今回は映画「25年目の弦楽四重奏」について。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/58/174966eecff788aff820016c9015f669.jpg)
この映画、ベートーヴェンの名曲、弦楽四重奏曲第14番をモチーフにしているのですが、第7楽章まであるこの楽曲、ずっと絶え間なく演奏していくと、調律がくるってくるらしいのです。でも、ベートーヴェンはいっさい途切れることなく演奏することを望んでいるのですが、それをすると不協和音が出てくる・・・。なんかテーマとして面白いと思ったので、観に行くことにしました。
ここで内容を・・・
ダニエル(マーク・イヴァニール)、ロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)、ジュリエット(キャサリン・キーナー)、ピーター(クリストファー・ウォーケン)から成る弦楽四重奏団は、結成25周年を迎えようとしていた。そんな折、チェリストのピーターがパーキンソン病を宣告され、引退を申し出たことで残されたメンバーは動揺する。それを機にライバル意識や家庭の不和など、それまでセーブされてきた感情や葛藤が噴出し……。
と書いてあります(笑)。
うまく均衡を保てていた、彼ら4人でしたが、ピーターの病気が引き金となり、もともと第2ヴァイオリンだったロバートは第1になりたいと言いだし、彼の妻はダニエルに師匠ということを超えて、愛も感じていたから、彼がやめるといった時には非常にショックで、なのに、自分の夫は自分を第1にという身勝手なことを言いだすことに腹が立ち、結果、夫は浮気し。第1ヴァイオリンのダニエルはロバートとジュリエットの娘にヴァイオリンを教えていくうちに、肉体関係をもってしまったり、どんどん不協和音が出てくるというおもしろさ。
第1と第2の違いは、演奏のうまさではなくて、向き不向きということがわかったのも、おもしろかったです。というのも、第1の良さを引き立てて、演奏に深みを出すのが第2らしいのです。これ、おもしろかったです。
あと、曲を理解するという時に、当たり前なのかもしれないけど、その作曲者の伝記を読んだり、その曲を作っていた時にはどういう感情だったのかを知ることがすごく大切とか。
クラシックの名曲がBGMで出てくるのもこの手の映画の楽しみですね。
ただ、演奏の場面がやはり、残念でした。演技はうまいのですが、やはり運指と弾いている時の感情の表れがどうしても「本当に弾いている」ようには見えないんですよね。これはいたしかたないことなのですが。
ラストは、ピーターが舞台で演奏している最中にやめて、代わりの女性を入れて(彼女も映画の中では名手)新しい4人で、演奏を始めるという演出も、良いなぁと思いました。
で、そのラストに、ロバートとジュリエットの娘が演奏会に来ていて、隣の座席にピーターがすわり、4人の演奏を聴くのですが、なんかすべてピーターが仕組んでいて、この新しい4人にさせる作戦があったのかなと思わせるエンディングでした。
派手な映画ではないですが、大人のちょっとドロドロしている世界を、うまくクラッシックという上質な素材でくるんで、下品にさせなかった監督がすごいと思いました。
気になったら、ご覧になってみてください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/58/174966eecff788aff820016c9015f669.jpg)
この映画、ベートーヴェンの名曲、弦楽四重奏曲第14番をモチーフにしているのですが、第7楽章まであるこの楽曲、ずっと絶え間なく演奏していくと、調律がくるってくるらしいのです。でも、ベートーヴェンはいっさい途切れることなく演奏することを望んでいるのですが、それをすると不協和音が出てくる・・・。なんかテーマとして面白いと思ったので、観に行くことにしました。
ここで内容を・・・
ダニエル(マーク・イヴァニール)、ロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)、ジュリエット(キャサリン・キーナー)、ピーター(クリストファー・ウォーケン)から成る弦楽四重奏団は、結成25周年を迎えようとしていた。そんな折、チェリストのピーターがパーキンソン病を宣告され、引退を申し出たことで残されたメンバーは動揺する。それを機にライバル意識や家庭の不和など、それまでセーブされてきた感情や葛藤が噴出し……。
と書いてあります(笑)。
うまく均衡を保てていた、彼ら4人でしたが、ピーターの病気が引き金となり、もともと第2ヴァイオリンだったロバートは第1になりたいと言いだし、彼の妻はダニエルに師匠ということを超えて、愛も感じていたから、彼がやめるといった時には非常にショックで、なのに、自分の夫は自分を第1にという身勝手なことを言いだすことに腹が立ち、結果、夫は浮気し。第1ヴァイオリンのダニエルはロバートとジュリエットの娘にヴァイオリンを教えていくうちに、肉体関係をもってしまったり、どんどん不協和音が出てくるというおもしろさ。
第1と第2の違いは、演奏のうまさではなくて、向き不向きということがわかったのも、おもしろかったです。というのも、第1の良さを引き立てて、演奏に深みを出すのが第2らしいのです。これ、おもしろかったです。
あと、曲を理解するという時に、当たり前なのかもしれないけど、その作曲者の伝記を読んだり、その曲を作っていた時にはどういう感情だったのかを知ることがすごく大切とか。
クラシックの名曲がBGMで出てくるのもこの手の映画の楽しみですね。
ただ、演奏の場面がやはり、残念でした。演技はうまいのですが、やはり運指と弾いている時の感情の表れがどうしても「本当に弾いている」ようには見えないんですよね。これはいたしかたないことなのですが。
ラストは、ピーターが舞台で演奏している最中にやめて、代わりの女性を入れて(彼女も映画の中では名手)新しい4人で、演奏を始めるという演出も、良いなぁと思いました。
で、そのラストに、ロバートとジュリエットの娘が演奏会に来ていて、隣の座席にピーターがすわり、4人の演奏を聴くのですが、なんかすべてピーターが仕組んでいて、この新しい4人にさせる作戦があったのかなと思わせるエンディングでした。
派手な映画ではないですが、大人のちょっとドロドロしている世界を、うまくクラッシックという上質な素材でくるんで、下品にさせなかった監督がすごいと思いました。
気になったら、ご覧になってみてください。