパーズを観てきました。そこで、以前見た大統領の陰謀をもう一度観て、そして、まだ観ていなかったフロスト・ニクソンを観たんです。そしたら、すごくわかりやすくウォーターゲート事件が見えてきました。


まず、今公開している「ペンタゴンペーパーズ」について。




内容は・・・


ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり……。



と、書いてあります。



この映画では、ベトナム戦争がまったく意味がないのに、2年間も続け、そして、数多くの兵士たちの死を招いたことを新聞に掲載するという、本来であれば正しいことをする新聞に対して、時の大統領のニクソンはあらゆる手を尽くして阻止しようとすることを描いています。ものすごい、妨害工作をホワイトハウスがしてきます。この当時の音声が使われており、ニクソンが自分に不利な情報を隠蔽しようと躍起になっていることがわかります。この記事をワシントンポストはつぶれる覚悟で掲載します。その行く末は司法の手にゆだねられます。判事の言葉「報道は国家のためではなく、国民のためにある」のとおり、ワシントンポストは勝利するのです。この映画の面白いところは、ラストでウォーターゲートビルディングで不法侵入が行われている場面で終わるというところ。つまり、ここからウォーターゲート事件が始まるところで終わるんです。


そして、次の映画「大統領の陰謀」に続きます。




内容は・・・

1972年6月17日、首都ワシントンD.C.のウォーターゲートビルで働く警備員のフランク・ウィルズ(演:本人)が建物のドアに奇妙なテープが貼られていることに気付き、ワシントンD.C.首都警察に通報。民主党全国委員会本部オフィスに侵入していた5人組の男は不法侵入の罪で逮捕された。

入社してまだ日が浅いワシントン・ポスト紙の社会部記者ボブ・ウッドワード(演:ロバート・レッドフォード)は、社会部長のハワード・ローゼンフェルド(演:ジャック・ウォーデン)から、民主党本部における不法侵入事件の法廷取材を命じられる。窃盗目的で押し入ったと思われていた容疑者たちの所持金が多額であった事と、所持品の中に無線機や35ミリカメラ等不可思議な物が含まれていたためである。予審が行われている裁判所に赴いたウッドワードは、共和党系の弁護士が傍聴に来ていることに不自然さを覚える。さらに容疑者のうちの1人、ジェームズ・W・マッコード・ジュニアが、CIAの警備官だったことを告白したとき、ウッドワードはこの事件が単なる物盗りの侵入事件ではないことを直感し、踏み込んだ取材を開始する。

一方、先輩記者カール・バーンスタイン(演:ダスティン・ホフマン)もこの不法侵入事件に興味を抱いていた。彼はウッドワードの書いた原稿を焦点が甘いと指摘し、推敲してみせる。ウッドワードは反発しつつもバーンスタインの手腕を認めざるをえなかった。2人の熱意を感じたローゼンフェルドは、ベテランの政治部記者に任せるべきだと主張する編集局長のハワード・シモンズ(演:マーティン・バルサム)を説得し、2人を担当記者にする。

当初は政府機関の厚い壁に阻まれ五里霧中の状態であったが、ローゼンフェルド、サイモンズ、編集主幹のベン・ブラッドリー(演:ジェイソン・ロバーズ)等、社の幹部の叱咤を受けながら取材を進めていく内に、僅かながら現れ始めた情報提供者や以前からのウッドワードのニュースソースである謎の人物ディープ・スロート(演:ハル・ホルブルック)からの助言・示唆により、現大統領リチャード・M・ニクソン再選委員会の選挙資金の流れの不自然さに行き着く。それによって侵入事件の全貌が次第に明らかになってきた。

事実関係の調査を済ませた記者たちは事件を記事にする。情報提供者たちの証言の裏が取れない内は断固として掲載を認めなかったブラッドリーもついに掲載を許可。記事が掲載されると、主幹のブラッドリーとワシントン・ポスト紙はニクソン政権から名指しで非難と冷笑を浴びる。さらには情報提供者にも証言を翻され、2人の記者は窮地に立たされてしまう。世間・一般市民の事件へ反応も薄い。そんな中ブラッドリーは編集会議で、あくまでも2人の記者を後押しするよう、幹部たちに厳命する。

ウッドワードはディープ・スロートからCIA、FBIなど諜報・捜査機関がニクソン政権に牛耳られようとしており、2人の記者のみならずワシントン・ポストの幹部も視察下にあると警告を受ける。深夜、自宅に来て状況を伝える2人に対しブラッドリー主幹は、合衆国憲法修正第一条で保証されている“報道の自由”を、そして“この国の未来”を守る為あくまで戦う事を告げ、そして二度とヘマをするなとハッパをかける。

1973年1月20日、再選を果たし、就任式で宣誓するニクソン大統領のテレビ中継が流れる中、ウッドワードとバーンスタイン両記者の打つタイプライターの音がワシントン・ポストの編集局に響く。2人が火を付けたこの事件の報道が緒端となって世論を動かし、やがて大統領の側近や政府高官を含める事件関係者たちは次々と起訴され有罪となる。ニクソンは1974年8月9日に大統領を辞任。ジェラルド・フォードが第38代合衆国大統領に就任した。



ちょっと長いですが、こう書いてあります。ありがとうウィキペディア。



ペンタゴンペーパーズからここにつながると、ニクソン大統領がいかに自分のことを守ろうとしているかがわかります。自分の偉大さを誇示し、それを批判するものを許さない姿勢。ですが、悪いことをしている人たちの周りにはそれに対して、嫌悪感をもっている人たちが多数いることも事実なのだと感じます。悪事は長くは続かないのだと。



そして、最後の映画「フロスト×ニクソン」です。




ここで内容を・・・



1974年8月9日、第37代アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ)が、ウォーターゲート事件の汚名にまみれて辞職。その光景をテレビで見ていたトーク番組の人気司会者デビッド・フロスト(マイケル・シーン)は、ニクソンに対する単独インタビューを企画。ニクソンの代理人にコンタクトを取る。



と、書いてあります。



この映画はニクソンが辞任してからの話で、フェイクドキュメンタリーのような作りでこの映画は進みます。

ここで、この二人の思惑があらわになります。デビッドはもっと視聴率をとる番組にしたいこと。ニクソンはそれを利用して、再び政治の世界に帰り咲くこと。デビッドはニクソンとのインタビューに際して、彼のことを知り尽くし、なんとかニクソンに罪を認めさせたいボブとジェームスとともに、作戦を練ります。一方ニクソン側も自分に有利になるような条件を提示し、逆にデビットをうまく使って、自分に対してのイメージをさらに良くしようと企みます。
インタビューは4日間にわたって行われました。最初の3日間は完全にデビットがニクソンの雄弁さに負けて、ほとんどがニクソンの独壇場、自分の功績を自分で称えるインタビューとなってしまいました。これをみると本当にニクソンは映画の中でも言われていましたが、「最高の策士」なのだと感じます。どんな質問にも自分がいかに正しかったかを主張するのです。
ですが、4日目のウォーターゲート事件に関する質問をされる前日、ニクソンからデビッドに電話がかかってきます。明日はそっちも容赦しないでほしいと。デビッドは今までを反省し、ニクソンを追いつめる手段を何日も徹夜で練り上げるのです。
4日目、インタビューの前にデビッドはニクソンに言います。「昨日の電話のとおり、死闘になりますね。」ニクソンは「電話って?」。インタビューが始まると、3回までのデビッドとは違い、ニクソンの雄弁さを披露させる場面を封じ、次々と新しい事実を突きつけ、ついにはニクソン自ら、「国益のためなら、大統領は非合法なことをしても良いのだ」という言葉を引き出します。ここで、ニクソン側から、撮影を中断する指示がはいります。ニクソンは自分の取り巻きに言います。「今言わなければ、自分が後悔する」と。
再び、撮影が開始され、ニクソンは自分が罪を犯したこと、国民に謝罪することを語ります。
ここで、ニクソンは本当は自分のしたことを後悔していたのだとわかります。雄弁さの裏には自己嫌悪があったのだと。フランクランジェラの演技がものすごくうまいのです。視線と表情でそれを表現するなんて!


こうして、1970年代に起きたことが僕にとって、映画でつながったんです。1970年代といえば、僕は小学生か中学生だった。アメリカでこんな出来事があったとは全く知らなかったんです。でも、映画を通して、歴史を知ることができるのはすごく楽しいことであり、うれしいことでありました。

本当に映画っていろいろなことを教えてくれるものです。








レッドスパロー(ネタバレ注意)

2018-04-12 10:39:50 | 映画
今回は映画「レッドスパロー」について。




主演がジェニファーローレンス、スパイ映画ということで、興味がわいて観に行ってきました。監督はハンガーゲームのフランシスローレンス。

ここで内容を・・・



事故によってバレリーナの道を諦めたドミニカ(ジェニファー・ローレンス)。母親をめぐるやむを得ない事情から、彼女はロシア政府直属の諜報(ちょうほう)機関の一員になる。美貌を生かした誘惑や心理操作で情報を入手する「スパロー」と呼ばれるスパイとして育成された彼女は、瞬く間に才能を発揮する。そして新たなミッションとして、ロシアの機密事項を探るCIA捜査官ナッシュ(ジョエル・エドガートン)への接近を命じられるが……。



と、書いてあります。



いや~、ロシアって怖い(笑)。素直な感想です。もし、これが本当ならばの話ですが。最近もイギリスで元スパイの暗殺未遂事件らしいものがあったりして、今でもこういうことあるから、この映画の信ぴょう性も増す感じです。でも、ロシアの人からこの映画を観たらどうなるのかも気になります。自国のこと、こんなに悪く表現されているのだから。


この映画の核になるのは、ドミニカがロシアの高官の中にいるスパイを探すためにナッシュに近づくというストーリー。ナッシュは情報源であるこの高官をなんとか守らないといけないけど、ドミニカのことを好きになっていくし、ドミニカもナッシュに近づいて彼の本質が見えてくることで、好きになってくるし。でも、任務もあるし。という展開です。


ジョエル・エドガートンがあんまりかっこよくない見た目なところが、スパイのリアルさみたいなのを感じました。これ、イケメンだったら、なんとなくね(笑)。彼はキンキーブーツで、若社長を演じていていい人っぽさがあるから、そこが実は敏腕エージェントという設定がうまくはまる感じしました。キャスティングがうまいのですね。

ドミニカがリクルートされる理由がけっこうすごい(笑)。詳細は映画で観てもらいたいです。本物のバレエダンサーのセルゲイポルーニンが出ていて、それも見どころだと思います。

拷問のシーンなどけっこうすごいですが、久し振りに骨太なスパイ映画だと思いました。
興味があるかたはぜひ、劇場でご覧になってみてください。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。





















で、このロシアの高官が誰なのかっていうところが最大の謎なのですが、けっこう早い段階からなんとなく察しはついてしまいます。「多分この人なんだろうなぁ」って。それはジェレミーアイアンズが演じるコルチノイです。彼はロシアの体制自体に疑問をもっており、それを正したいという気持ちで、スパイとなっていました。

じつは、ドミニカも同じ思いになっていて、自分がいかに国によってすごくことをさせられているかを感じていて、ナッシュがそれを教えてくれたこともあって、好きになっていきます。

ここで、ドミニカには作戦がありました。それは、自分をスパイにしたてあげた叔父(彼はロシアのスパイ組織を管理する裏の高官)を破滅させること。この叔父はドミニカに性的な嫌がらせもおこなっていたし、拷問もしたし、ドミニカにとっては、復習したい相手だったのです。

ドミニカはこの叔父をスパイとしてロシアに売ることにしていくために、いろいろと工作をしていました。ナッシュの家の指紋付きのグラスを叔父の家に置いたり、ウィーンに彼が行ったことを知って、ウィーンの銀行に彼の名義で口座を開きそこへ、報酬と同じ額を振り込んだり。

結局この作戦は成功し、叔父はドミニカと交換でアメリカに引き渡されることになります。だまって、行かせることはないロシア。交換の時にこの叔父を暗殺してしまうのです。

ドミニカはスパイを見つけたことでロシアでも一目置かれる存在となり、ナッシュに自分が今度は情報を渡すスパイとなっていきます。コルチノイは彼女にその仕事を任せることにしてロシアにとどまる、というラスト。

最後はスカッとする感じで終わりますが、本当は好きな二人なのに、アメリカとロシアという離れたところで暮らすという場面がちょっと切ない終わりでもありました。



ジョエル・エドガートンのへそ毛がセクシーですよ(笑)。






シェイプ・オブ・ウォーター(ネタバレ注意)

2018-03-26 14:35:59 | 映画
今回は映画「シェイプ・オブ・ウォーター」について。


アカデミー賞でも、最優秀作品賞をとったこの作品。ギレルモ・デル・トロ監督が監督賞も受賞しているので、観に行ってきました。この監督さんの作品、いろいろと有名ですが、僕が彼のホラーも好きで、永遠の子供たちとかロストアイズなども実は観ているのです。


ここで内容を・・・



1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。


と書いてあります。




パンズラビリンスはダークなファンタジーで、なおかつラストがちょっと切なかったのですが、今回は同じファンタジーだけど、観終ってじんわり暖かくなる作品でした。もともと、怪獣映画がすきだったギレルモ監督。昔の半漁人の映画のラストはすごくかわいそうだと思ていたらしく、今回は半漁人に幸せになってもらいたかったと語っていました。そのとおりで、観ていてハラハラしますが、素晴らしいラストでした。


映像も、音楽も、すごく素敵で、なんといっても、サリーホーキンスがすごくうまいです。彼女、仕事が夜勤なので、日中に寝て夕方から起きてから仕事に行くまでのルーティンがすごく面白い(笑)。これは映画でご覧になってみてください。特にお風呂に入りながらオナニーをするのですが、ここも、あとになって考えると「なるほど」と思ってしまいました。

あと、イライザを助けてくれる隣人のジャイルズ(リチャードジェンキンス)がゲイで、ひそかにパイ屋のお兄ちゃんに恋をしているという話も良かったです。この二人がどうなるのかは映画で。


人間のおごりがいかにおろかで嘆かわしいことなのかを知り、自分と違う存在をしっかり受け入れ、違いを理解することの大切さをファンタジーの中にしっかりいれているのが、すごいと思いました。


できれば、劇場の大きなスクリーンでご覧になってみてください。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。




























イライザは未知な生物との恋から、彼をなんとか逃がし(この救出するところも面白いのです)、自宅のお風呂にかくまい、次の大雨のときに、海に帰すという作戦をたてます。なんと、風呂場を目張りし、そこに水を溜め、イライザ自身も水中に入り、未知な生物とのセックスも体験してしまうのです。ここも美しい映像でした。

しかし、この未知な生物がやはり衰弱してきてしまいます。そこへ、ロシアの手にわたってしまう前にこの生物を殺してしまおうと、政府の役人がやっきになって探し回り、ついにイライザのもとにいることを突き止めます。この役人、この生物を逃がしてしまった責任もあるから、すごく必死。

大雨の日、弱った彼を連れて、海に来たイライザ。そこへ役人も登場します。手伝っていたジャイルズを殴り、気絶させます。そして、生物とイライザを銃で撃つ役人。倒れるイライザと生物。気を失っていたジャイルズが役人を殴ります。生物はゆっくりと起き、自分の弾丸を抜き、皮膚を再生させます。そして、イライザをつれると海に飛び込みます。水中でかれはイライザの首に鰓をつけ、呼吸をさせ、二人は結ばれるというラスト。

なかなか素敵ですよね。

ここで、思ったことがあります。イライザはもともと「人魚」だったのではないかと。

まず、首に傷があること。これがラストで、鰓となるのです。だから、もともと鰓があったのかな?と。
そして、川に捨てられていた過去。言葉は話せないのに、耳は聞こえること。これ、人魚姫の話と同じだなと。
あと、オナニーが好きというところ。もともと人魚だから女性器は持っていなかったはずで、だからこそ、すごく好きになったのかなと。

これは僕の感想で、まったく当たっていないかもしれないけど、ラストまで観ていて感じたことでした。

とっても素敵な映画で、こういった作品がアカデミーを獲るのはとてもうれしいです。

スリービルボード(ネタバレ注意)

2018-02-26 17:10:07 | 映画
今回は映画スリービルボードについて。



予告編から、絶対観たいと思っていました。結末がどうなるのかがすごく気になってしまって。

内容は・・・




ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。




と書いてあります。




いや~、出演者全員がものすごくうまい!日常にある人間の憎悪。これが連鎖のようにつながっていく様をリアルに描いています。署長の部下をサムロックウェルが演じているのですが、短気で頭の悪い男を本当にうまく演じています。彼の行動がミルドレットを加熱させていきます。ミルドレットの息子、広告看板屋、元旦那とその彼女、ミルドレットを思う小人症の男。人間って全て悪い人、全て良い人ではないということを見せつけられます。

なるべく予備知識なく、観てください。単調な映画といえばそうかもしれません。現に僕の隣の女の子(多分20代)達は終わった後に「中盤から寝ちゃった」っという発言が(笑)。僕はおもしろくてどんどん引き込まれてしまって、寝るなんてとんでもないと思っていたのですが・・・。

でも、こういった作品が好きな方であれば、ぜったい気に入ると思います。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。




























そもそも、ミルドレットの娘レイプされて、焼き殺されるという無残な死を遂げてしまったことは、ミルドレットが娘に車を貸さずに歩いていかせたことが原因の一つでもあります。なのでミルドレットは自責の念に堪えません。また、警察署長は自分が癌で余命がもう少ないことで、自殺してしまいます。その時、ミルドレット、部下のディクソン(サムロックウェル)、自分の妻に手紙を残します。ですが、小さな田舎町、署長の自殺はミルドレットが追いつめたせいだと署長をしたう人たちから、妨害を受け始めるのです。そして、もっとも署長を慕っていたディクソンはその怒りを広告看板屋にむけ(撤去しなかったから)、殴った後彼を窓から放り投げてしまうのです。そして、何者かが看板に火を放つのです。

それに怒ったミルドレットは当然看板への放火もディクソンのしわざと思い、警察署に火炎瓶を投げ込みます。

たまたま居合わせたディクソン。その時かれは署長からの手紙を読んでいたのです。そこには署長がディクソンに「もっと愛をもって相手に接しなさい」と書かれていました。衝撃を受けるディクソン。ヘッドフォンで音楽を聴いていたために、火災に気づくのが遅れ、大やけどを負いますが、ミルドレットの娘のファイルを守り外に逃げます。ミルドレットにも署長からの手紙が渡されます。そこには自分が自殺するのは彼女のせいではないことが書かれ、看板の費用を1か月分負担するとも書かれていました。

ミルドレットと小人症の男(彼が警察に放火があったときにミルドレットと一緒にいたと証言しています)が食事をしていると、そこへ元亭主とその彼女が現れます。もと亭主があの看板を燃やしてやったと証言します。署長が好きだった元亭主。ミルドレットのせいで自殺したと思い、それを不満に思ってのことだったと。でも、亭主が自分の彼女の言葉として、「悪は悪を来す」とミルドレットに伝えます。

その言葉にミルドレットは自分が憎悪を捨てないと、どんどん状況が悪化してしまうと悟るのです。


ディクソンは看板屋を投げ落としたことで、警察からはバッジと銃を押収されますが、署長からの手紙で回心し、ミルドレットの娘を殺した犯人を独自に探そうとするのです。
ディクソンは酒場で、レイプした女を燃やしたという話をしている男に出会います。彼に近づき彼の顔をひっかくディクソン。当然、殴られけられの暴行を受けます。ですが、ディクソンはボロボロになりながら家に戻ると、その爪についていた皮膚のサンプルをとり、警察にわたすのです。DNA鑑定してもらうために。
ミルドレットのもとを訪れたディクソンは犯人と思われる人物が特定されるかもしれないと告げます。
しかし、その男は犯人ではなかったのです。犯行当時、戦地に赴いていたことがわかり、DNAの型もあわなかったのです。
ディクソンはミルドレットに電話をかけ、違ったと告げますが、この男はレイプ魔であることに違いないから、彼を一緒に殺そうと話します。
ミルドレットと二人、その男を遠い町まで殺しに行こうと車に乗ります。

その道すがら、ディクソンに警察を放火したのは自分だとミルドレットは告げます。ディクソンもそんなことわかっていたと話ます。そして、「本当に男を殺すのか?」とミルドレットに聞き、「行きながら考えよう」と答え、ミルドレットもディクソンに「本当に殺すのか」と問うと、ディクソンも「行きながら考えよう」と答え、映画が終わります。


見ごたえのある映画でした。

ディクソンとミルドレット二人がラストで分かり合っていく姿が印象深かったです。うまい脚本と演出、そして、最高の演技をする役者がそろった作品でした。

グレイテストショーマン(ネタバレ注意)

2018-02-26 10:44:50 | 映画
今回は映画「グレイテストショーマン」について。




主演はヒュー・ジャックマン。ミュージカル映画です。予告編を観て、どうしても観に行きたくなりました。でも、あんまり情報を入れないで行ってきました。できれば、皆さんも、あまり情報をいれないで観た方が良いかもしれません。



ここで内容を・・・



P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は妻(ミシェル・ウィリアムズ)と娘たちを幸せにすることを願い、これまでにないゴージャスなショーを作ろうと考える。イギリスから奇跡の声を持つオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)を連れてアメリカに戻った彼は、各地でショーを開催し、大成功を収めるが……。



と、書いてあります。


ほんと、この程度の内容だけで、作品を観てもらいたいです。その方が、オープニングの歌とダンス、カメラの撮り方など、感動が大きくなると思います。僕はオープニングだけで、持っていかれました(笑)。

あと、ザックエフロンが登場すること、僕は知らなかったので、そこはうれしかったですね。ゲイにも人気ありますし。

曲も良いし、サーカスという状況から様々な演出でみせるミュージカルシーンが今までのミュージカル映画には無い迫力を感じました。
それと、ミシェル・ウィリアムズの歌が上手くて、びっくりしました。やはり、演技のうまい人は歌もうまいんですね。

ただ、一つ気になったのが、オペラ歌手という設定の、ジェニーの歌。もちろんうまいのですが、オペラではないんですよね。舞台で歌うシーンなので、オペラ歌手として歌っているのですが、オペラの歌い方ではないのです。あの時代に、上流階級の人たちが好んでいた高尚な歌はオペラだったとは思うのですが、であれば、オペラをきちんと歌う方が良いと思うし、そうでなければ、オペラ歌手という設定を変えても良かったかもと、個人的に思いました。

でも、ラストまで、希望と勇気をもらえる作品で、大満足でした。

せひ、大きな劇場でご覧になってみてください。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。



















これ、もちろん事実に基づいた映画ということなので、バーナムが行った「ショー」がどんなものだったのかがわかります。様々なマイノリティ達(障害者、遺伝的に欠損している部位がある人、極端に背が低い、太っている、多毛、凄く背が高い、有色人種など)にスポットをあてて、それをショーにするのです。それに、様々な動物達を登場させます。それがサーカスのはじまりなのです。

今回の映画では、そのマイノリティ達にスポットをあてて、彼らが彼ららしさを大切にして、「自分は自分なんだ」ということを表現することが大事だと伝えています。ひげの女性がリードで歌う「this is me」はまさにそれがテーマです。

バーナムは周りからの誹謗中傷などにも、負けず彼らを守り、尊厳を与えていくのですが、あのオペラ歌手とのショーを各地で開催していくことで、彼らは自分たちよりオペラ歌手をバーナムが選んだと思ってしまい、心が離れる場面が出てきます。そして、追い打ちをかけるように建物を、バーナムたちのことを快く思っていない人達が放火してしまい、全てを失ってしまうのです。

でも、バーナムは彼らと再び、ショーを行う決意をします。彼らはすでに家族になっていたのです。

建物を再建するお金はありません。ですからテントを建てて、そこでショーを行うことにします。まさに現在のサーカスの始まりです。
ラストのナンバーも希望と勇気がつまって、感動的でした。

映画ならではの、ミュージカル映画です。

ただ、ヒュージャックマンも、ザックエフロンも脱ぎません(笑)。ちょっと残念