Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

告白(ネタバレ注意)

2010-06-16 14:49:45 | 映画
今回は今公開している映画「告白」について。

これ、原作を読んだのですが(映画を観る前に)、これがいったいどんな映画になっているのかを確かめたくて、観にいきました。

ここで内容を・・・

女教師・森口悠子の3歳の一人娘・愛美が、森口の勤務する中学校のプールで溺死体にて発見された。数ヵ月後、森口は終業式後のホームルームにて「私の娘はこの1年B組生徒二人に殺されたのです」と衝撃の告白をし、ある方法にてその二人の生徒に復讐する。そして4月、クラスはそのまま2年生に進級。犯人のひとりAはクラスのイジメの標的になっていた。そして、もうひとりの犯人Bは登校拒否し、自宅に引きこもっていた…。

とあります(笑)。

で、小説はこの事件についてそれぞれの登場人物が自分の言葉で、語っていく方法をとっていきますが、映画もほぼ一緒(笑)。特に最初の20分くらいのホームルームのシーンは主演の松たか子が一人でずっと話しをしています。監督は中島哲也。どうやら下妻物語や嫌われ松子の一生の監督なんですね。僕はこの2本とも観て無いのでなんともいえないのですが、この作品については、かなり原作に近い形にこだわっているような気がします。

いまどきの中学生ってこんな感じなんですかね(笑)。多動性障害みたいな子供ばかりで(笑)。ぜんぜんじっとしてないし。

原作を読んでも、なかなか楽しめるし、読まなくても「へぇ~、こんなオチ!」って感じるかもしれません。劇場じゃなくてもDVDでもいいと思いますが、一見の価値はあると思います。


ここからはネタバレです。ごらんになっていない方は読まないでくださいね。







この教師の復讐ていうのが、大きなテーマなんですが、まず、牛乳にHIVに感染した血液を混入させそれを飲ませるっていう方法。精神的なショックは大きいでしょうねぇ。これで感染するこれて感染する確立はすごく低いけど(笑)。そして、最後の爆破。これ自分を天才少年と思っていた、犯人の渡辺が自分の母親に本当に捨てられていた(それまでは、離れても自分を思ってくれていると思っていた)ことに、気がつき学校に爆弾を仕掛けるのですが、これをこの教師が解除し渡辺の母親が勤める大学の研究所にしかけて、渡辺自身にスイッチを押させ(自分も学校のみんなと一緒に死ねば、母の目にとまると思ってスイッチを押すのですが、当然爆発なんておきない)母親を殺すという爆破。
これ僕、小説を読んでいるときは「爆破したっていうのはウソかも」って思って読んでました。今回も爆破のシーンは渡辺の想像のように出てきます。松たか子は電話でその状況を伝えているだけですから。

というように、小説は本人の発言だけでできてるから、こういう「ウソついてる」っていうことも思ってしまう。これがこの小説のおもしろさだと思うんですよね。これは実際に映像を使ってみせていくと、薄れてしまうと思います。ラストはそこをうまく処理したなって感じになってます。

全体的に色調も抑えていて、そこもうまくいっていると思います。

にしても、いまどきの中学生っておっかねぇ(笑)。

アリスインワンダーランド

2010-06-05 18:49:44 | 映画
今回は、今公開している映画「アリスインワンダーランド」について。

これ、実はそんなに見たいって思ってなくて(笑)、なんとなく観るものがないから観に行ってきました(笑)。

内容はみなさんご存知のとおり(笑)なので、割愛させていただきます(笑)。不思議の国のアリスのその後です(笑)。17歳のアリスが再びワンダーランドに行きます。そして、冒険します(笑)。

でね、これティムバートンとジョニーデップなんだけど、あんまりティムらしさが無いというか、むしろオリジナルのアリスのイメージを大切にしている作品だなって思いました。出てくるキャラクターなどの造形もティムの感じもありつつ、原作のイメージなんですよね。これはこれでいいんだけど、なんとなく物足りないというか(笑)。ヘレナボナムカーターの赤の女王が顔がでかいっていうのは、すごくよかったけど(笑)。だから、スゥニーニートッドのようなインパクトがないし、ビッブフィッシュのようなティムらしいファンタジーの良さもあんまりないし(笑)、チャーリーとチョコレート工場のような独創的な世界観もあんまりないし(笑)。

なんとなく中途半端な感じはどうしてもぬぐえませんでした(笑)。ただ。森の木々の形がすごくティムっぽい(笑)。

ジョニーデップのファンで、ティムバートンの盲目的なファンであれば、いいのかもしれませんが、僕はすごく楽しめたっていう感じではなかったというのが、本音です(笑)。

まぁ、劇場で観た方が迫力もあっていいのかもしれませんが、DVDでもいいかも(笑)。

オーケストラ(ネタバレ注意)

2010-06-04 17:02:16 | 映画
今回は、今公開している映画「オーケストラ」について。

これ、札幌でも、一つの映画館でしかやってないし、きっと全国的に見ても公開している映画館は少ないかもしれません。フランス映画ですし(笑)。でも、とっても感動した映画なので、どこかでやってたら観てほしい作品です。

ここで、内容を。

30年前のロシア。ユダヤ人をかばったことで(同じ楽団の仲間)、楽団を解散させられ、今は劇場の清掃員をやっている元有名な指揮者アンドレが、あるとき偶然パリのトレネ劇場からのFAXを目撃します。それは、ボリショイ楽団に出演の以来のFAXでした。アンドレは自分達の楽団員を再度集め、パリで演奏を試みるという計画をたてます。そして、曲目は忘れもしない、30年前に途中で演奏を止められたチャイコフスキーのバイオリン協奏曲。これにアンドレが執着する理由と、今回のソリストに選んだバイオリニストのアンマリーとの関係は・・

ロシアの元楽団員たちが、たった3日のパリ滞在なのにそこで商売をしようとしたりアルバイトをしようとして、まったくリハーサルにも顔を出さないなどのコメディの形をとりながら、人種問題をからめて、しかもチャイコフスキーのバイオリン協奏曲のカッコよさを前面に出して、最後、僕は号泣してしまいました(笑)。すばらしい作品だと思います。ぜひ、ごらんになってください。


ここからはネタバレですから、ごらんになってから読んでください。









30年間のプレジネフ時代。ユダヤ人にたいする迫害がまだ存在してる時代だったんですよね。この30年間の演奏の時のバイオリニストのレアという女性をかばって、彼らは解散させられたんです。このレアにはユダヤ人の夫(彼も楽団員)もいて、まだ小さい赤ちゃんもいました。この赤ちゃんを収容所に移される前に隣人だったアンドレに渡し、アンドレが知人を通じて、フランスに亡命させたんです。この赤ちゃんが今回のソリスト、アンマリーというわけ。彼女は両親が交通事故で死んだといわれて育っていたのですが、両親の顔さえ知らないということから、なんとか知りたいと思っているんです。最後はその母親がレアだったとわかっていくんですが、ここで、12分間のバイオリン協奏曲の演奏とともに、わかっていき、アンマリーが泣きながら、すばらしい演奏をしていくという演出がすごい感動を呼ぶんですよね(笑)。ここで、僕は演奏のすばらしさとストーリーの理解が入って、もう涙がとまらない状態に(笑)。

派手な映画ではないですが、クラシックが好きで、感動したいという方にはオススメします。

「のだめ」もいいかもしれませんが(笑)。

グリーンゾーン

2010-06-01 18:40:50 | 映画
今回は今公開している映画「グリーンゾーン」について。

これ、ボーンシリーズのコンビ、マットデイモンとポールグリーングラス監督の作品。やはり期待してしまうのは、アクションですね(笑)。

ここで、内容を少し・・・

ロイ・ミラー(マット・デイモン)と彼の部隊は、砂漠地帯に隠された大量破壊兵器の行方を追う極秘任務に就くが、国防総省の要人によって手掛かりを奪われてしまう。国防総省の動きを不審に思った彼は、同じ疑念を抱いていたCIA調査官ブラウン(ブレンダン・グリーソン)と共闘することに。部隊を離れ単独で調査を開始し、執ような妨害工作に苦しみながらも謎の核心に迫っていく。

と書いてあります(笑)。


でね、これフィクションなんだけど、ほんとうはこうだったのかもって思わせてしまう演出がなかなかです。やっぱ、大量破壊兵器なんてなかったんだよ~って(笑)。ほんと、まったくアメリカって国は(笑)、目的のためならなんでもするんだなって感じさせてしまうほど。きっとオバマ大統領になったからこんな映画を作ることができたんだなって思います。痛烈なブッシュ批判(笑)。ちらっとテレビ画面に映る彼がなんとなく滑稽に見えてしまうのもおもしろいです。
ハートロッカーもリアルな戦争映画ですが、リアルさは負けてないですよ~。ただ、マットデイモンってところが、ハリウッド映画って思わせてしまうのですが(笑)。

戦争映画も英雄を扱うってことより、よりリアルなストーリーにどんどん進化しているようです。
今後はどんな戦争映画が出てくるのか、楽しみですね。