日電産、まちづくりへ覚書 JR向日町駅東へ進出方針

2017-09-24 11:35:43 | 政 governing
 JR向日町駅の東側に広がる京都府向日市森本町の農地へ、総合モーターメーカー日本電産(本社・京都市南区)が進出方針を固める中、地権者らでつくる「森本東部地区まちづくり協議会」と同社、向日市の3者が22日までに、まちづくりに関する覚書を交わした。進出の実現や土地の有効活用に向け、緊密に連携する、としている。

 同社広報宣伝部は「具体的な協議に着手するため、立場を明確化した」と位置づけ、今後について「前向きに進めたいと強く思っている。事業の実現性を見極めるため、地権者の意向を確認していく」とした。

 締結は13日付。覚書では、「相互に情報共有と意見交換に努める」とした上で、3者の役割を明記した。

 河川や道路を除いた約10ヘクタールの対象地を開発用地と農地に振り分ける地区計画原案の策定を進める同協議会に対し、日本電産が自らの土地利用計画に基づいて協力。市は、両者を支援し、対象地の道路整備を進める、と定めた。JR向日町駅東口開設について、市が事業を推進、両者が連携を図るよう努める、とした。

 森本東部地区まちづくり協議会の清水陽一会長は「書面で正式に協力体制が記され、一歩前に進んだ」と歓迎。「地元の要望がかなえられるよう日本電産と協議を進め、地権者間の理解度を深めていきたい」とし、2017年中に地区計画原案のたたき台を作成する目標を示した。

【 2017年09月23日 10時53分 】

山裾、市街地、国道24号拡幅 国道「宇治木津線」3案を公開

2017-09-24 11:31:56 | 地 geography
 国土交通省はこのほど、京都府城陽市から井手町、木津川市山城町を南北で結ぶ新たな国道「宇治木津線」(約15キロ)について、国道24号の拡幅案を含めた三つのルート案をまとめ、国交省近畿地方整備局のホームページで公開した。地元自治体や住民の意見を聞きながらルートを絞り込むとしている。

 ルート案は▽新名神高速道路城陽スマートインターチェンジ(城陽市富野)付近からJR奈良線の東を通って建設中の木津川橋(木津川市山城町)につなぐ「山裾ルート」▽インターチェンジの西から井手町の市街地を経て木津川橋を結ぶ「市街地ルート」▽さらに西の国道24号線を2車線から4車線に広げる「現道拡幅ルート」。

 想定する建設費は「山裾」が約230億円、「市街地」が約330億円、「拡幅」が約420億円。

 宇治木津線は、国道24号の渋滞緩和や、木津川破堤など災害時に寸断する危険性を避けるため計画された。国交省はルート案について意見を募る住民アンケートを行うとしている。

【 2017年09月22日 11時52分 】

「KARA―1」で金魚すくい府予選会 京都・向日で23日開催

2017-09-24 11:29:16 | 会 party
 京都向日市激辛商店街は23日、同市寺戸町の京都向日町競輪場で催す「KARA―1グランプリ」で、金魚ゆかりの奈良県大和郡山市とタッグを組み「全国金魚すくい大会」の府予選会を同時開催する。同商店街が展開中の「金魚割り」キャンペーンが縁で実現。上位入賞者は来年に同市である同大会への出場権を獲得できる。

 同大会は、金魚養殖が盛んな大和郡山市をPRしようと始まり、23回を数える。主催者の全国金魚すくい競技連盟(事務局・同市)によると、今年8月の大会には全国15カ所の予選会を通過するなどした2350人が出場し、個人戦と団体戦で腕前を競った。府内での予選会は第17回の久御山町以来という。

 激辛商店街は今夏から、酒などに唐辛子を浮かべて飲む「金魚割り」をPRしており、金魚ゆかりの地との連携を模索。7月に同市を訪問して予選会開催に意気投合した。同商店街は「間口を広げて商店街の魅力を発信していきたい」とする。

 23日の予選会は個人戦のみ。3分間の制限時間内にすくい上げた数を競う。当日参加可で無料。一般と小中学生の2部門で定員各200人。午後0時半までに申し込み、午後1時開始。各部門の上位10人は来年8月19日開催予定の本大会に抽選なしで参加できる。問い合わせは同商店街事務局080(8529)5054。

【 2017年09月22日 11時19分 】

京都特産品100店集結  向日で23日、「KARA―1」も

2017-09-24 11:26:12 | 商 trading
 京都府内の特産品を扱う約100店が勢ぞろいする大物産展が23日午前9時半~午後4時、向日市寺戸町の京都向日町競輪場で開かれる。吉本新喜劇の舞台や京都向日市激辛商店街の「KARA-1グランプリ」も同時開催され、食や笑いで秋のひとときを彩る。

 乙訓3市町の商工会や府などでつくる乙訓商工・観光協議会が主催する。大物産展では乙訓地域の特産品であるタケノコのつくだ煮やすし、竹製品をはじめ、お茶のスイーツや黒豆製品、海産物など府内各地の特産品を集めた店が出店する。

 激辛商店街の催しには、辛くておいしい食べ物が多数、用意される。午後3時ごろからは、先ごろ乙訓地域のキャンペーンガールに就任した吉本新喜劇座長のすち子さんが特別ゲストで登場。お笑いとトークステージで会場を盛り上げる。

 荒天中止。当日は阪急東向日駅やJR向日町駅から無料シャトルバスを運行する。会場には約千台分の駐車場もある。

【 2017年09月20日 10時02分 】

障害超えタンデム快走 京都、2人乗り自転車など体験

2017-09-24 11:24:08 | イベント
 自転車に乗る機会の少ない障害者を対象に、2人乗りのタンデム自転車と車いすに前輪を取り付けるハンドサイクルの体験会が18日、京都府向日市寺戸町の京都向日町競輪場で行われた。台風一過の青空の下、参加者が風を切って走る感触を楽しんだ。

 京都市障害者スポーツセンターと同市障害者教養文化・体育会館が毎年開いており、同競輪場では5回目。府内外から視覚や身体、知的障害者24人が参加した。

 前後に2人並んで運転するタンデムは、京都サイクリング協会会員や日本競輪選手会京都支部の選手が前でハンドルを操作し、障害者が後ろに乗ってペダルをこいだ。慣れると、スピードを上げて1周400メートルの走路を駆け抜けるペアもいた。

 車いすに取り付ける手こぎのハンドサイクルでは、参加者は両手でクランクを回す運転に挑戦。「普段よりもスピードが出て気持ちいい」と笑顔を見せた。

【 2017年09月19日 09時20分 】

「自己肯定感を育んで」 京都で不登校や引きこもり考える

2017-09-24 11:22:00 | 習 learn
 子どもの不登校や引きこもりについて考える講演会が17日、京都府向日市寺戸町の医誠会診療所であった。京都教育センター代表の高垣忠一郎さんが「自己肯定感を育む子育て」と題して、子どもに対する家族の接し方について話した。

 子どもの不登校や引きこもりに悩む保護者が集える場として、昨年12月に発足した住民団体「大地」が特別定例会として開催。乙訓地域の保護者ら約50人が耳を傾けた。

 高垣さんは、現代の日本社会について「人間を『使える』か『使えないか』で評価している」と指摘。子どもたちも常に他人の評価を気にかけ、ありのままの自分を見つめられず、不登校や引きこもりで苦しむ要因になっていると強調した。誰もが自分らしく生きられる社会を実現するために「失敗した時に『大丈夫だよ』と許される体験が大切だ。子どもたちは痛みに寄り添ってもらうことで、だめな部分もある自分でも存在していいんだという肯定感を育む」と説明した。

【 2017年09月18日 11時38分 】

京都・長岡京さらなる発展を 市制施行45周年記念式典

2017-09-24 11:19:54 | 式 celemony
 京都府長岡京市の市制施行45周年記念式典と関連行事が16日、同市神足2丁目のバンビオ1番館であった。市政に貢献した団体や個人の表彰、記念講演、市民イベント「マルシェ」など多彩な催しを通じ、参加者が45周年の節目を祝い、さらなる街の発展へ心を新たにした。

 式典には約230人が出席した。中小路健吾市長は人口減少社会の到来や定住促進に向けたシティプロモーション活動などに触れ「ここから始まる市の未来づくりに市民の力を結集し、取り組んでいきたい」と述べた。続いて、地域に貢献した5団体を善行表彰し、5個人・団体に感謝状を贈った。45周年記念表彰や自治会感謝状贈呈もあった。

 この後、国際日本文化研究センターの井上章一教授が記念講演し、市長らも交えたパネル討論で街の魅力を語り合った。

 同館では「ママキッズまるごとマルシェinかしこ暮らしっく長岡京」を実施。雨天のため屋内開催となったが、手作り雑貨やバルーンアートなどのワークショップ、アロマ体験、買い物、飲食を楽しむ親子連れらでにぎわった。このほか、災害時の緊急放送に関する市とケーブルテレビ「ジェイコムウエスト」との防災協定締結式も行われた。

【 2017年09月17日 12時02分 】

AR「すち子」も登場、スマホで観光スタンプラリー 京都

2017-09-24 11:17:08 | イベント
 観光アプリケーションを使ってスマートフォン片手に京都府の乙訓3市町の名所を巡る「デジタルスタンプラリー」を、府や各自治体でつくる乙訓商工・観光協議会と「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」が19日から初めて催す。フォトコンテストも同時開催し、現実の風景の中に乙訓地域の観光キャンペーンガールに就任した芸人「すち子」のキャラクターなどがAR(拡張現実)機能で登場する。10月末まで。

 スタンプラリーは、各市町が5カ所ずつ選定した社寺や古墳などの観光スポットと京都市の吉本祇園花月をポイントに設定。位置情報観光活用イベントアプリ「こことろ」をダウンロードし、各ポイントを訪れるとアプリ上でスタンプを取得できる仕組み。4カ所以上を巡ると抽選で賞品が当たる。

 各スポットで、アプリの専用画面上にARでキャラクターが現れる。3市町のご当地キャラの他、かぐや姫に扮(ふん)したりイラスト化されたりした、すち子も登場。フォトコンテストでは、現実の風景と、配置などに工夫を凝らしたキャラを組み合わせて撮影したユニーク写真を写真共有アプリ「インスタグラム」で投稿する。審査を経て、11月下旬に受賞者へ通知する。

 同協議会は「秋の観光シーズンを前に、すち子の高い知名度を生かして関西各地からの誘客につなげたい」とする。問い合わせは府観光政策課075(414)4837。

【 2017年09月16日 17時00分 】

稲穂と共演、田畑あぜ赤く染まる 京都、ヒガンバナ見ごろ

2017-09-16 14:46:15 | 木 plants
 秋の彼岸を前に、京都府乙訓地域の田畑のあぜなどでヒガンバナが真っ赤な花を咲かせ始め、道行く人たちに季節の移り変わりを感じさせている。

 ヒガンバナは中国から渡来したとされる多年草で、この時期に花を咲かせることから和名「彼岸花」がついたといわれる。球根には毒があり、ネズミやモグラの穴開け防止のため土手やあぜに植えられたよう。

 長岡京市では稲刈りの終わった水田や、なすびなどが植えられた畑のあぜなどで小規模に群生し、垂直に30~50センチの茎を伸ばして大輪の花を咲かせ、爽やかな秋風に揺れている。

【 2017年09月16日 09時50分 】

マツの剪定「手の形のように」 京都・勝竜寺城公園で講習会

2017-09-16 14:43:23 | 習 learn
 京都府長岡京市勝竜寺の勝竜寺城公園で、日本庭園の剪定(せんてい)講習会がこのほどあった。市民5人がマツの枝切りを講師から学んだ。

 庭木の手入れを学び、植物に親しんでもらおうと市緑の協会が毎年行っている。講師は樹木医の資格を持つ協会職員の吉田典安さんが務めた。

 参加者は吉田さんの指導を受け、枝切りばさみを手に同公園内のマツの剪定を実践した。「長くて元気な枝は切り、枝が手の形のようになるよう仕上げて」と枝切りのこつも伝授された。少し離れた場所から木全体の形やバランスを見て、再び枝を切ったり古い葉を抜いたりして整える人もいた。

 佃知沙さん(31)=同市竹の台=は「思い切って枝を切るのが大事だと思った。これを機に経験を積んでいきたい」と話していた。

【 2017年09月15日 12時15分 】

備蓄品不足、損賠支払い完了 京都・向日、前市長らから

2017-09-16 14:40:26 | 災 disaster
 京都府向日市の災害用備蓄飲食料品不足問題で、市は14日、追加調達や府補助金の返還などに要した約750万円について、損害賠償請求した久嶋務前市長と前副市長、当時の担当職員らの計6人から全額が支払われた、と発表した。

 市は8月3日、市監査委員の監査結果を受け、地方自治法などに基づいて6人へ損害賠償請求。市によると、期限の9月1日までに全員が支払った。行政不服審査法に基づく不服申し立てや、支払い拒否はなかった。賠償金は市の財政全般に充てるという。

 市は2014年4月、物品が未納なのに作成された虚偽の検収調書に基づき約1700万円を先払い。約800万円分が落札業者の破綻で履行不能となった。

 市は個別の賠償額を明らかにしなかった。

【 2017年09月14日 23時00分 】

民家浸水、原因はブレーカー切断 京都、ポンプ作動せず

2017-09-16 14:39:09 | 災 disaster
 京都府長岡京市神足2丁目で先月18日に起きた民家浸水被害について、市は12日までに、神足ポンプ場のブレーカーが定期点検時に切られたままになっていたため降雨時に排水ポンプが作動しなかったのが原因だったことを明らかにした。

 浸水被害では同市内は1時間雨量10~20ミリのやや強い雨に見舞われ、旧犬川の水があふれ、民家4戸が床下浸水し、車1台も水に漬かって立ち往生した。旧犬川の水を犬川に流すための排水ポンプ2基が稼働しなかった。

 市によると、当日は落雷などによる停電の発生記録がないことから、8月9日に実施した年1回の定期点検終了時に業者がブレーカーを元に戻すのを忘れていた可能性が非常に高いという。

 定期点検には市職員は立ち会っていたが、点検前後の準備や片付けは業者のみで行っていたという。市は「維持管理業務を精査し、マニュアルを見直したい」としている。

【 2017年09月13日 11時02分 】

京都・向日市検定に中級新設 来年1月の第2回から

2017-09-16 14:36:36 | 習 learn
 京都府向日市は、まちづくりや歴史文化への関心を高めてもらう「向日市ふるさと検定」に中級区分を新設し、来年1月21日に第2回を開催する。歴史名所の見学会や観光イベントを検定の連携事業としてアピールしており、受験者の受け付けを10月2日から始める。

 市によると、2月実施の初回は、想定を上回る337人が一般受験。238人が70点以上を獲得して合格し、平均点は75・7点だった。受験者へのアンケートでは中上級の区分を望む声が8割を超えた。

 問題作成に向けた庁内プロジェクトチームが始動しており、本番では、初級合格者を対象に市政や自然、文化財など各分野から75問を出題。53問以上の正解で合格とする。

 初回に合わせて発売済みの検定テキストに加え「現場での体験や発見で学びを深めてもらいたい」(広報・ふるさと創生課)と連携事業を選定。出題の参考とすることで参加を呼び掛けている。歴史講座をはじめ「竹の経・かぐやの夕べ」や「KARA-1グランプリ」などの行事を含めて学習の機会としてもらう。物集女車塚古墳の石室一般公開や雨水トンネルの見学会など実施済みの連携事業は市ホームページ(HP)の専用コーナーから結果を閲覧できる。

 中級の受験料は500円。初級(無料)も実施。会場は京都市南区のイオンモール京都桂川など。申込書は9月25日から市役所などで配布。市HPからダウンロードもできる。11月30日までに市役所へ郵送(消印有効)か持参。市広報・ふるさと創生課075(931)1111。

【 2017年09月12日 12時16分 】

京都の出土品、150点一堂 山城資料館で16年度発掘展

2017-09-16 14:29:32 | 歴 history
 京都府城陽市富野の芝山遺跡で出土した府内最大級の勾玉(まがたま)など府内で2016年度に行われた発掘調査の成果を紹介する企画展「発掘された京都の歴史2017」が9日、木津川市山城町上狛の府立山城郷土資料館で始まった。

 府教育委員会と府埋蔵文化財調査研究センター(向日市)の主催。府内23の遺跡や古墳、窯跡などで見つかった土器や埴輪(はにわ)、木製品など約150点。

 芝山遺跡の勾玉はメノウで作られ、全長約5・4センチ。オレンジ色の輝きを放ち、近くにあった管玉と一緒に展示している。

 城陽市寺田と水主(みずし)にまたがる下水主遺跡で出土した、くわや槌などの農具や、扉状建築部材(全長1・3メートル、幅75センチ)など、古墳時代前期の技術や暮らしぶりが伺える遺物も紹介する。

 恭仁京の碁盤目の道路跡の可能性がある溝が見つかった岡田国遺跡(木津川市木津)で出土した「越後」と墨で書かれた土器もある。

 24日まで(11、19日は休館)。入館料200円(小中学生50円)。

【 2017年09月11日 11時19分 】

悩みを疑似体験、命と向き合う 京都の中学で自殺予防授業

2017-09-16 14:27:09 | 習 learn
 夏休み明けの中学生らの自殺とみられる死亡が全国的に問題となる中、京都府向日市物集女町の西ノ岡中で、自殺を予防するための教育「いのちの授業」が5年前から行われている。生徒たちが悩みを抱えた際の対処法をロールプレーイング(疑似体験)で学んでおり、「府内でも珍しい取り組み」(関係者)という。心の悩みや命の重さとどう向き合うか模索を続ける現場を訪ねた。

 「俺、消えたい」「あほみたいなこと言うなよ」。7月中旬、教室で生徒らが語り合っていた。想定は、人生に悩む友人からSOSを打ち明けられたとの場面で、対応策として説教する▽励ます▽感情を受け止める-の3パターンを演じる。友人に共感して寄り添い、信頼できる人につなぐ大切さを体験してもらうのが狙いだ。

 講師を務めたのは兵庫県加古川市教育委員会の学校支援カウンセラー坂中順子さん。実演後、生徒らが意見を交換した。説教や激励には「言う方は楽やけど悩む側はイライラした」などとの指摘が出た。一方、「何もかも嫌」と打ち明ける生徒に「嫌なんか。私でよかったら話を聞くよ」との対応には「悩みを受け止めてくれるから少し気が楽になる」の声が上がった。伊東竜哉さん(14)は「実際に演じて、みんなの考えが分かったし、対応で感じ方がこんなに変わるんだと発見できた」と振り返った。

 授業で坂中さんは「思春期に心が揺れるのは当たり前。自分の弱さや悩みを表すことが大事」とした上で「理解しようとしてくれる人は必ずいるから相談してほしい」と生徒に語り掛けた。

 同授業は、受験や進学を控える3年生を対象に年に1回、クラスごとに2時間実施している。5年前、当時の校長が、心身ともに急成長する生徒を指導する上で必要な内容が詰まっているとして始めた。当初から担当教員として関わる小西季代子養護教諭は「悩みを抱え、保健室に来る生徒を担任やクラブ顧問など校内の誰につないだらいいのか難しさを感じていた。授業を通じて一人で悩まず、人に伝え、寄り添う大切さを生徒と教員が共有できる」と話す。

 多感な思春期に自殺を取り上げる授業そのものに「寝た子を起こす」と懸念を示す教員もいたが、事前の教職員研修で理解を深めている。また、授業の前後には生徒にアンケートを行い、心情や現状の把握に努める。

 授業では内容が現実の自分と重なって泣いてしまう生徒もいるという。このため配慮を要する生徒や身近な人を亡くしたり自傷行為を図ったりした経験があるとアンケートに答えた生徒には心のケアや事前事後のフォローにも取り組んでいる。

 近年の中高生の自殺急増を受け、教育現場では命と向き合う授業の模索が続く。授業の在り方など課題は少なくないが、西ノ岡中のように5年間も継続して行われているのは意義深く、少しでも悲しい事態を抑えることにつながればと願う。生徒たちは特別授業で学んだ経験を今後に生かしてほしい。

【 2017年09月11日 13時04分 】