Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

スリービルボード(ネタバレ注意)

2018-02-26 17:10:07 | 映画
今回は映画スリービルボードについて。



予告編から、絶対観たいと思っていました。結末がどうなるのかがすごく気になってしまって。

内容は・・・




ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。




と書いてあります。




いや~、出演者全員がものすごくうまい!日常にある人間の憎悪。これが連鎖のようにつながっていく様をリアルに描いています。署長の部下をサムロックウェルが演じているのですが、短気で頭の悪い男を本当にうまく演じています。彼の行動がミルドレットを加熱させていきます。ミルドレットの息子、広告看板屋、元旦那とその彼女、ミルドレットを思う小人症の男。人間って全て悪い人、全て良い人ではないということを見せつけられます。

なるべく予備知識なく、観てください。単調な映画といえばそうかもしれません。現に僕の隣の女の子(多分20代)達は終わった後に「中盤から寝ちゃった」っという発言が(笑)。僕はおもしろくてどんどん引き込まれてしまって、寝るなんてとんでもないと思っていたのですが・・・。

でも、こういった作品が好きな方であれば、ぜったい気に入ると思います。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は絶対に読まないでくださいね。




























そもそも、ミルドレットの娘レイプされて、焼き殺されるという無残な死を遂げてしまったことは、ミルドレットが娘に車を貸さずに歩いていかせたことが原因の一つでもあります。なのでミルドレットは自責の念に堪えません。また、警察署長は自分が癌で余命がもう少ないことで、自殺してしまいます。その時、ミルドレット、部下のディクソン(サムロックウェル)、自分の妻に手紙を残します。ですが、小さな田舎町、署長の自殺はミルドレットが追いつめたせいだと署長をしたう人たちから、妨害を受け始めるのです。そして、もっとも署長を慕っていたディクソンはその怒りを広告看板屋にむけ(撤去しなかったから)、殴った後彼を窓から放り投げてしまうのです。そして、何者かが看板に火を放つのです。

それに怒ったミルドレットは当然看板への放火もディクソンのしわざと思い、警察署に火炎瓶を投げ込みます。

たまたま居合わせたディクソン。その時かれは署長からの手紙を読んでいたのです。そこには署長がディクソンに「もっと愛をもって相手に接しなさい」と書かれていました。衝撃を受けるディクソン。ヘッドフォンで音楽を聴いていたために、火災に気づくのが遅れ、大やけどを負いますが、ミルドレットの娘のファイルを守り外に逃げます。ミルドレットにも署長からの手紙が渡されます。そこには自分が自殺するのは彼女のせいではないことが書かれ、看板の費用を1か月分負担するとも書かれていました。

ミルドレットと小人症の男(彼が警察に放火があったときにミルドレットと一緒にいたと証言しています)が食事をしていると、そこへ元亭主とその彼女が現れます。もと亭主があの看板を燃やしてやったと証言します。署長が好きだった元亭主。ミルドレットのせいで自殺したと思い、それを不満に思ってのことだったと。でも、亭主が自分の彼女の言葉として、「悪は悪を来す」とミルドレットに伝えます。

その言葉にミルドレットは自分が憎悪を捨てないと、どんどん状況が悪化してしまうと悟るのです。


ディクソンは看板屋を投げ落としたことで、警察からはバッジと銃を押収されますが、署長からの手紙で回心し、ミルドレットの娘を殺した犯人を独自に探そうとするのです。
ディクソンは酒場で、レイプした女を燃やしたという話をしている男に出会います。彼に近づき彼の顔をひっかくディクソン。当然、殴られけられの暴行を受けます。ですが、ディクソンはボロボロになりながら家に戻ると、その爪についていた皮膚のサンプルをとり、警察にわたすのです。DNA鑑定してもらうために。
ミルドレットのもとを訪れたディクソンは犯人と思われる人物が特定されるかもしれないと告げます。
しかし、その男は犯人ではなかったのです。犯行当時、戦地に赴いていたことがわかり、DNAの型もあわなかったのです。
ディクソンはミルドレットに電話をかけ、違ったと告げますが、この男はレイプ魔であることに違いないから、彼を一緒に殺そうと話します。
ミルドレットと二人、その男を遠い町まで殺しに行こうと車に乗ります。

その道すがら、ディクソンに警察を放火したのは自分だとミルドレットは告げます。ディクソンもそんなことわかっていたと話ます。そして、「本当に男を殺すのか?」とミルドレットに聞き、「行きながら考えよう」と答え、ミルドレットもディクソンに「本当に殺すのか」と問うと、ディクソンも「行きながら考えよう」と答え、映画が終わります。


見ごたえのある映画でした。

ディクソンとミルドレット二人がラストで分かり合っていく姿が印象深かったです。うまい脚本と演出、そして、最高の演技をする役者がそろった作品でした。

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