今回は映画「ジャコメッティ・最期の肖像」について。
監督はスタンリー・トゥッチ。僕は俳優さんとしても彼の演技が好きです。幅広い役をこなせるバイプレイヤーですから。でも、監督としてもこれが5作目なんですね。主演がジェフリー・ラッシュ。彼も役の幅が広く、演技がすごくうまいですよね。ですから、予告編を観たときから、観に行きたいと思っていました。
ここで内容を・・・
1964年のパリ。アメリカ人青年のジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は、芸術家アルベルト・ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)から肖像画のモデルを依頼される。快諾するロードだったが、すぐに終わるはずだった画の制作は、ジャコメッティの苦悩により終わりが見えなくなる。その過程でロードは、ジャコメッティの意外な素顔を垣間見ることになり……。
と書いてあります。
1~2日で終わるはずだった肖像画のモデルが、18日間にも及んでしまったのは、なぜか?ということをジャコメッティの素顔を通してコメディタッチで描いているのが、監督の手腕ですね。ジャコメッティ愛にあふれています。
芸術家っていろんな人がいると思うのですが、ジャコメッティはぜんぜん自分の作品に自信が無かったのだと感じました。どれも満足していない作品だと言って、何回も作り直し、書き直しを繰り返します。作品を作っているときにも、突然大きな声を出して(F○CK!とか)急にやめてしまったり、モデルになる人物との交流が好きだったり、すごく人間としても共感できる人物だと思いました。
そんなジャコメッティのやり方、どうやってこの肖像画である作品を終わらせるのか。
それは興味があれば、ぜひご覧になってみてください。
ロンドンで撮影されたとのことですが、パリにしかみえません(笑)。ちなみに、原作者のロード氏はゲイなのです。
これは代表的なジャコメッティの作品です。
ここからはネタバレです。ごらんになっていない方は絶対に読まないでくださいね。
ロードはジャコメッティの絵の作り方にある法則があることを見ぬきます。それは、詳細に顔を描いたあとに、大きな声をだして、また輪郭をグレーで塗りつぶし、再び輪郭から描いていくことでした。これを何回も繰り返しているんです。
ロードはさすがにNYに帰らなければならなくなったとき、グレーで塗りつぶさせないようにすればよいのでは?と思いつきます。そこで、ジャコメッティの右腕の弟の力もかりることにします。美術評論家のロード的には塗りつぶされる前でも、十分素晴らしい作品だとわかっていたから。
いつもの、グレーの絵の具をつけたその瞬間に、わざと椅子から立ち上がるロード。「ちょっと腰がいたくなって。腰を伸ばします」と。そこで、絵を覗きこみ、「素晴らしいですよ!」の言葉。すかさず弟が入ってきて、「デッサンも構図も良いね」と相槌を入れます。ジャコメッティもまんざらでもない様子となり(笑)、結果それで完成となりました。
ジャコメッティという人物、人間としても、魅力的だったと再認識した映画でした。
監督はスタンリー・トゥッチ。僕は俳優さんとしても彼の演技が好きです。幅広い役をこなせるバイプレイヤーですから。でも、監督としてもこれが5作目なんですね。主演がジェフリー・ラッシュ。彼も役の幅が広く、演技がすごくうまいですよね。ですから、予告編を観たときから、観に行きたいと思っていました。
ここで内容を・・・
1964年のパリ。アメリカ人青年のジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は、芸術家アルベルト・ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)から肖像画のモデルを依頼される。快諾するロードだったが、すぐに終わるはずだった画の制作は、ジャコメッティの苦悩により終わりが見えなくなる。その過程でロードは、ジャコメッティの意外な素顔を垣間見ることになり……。
と書いてあります。
1~2日で終わるはずだった肖像画のモデルが、18日間にも及んでしまったのは、なぜか?ということをジャコメッティの素顔を通してコメディタッチで描いているのが、監督の手腕ですね。ジャコメッティ愛にあふれています。
芸術家っていろんな人がいると思うのですが、ジャコメッティはぜんぜん自分の作品に自信が無かったのだと感じました。どれも満足していない作品だと言って、何回も作り直し、書き直しを繰り返します。作品を作っているときにも、突然大きな声を出して(F○CK!とか)急にやめてしまったり、モデルになる人物との交流が好きだったり、すごく人間としても共感できる人物だと思いました。
そんなジャコメッティのやり方、どうやってこの肖像画である作品を終わらせるのか。
それは興味があれば、ぜひご覧になってみてください。
ロンドンで撮影されたとのことですが、パリにしかみえません(笑)。ちなみに、原作者のロード氏はゲイなのです。
これは代表的なジャコメッティの作品です。
ここからはネタバレです。ごらんになっていない方は絶対に読まないでくださいね。
ロードはジャコメッティの絵の作り方にある法則があることを見ぬきます。それは、詳細に顔を描いたあとに、大きな声をだして、また輪郭をグレーで塗りつぶし、再び輪郭から描いていくことでした。これを何回も繰り返しているんです。
ロードはさすがにNYに帰らなければならなくなったとき、グレーで塗りつぶさせないようにすればよいのでは?と思いつきます。そこで、ジャコメッティの右腕の弟の力もかりることにします。美術評論家のロード的には塗りつぶされる前でも、十分素晴らしい作品だとわかっていたから。
いつもの、グレーの絵の具をつけたその瞬間に、わざと椅子から立ち上がるロード。「ちょっと腰がいたくなって。腰を伸ばします」と。そこで、絵を覗きこみ、「素晴らしいですよ!」の言葉。すかさず弟が入ってきて、「デッサンも構図も良いね」と相槌を入れます。ジャコメッティもまんざらでもない様子となり(笑)、結果それで完成となりました。
ジャコメッティという人物、人間としても、魅力的だったと再認識した映画でした。