Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

フライトゲーム(ネタバレ注意)

2015-02-02 15:57:34 | 映画
今回は映画「フライトゲーム」について。




これも劇場公開の時には見逃していた作品でした。

主演はリーアムニーソン、飛行機のなかでの密室スリラーということで、期待して観ました。


ここで内容を・・・




ニューヨークより146人の乗客乗員が搭乗した、ロンドンへと向かう旅客機。その警備を任されている連邦保安官ビル・マークス(リーアム・ニーソン)のもとに、1億5,000万ドルを指定口座に入金しなければ20分おきに機内の人間を1人ずつ殺害するという異様な犯行予告メールが届く。限定されたネットワークからメールが送信されたことから同僚が犯人ではないかと思いつつ、犯人の特定に奔走するビル。そしてメールの内容通りに、機内で1人ずつ人が命を落とす。やがて、地上から犯人が指定した口座はビルのものであることが判明する。



と書いてあります(笑)。


監督は「アンノウン」でもリーアムニーソンと組んだジャウム・コレット=セラ監督。蝋人形の館も彼の作品だったんですね。知らなかった(笑)。

リーアムニーソンって、けっこうカメレオン俳優だと思っていたのですが、この頃特に96時間あたりから、おじさんアクション俳優になってしまった感じがしています。個人的にはもっと演技力がいかせるドラマにも出てもらいたいのですが。

さて、このお話し、のっけから怪しさ満点。主役のマークスは酒浸りで、仕事はなんだかやりたくなさそうだし、ジュリアンムーア演じるジェンは窓側の席にこだわるし、ほかの客にも怪しそうなのがてんこ盛り(笑)。最初の空港の中でマークスがであう人物の中に犯人いますよ~。

なので、あやしい人物にはいちいち要チェックしてください。

犯人とのメールのやり取りが、こちらにも画面として現れるのはおもしろい演出だと思いました。

20分ごとに死んでいくのですが、最初はなんとマークスが殺すという(なんで殺すのかは、映画をみてのお楽しみ)始まりから、ぐいぐい引き込まれていきます。

しかも、話の展開の中で、地上では、マークスがハイジャック犯人に仕立て上げられてしまうのも、面白いです。

この手の映画は、なんの予備知識なく、ただただ、物語の進行に合わせて、ドキドキして観ることをお勧めします。


ここからは、ネタバレですから、ごらんになっていない方は絶対に読まないでくださいね。















で、このメールの主がだれかというのを最初から最後までさがすっていうこの大きな流れから、いろいろと話が膨らんでいくんですよね。最初に、マークスが殺すことになるのが、同僚の連邦保安官、彼は自分が陰でおこなっている麻薬の密輸が犯人にばれていて、マークスを殺すように、脅されているんです。まぁでもマークスが死ぬわけないので、ここはトイレで死んでもらうことに。そして、彼のカバンからは、ヘロインがみつかります。

ここで、またタイマーが20分に戻ります。次に殺されるのが、なんと機長!この機長もなんか怪しいと思っていたけど、何か毒をもられてコックピットで死んでしまいます。これは、後からわかるのですが、トイレの中にある棚を外すとコックピットの中が見えるようになっていて、そこから、吹矢のようなもので殺したことがわかります。そのトイレに入っていたのが、ジュリアンムーア!彼女も怪しいところいっぱいなんですよね。わざとマークスの隣に来たんじゃないかとかね。

ここまでくると、マークスは客を全員調べていくことにするんですよね。まぁ、ここでお約束の客の中にマークスに抵抗しようとする客たちが出てきます。彼らの中にニューヨーク警察の刑事が入っています。彼も怪しい?

あと、その一人に空港でマークスに「アムステルダムに行く」と言っていた人物がいます。マークスは彼が怪しいとして、彼を拘束してしまうのです。


マークスは客の一人が、コンピューターに詳しい人物がいることを、ジュリアンムーア演じるジェンから聞いて、彼にメッセージを送ってくる人物の携帯が誰のものかを確かめる方法を聞きます。自分に送ったメッセージを転送できるようにするのです。そして、その着信音が聞こえるとそれが犯人だと。

客全員に手をあげさせて、操作ができないようにしたところで、銃をつきつけながら調べていきます。

と、拘束された男が、実は飛行機に乗る前にある男から頼まれて、この飛行機に乗ることにしたと白状します。

この拘束された男にその、男を探させるマークス。その途中、ある男に彼は「この男だ」と言うのです。とその時、着信の音が鳴ります。マークスはその着信の音のなる携帯を持っている別の男に詰め寄ります。彼は「これは自分の携帯ではない、みたことない」と言うのですが、突然泡を吹いて倒れ、そのまま死んでしまうのです。


そして、さらなるメッセージが届きます。彼が最初にころした同僚が密輸しようとしたヘロインの下に時限爆弾があることを。

ここから話しは急展開。

爆弾はすでにカウントダウンが始まっています。はやく犯人を見つけないと、全員死亡することに。

マークスは自分が地上でハイジャック犯と言われていることに気づくのですが、それは客の一人がスマホで録画した映像がネットにアップされたことによることだとわかります。

彼はその若者が録画した画像をもう一度見直しました。

すると、拘束された男を連れて座席を移動していたときに、その男が携帯をもっていて、泡を吹いて死んだ男の前を通るときに、わざと転んで、いることに気がつきます。この男が、彼に携帯をいれて、毒をしこんだとわかりました。

さぁ犯人もわかりました。

この犯人なぜ、こんな犯罪をしたのかというと、マークスが酒浸りになる原因の飛行機事故で亡くなった父親をもつ息子だったからです。彼はもっとマークスがしっかりしていれば、こんなことにはならなかったと逆恨みでの犯行(笑)。

そして、なんと彼には協力者がいたのです。それが、コンピューターに詳しいとして、メッセージの転送をしてくれた黒人の青年。

彼は、お金で雇われた人物で、金が振り込まれたら、パラシュートで逃げるつもりだったのです。

犯人の男は、最初から金が目的ではなく、マークスを殺したかったのです。ですから、爆弾も解除することはできないようになっています。


まず、黒人の青年を倒した、マークスは犯人と戦うのですが、ここで、銃が窓ガラスにあたって、気圧に変化がでたり、ハイジャックされたと思った地上の軍が、戦闘機でぴったりマークして、撃墜の準備はしてくるし、大変に(笑)。

マークスがなんとか犯人を射殺します。

ここからは爆弾をどうするかに、視点が移ります。

爆発することは間違いないので、爆弾を一番後ろの出入り口に置き、そこへ客のスーツケースなどを積み上げ、少しでも、機内の損傷をくいとめるようにします。

そして、一気に急降下して爆発して期待に穴があいても、気圧の変化が生じずらいところまでいって、爆発させる作戦。

映画ですからねぇ(笑)。なんだかんだでうまくいく。爆発の時に倒したはずの黒人の青年が逃げようとするのですが、爆破の炎に包まれて爆死するのもおもしろい。


最後はアイスランドの空港に不時着して、一件落着。

ジュリアンムーアとちょっと仲良くなってみたりするのも、御愛嬌。


テンポもあり、なかなかおもしろい作品でした。








Lucy(ネタバレ注意)

2015-02-02 15:56:49 | 映画
今回は映画「Lucy」について。
監督はリュックベッソン、主演はスカーレットヨハンソン、脇にモーガンフリーマン。面白そうだったのですが、劇場公開の時に見逃してしまって、別な方法で観ました。




ここで内容を・・・



マフィアの闇取引に巻き込まれたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、特殊な薬が入った袋を体に埋め込まれ運び屋にされてしまう。しかし、体内で薬が漏れたことで彼女の脳機能は驚異的に覚醒。脳科学者ノーマン博士(モーガン・フリーマン)が見守る中さまざまな能力が超人的に目覚める一方、少しずつ人間性が喪失し、自らを制御できなくなっていく。



と書いてあります。


予告編は大変面白そうだったので、結構期待してみたんです。前半から中半までくらいはスカーレットヨハンソンがどんどん変化していって(女優さんってすごいなぁと感心するくらいでした)。その能力が開花してくる様子が面白かったんです。あと、脳の機能が100パーセント使用されるとどうなるっていうことを、映像で見せてもらえる期待感もありました。

韓国マフィアがからむっていうのも、なかなか面白かったし。


最初の方で、その薬を覚せい剤のように二粒だけ吸引した男が、異常になってしまうシーンがあります。ルーシーは取引の現場でお腹を蹴られてしまって、胃の中の袋が破れて結構な量の薬が吸収されてしまうのです。その方が脳の覚醒には良かったっていうことなんですね。

どんどん能力があがっていって、痛みもコントロールされていくから、医者に自分の胃の中の袋を摘出させる時にも、無麻酔で行うっていうところも、なかなか面白い。

たぶん、この映画の賛否が分かれるところは、ラストの考え方だと思います。

僕は、「こういう終わり方なんだ~」っていうふうに感じました。哲学的な感じのするラストです。



ということで、興味がある方はぜひご覧になってみてください。


ここからはネタバレですから、ごらんになっていない方は読まないでくださいね。





















で、ルーシーはどんどんその能力を覚醒していきます。言語の習得、携帯電話の通話などもすべて聞こえてしまいます。そして、自らの髪の色までも、変化させてしまいます。

彼女は他の運び屋がどこに行くのかを確かめ、それをフランスの警察に伝え、彼らをとらえさせるのです。
フランスに向かう飛行機のなかで、彼女の体が崩れていきそうになるシーンがあります。ルーシーはあわててあの薬をトイレで食べるのですが、これ、ちょっとわからないなぁと思いました。もし、あのままだったら、体が壊れてしまったということなのでしょうかね。

一方、韓国マフィアも黙っていはいません。もちろんあの薬を追って、フランスにやってきていました。なんとしてもとらえて、あの薬を奪還しないといけないから。結局お腹にいれられた3人はフランスにつれてこれられるのですが、韓国マフィアに殺されてしまいます。あの薬はルーシーのおかげて、奪われることはなかったのですが。

ルーシーにはもう怖いものなどありゃしない(笑)。人をいとも簡単にあやつり、動けなくさせてしまいます。しかし、自分でも言っていましたが、「人間らしさが消えていく」と。

脳研究の博士ノーマンのところにやってきたルーシー。自らを実験してもらうために。そこに韓国マフィアも。

ルーシーは100パーセントの脳覚醒をはたすと、時間や空間までも、超越した存在となっていくのです。彼女の体は変形し、手足が木の枝のように伸び、コンピューターと融合し始めます。

ただ傍観するだけのノーマン博士たち。そこへ、韓国マフィアのボスがついに乗り込んできました。

ルーシーの頭に銃口をつきつけて、引き金を引いた瞬間、ルーシーの姿は消えてなくなってしまうのです。

ルーシーはどこに行ってしまったのか。

フランス警察の刑事のスマートフォンにメッセージが入ります。

「わたしは、すべてのところにいる」と。

彼女は体と言う概念すら飛び越えて、自分を拡散することになったのです。


このラスト、ちょっとトランセンデンスっぽいなぁとも思いました。コンピューターの中で生きていくっていうところが。

でも、こんな話、よく考えると思いました(笑)。

ちょっとすると、かなりくだらない映画になってしまうところを、ギリギリでうまくみせるのはリュックベッソンなのでしょうか。

スカーレットヨハンソンも、映画の大半を無表情で過ごすという、なんとも贅沢なつくり方。

このラスト、どう感じますか?