今回は映画「鑑定士と顔のない依頼人」について。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/df/965fd3fcaf60f597609c45cdae72e43b.jpg)
監督は海の上のピアニストのジュゼッペ・トルナトーレ。主演はシャインのジェフリーラッシュ。なんとも豪華です。ミステリーということで観に行ってきました。
ここで内容を・・・
天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の両親が遺(のこ)した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。
と書いてあります(笑)。
もともと、監督がこの作品を撮るときに、主人公は話が決まる前からジェフリーラッシュに決めていたそうです。それだけ、彼のイメージにぴったりな役でした。
鑑定士という仕事、全く知らなかったので、とても面白かったです。ヨーロッパの古いお家には、いろんなものがあるからなんですね。きっと日本でも旧家なんかではそういうことが行われているのかもしれませんが。
この映画、観終わって、「え~っ!」となるんです(笑)。そして、もう1回観たくなる映画です。様々な複線が張られているのですが、それが観終わってからわかるという仕組み。
共演にドナルドサザーランドが出ているのですが、これ、かなりキャスティング的にキーポイントなんです。
これ以上は言いません。すごく面白いというか、インパクトのある映画で、成功をつかんでいた男の、切ない幕切れに酔いしれてみてください。ミステリーがお好きな方、ヨーロッパの絵画や彫刻などに興味がある方、おすすめいたします。
ここからはネタバレです。ぜったいぜったい、ご覧になる前には読まないでくださいね。
で、この主人公ヴァージルは、誠実そうに見えていて、実は陰で、自分の好きな作品を贋作と偽ったり、友人の画家(これがドナルドサザーランド)と手を組んで、自分のコレクション(有名な画家の情勢の肖像画)を安い値段で手に入れたりと、自分のことが相当好きというか、他人とうまくコミュニケーションできない人物。当然生身の女性とは恋愛や肉体関係もありません。そんな彼が顔を出さない依頼人に、興味をもち、覗き見して、その美しさと、彼女の精神疾患である、広場恐怖、対人恐怖に同情して、彼女をどんどん好きになっていくあたり、うまいんですよね。
で、この不慣れな恋愛を手助けしてくれるのが、修理屋のロバート。彼は女たらしなので、恋愛のテクニックをヴァージルに教えていくんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/ed/20f4d14bd1d51ef7d9ff77710bde2ec8.jpg)
女性との初体験も済まし、恋愛にはまっていくヴァージル。彼女も精神疾患を克服し(外にでれなかったのですが、ヴァージルが家の前で暴漢に襲われ、それを助けるために17年ぶりに家をでます)、二人は一緒に暮らすまでに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/bd/f198b2b47dd37742fa1000877279d56b.jpg)
ここで、彼女の家から少しずつでてくる、「オートマタ」という古い機械仕掛けのロボットのような人形の部品が意味をなしていきます。これを修理しているのもロバートなので、必然的に、ヴァージルは彼のもとを頻繁に訪れます。このオートマタは歴史的に見ても非常に価値の高い作品とヴァージルは知っているのです。でも彼女の家で残りの部品を観たときに「大したことない」と言うんですよね。ここに、また彼の狡さが見えます。
でも、彼女と幸せになって、ロバートたちとも顔見知りになって、クレアも楽しげに暮らし、ヴァージルは仕事をやめてクレアと一緒にいつまでも暮らそうと思うようになっていきます。そして、あの誰もいれなかった自分のコレクションの部屋に彼女を入れるんです。そこにはすべて本物の歴史的に価値の高いものばかりが飾られています。
ヴァージルはイギリスでの最後の仕事のために家を離れます。
そして、家にもどって、クレアをさがすと、どこにもいません。
最後にコレクションのある、部屋に入って、彼は愕然とします。
そう、すべての絵が持ち去られていたんです。
つまり、クレアもロバートも、そして、ヴァージルが親友と思っていたドナルドサザーランド演じるビリーもヴァージルをだまして、コレクションをすべて盗むために、グルだったということがラストでわかります。
ビリーは画家だけど、ヴァージルに「才能がない」と言われて、彼のコレクションを手に入れるための手助けをして、手数料をもらっている生活を送っていたのです。ヴァージルは自分のコレクションを増やすために、なかりあこぎなことをしていたので、その片棒を担いていたこともビリーは嫌だったのかもしれません。
きっとビリーが計画をたてて、ロバートも引き入れ、クレア(これも本名ではないみたい)を使って、ヴァージルを陥れたのだと思いました。
ラストは、クレアが以前話していた、喫茶店で彼女の登場を待つヴァージルの姿で終わります。
実は、クレアは本当に彼のことを好きになって、そこで待ち合わせしているのか、単なる彼の妄想か、観る者にその判断がゆだねられるラストです。
これをわかってもう1度観てみると、いろいろわかることが多いから、「ユージュアルサスペクツ」のような映画です。
いや~、あの絵で埋まった部屋の壁がなんにもなくなっていた時のインパクト!
おそれいりました(笑)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/df/965fd3fcaf60f597609c45cdae72e43b.jpg)
監督は海の上のピアニストのジュゼッペ・トルナトーレ。主演はシャインのジェフリーラッシュ。なんとも豪華です。ミステリーということで観に行ってきました。
ここで内容を・・・
天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の両親が遺(のこ)した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。
と書いてあります(笑)。
もともと、監督がこの作品を撮るときに、主人公は話が決まる前からジェフリーラッシュに決めていたそうです。それだけ、彼のイメージにぴったりな役でした。
鑑定士という仕事、全く知らなかったので、とても面白かったです。ヨーロッパの古いお家には、いろんなものがあるからなんですね。きっと日本でも旧家なんかではそういうことが行われているのかもしれませんが。
この映画、観終わって、「え~っ!」となるんです(笑)。そして、もう1回観たくなる映画です。様々な複線が張られているのですが、それが観終わってからわかるという仕組み。
共演にドナルドサザーランドが出ているのですが、これ、かなりキャスティング的にキーポイントなんです。
これ以上は言いません。すごく面白いというか、インパクトのある映画で、成功をつかんでいた男の、切ない幕切れに酔いしれてみてください。ミステリーがお好きな方、ヨーロッパの絵画や彫刻などに興味がある方、おすすめいたします。
ここからはネタバレです。ぜったいぜったい、ご覧になる前には読まないでくださいね。
で、この主人公ヴァージルは、誠実そうに見えていて、実は陰で、自分の好きな作品を贋作と偽ったり、友人の画家(これがドナルドサザーランド)と手を組んで、自分のコレクション(有名な画家の情勢の肖像画)を安い値段で手に入れたりと、自分のことが相当好きというか、他人とうまくコミュニケーションできない人物。当然生身の女性とは恋愛や肉体関係もありません。そんな彼が顔を出さない依頼人に、興味をもち、覗き見して、その美しさと、彼女の精神疾患である、広場恐怖、対人恐怖に同情して、彼女をどんどん好きになっていくあたり、うまいんですよね。
で、この不慣れな恋愛を手助けしてくれるのが、修理屋のロバート。彼は女たらしなので、恋愛のテクニックをヴァージルに教えていくんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/ed/20f4d14bd1d51ef7d9ff77710bde2ec8.jpg)
女性との初体験も済まし、恋愛にはまっていくヴァージル。彼女も精神疾患を克服し(外にでれなかったのですが、ヴァージルが家の前で暴漢に襲われ、それを助けるために17年ぶりに家をでます)、二人は一緒に暮らすまでに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/bd/f198b2b47dd37742fa1000877279d56b.jpg)
ここで、彼女の家から少しずつでてくる、「オートマタ」という古い機械仕掛けのロボットのような人形の部品が意味をなしていきます。これを修理しているのもロバートなので、必然的に、ヴァージルは彼のもとを頻繁に訪れます。このオートマタは歴史的に見ても非常に価値の高い作品とヴァージルは知っているのです。でも彼女の家で残りの部品を観たときに「大したことない」と言うんですよね。ここに、また彼の狡さが見えます。
でも、彼女と幸せになって、ロバートたちとも顔見知りになって、クレアも楽しげに暮らし、ヴァージルは仕事をやめてクレアと一緒にいつまでも暮らそうと思うようになっていきます。そして、あの誰もいれなかった自分のコレクションの部屋に彼女を入れるんです。そこにはすべて本物の歴史的に価値の高いものばかりが飾られています。
ヴァージルはイギリスでの最後の仕事のために家を離れます。
そして、家にもどって、クレアをさがすと、どこにもいません。
最後にコレクションのある、部屋に入って、彼は愕然とします。
そう、すべての絵が持ち去られていたんです。
つまり、クレアもロバートも、そして、ヴァージルが親友と思っていたドナルドサザーランド演じるビリーもヴァージルをだまして、コレクションをすべて盗むために、グルだったということがラストでわかります。
ビリーは画家だけど、ヴァージルに「才能がない」と言われて、彼のコレクションを手に入れるための手助けをして、手数料をもらっている生活を送っていたのです。ヴァージルは自分のコレクションを増やすために、なかりあこぎなことをしていたので、その片棒を担いていたこともビリーは嫌だったのかもしれません。
きっとビリーが計画をたてて、ロバートも引き入れ、クレア(これも本名ではないみたい)を使って、ヴァージルを陥れたのだと思いました。
ラストは、クレアが以前話していた、喫茶店で彼女の登場を待つヴァージルの姿で終わります。
実は、クレアは本当に彼のことを好きになって、そこで待ち合わせしているのか、単なる彼の妄想か、観る者にその判断がゆだねられるラストです。
これをわかってもう1度観てみると、いろいろわかることが多いから、「ユージュアルサスペクツ」のような映画です。
いや~、あの絵で埋まった部屋の壁がなんにもなくなっていた時のインパクト!
おそれいりました(笑)。