台風21号による京都府乙訓地域の農業被害の概要がこのほど分かった。特産の「京都ナス」や稲など農作物に被害が出たほか、農業施設はビニールハウス(パイプハウス)など計80棟が全壊や損壊した。
農作物は長岡京市の収穫最盛期の秋ナスが大きな被害を受けた。同市で開発されたナス「千両二号」を、長岡京茄子(なす)部会の農家18軒が1・8ヘクタールの畑で栽培していたが、強風で丈夫な鉄製の支柱ごと木が大きく傾き、実が葉や枝などにすれて傷つくなどで大半が出荷できなくなった。
同市今里の畑で被害状況を確認していた同部会長の若林和彦さん(65)は「これまでも台風被害はあったが、これほどひどいのは初めて。猛暑を乗り越え出荷を楽しみにしていたのに」と落胆。木を立て直しても新たな収穫は11月の終盤近くになってからで量も少なく、若林さんは「大変な作業が必要で、気力がうせてしまう」と表情を曇らせた。
同市は14日、農業施設の被害で発生した廃棄物の無料収集を同市今里2丁目の今里集出荷場で実施。農家22軒がパイプハウスの破損したビニールや農業用倉庫のなみ板やトタン板、木材などを持ち込み、積載量2トンのトラックに次々と積み替えた。廃棄物は約10トンに達した。
農業施設の全壊から小破の被害数は同市がパイプハウス12棟と鉄骨(ガラス)ハウス2棟、農業用倉庫9軒。向日市はパイプハウス16棟、ガラスハウス3棟、農業用倉庫30棟。大山崎町はパイプハウス5棟、農業用倉庫3棟となった。
【 2018年09月16日 13時14分 】
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