京都府大山崎町が発注している町役場など4施設の清掃業務委託入札で、参加業者8社のうち4社が少なくとも5年間にわたり、それぞれ同一施設の業 務を落札していたことが、京都新聞社の調べで分かった。1社が予定価格をわずかに下回る価格で落札し、ほかの7社は予定価格で応札しているケースが大半 だった。談合か否かの調査について町は「業者から聞き取りは行わない」としている。
4施設は役場、中央公民館、体育館、大山崎ふるさとセンターで、発注側の町が参加業者を指名する指名競争入札の方式で落札業者を決めている。
町の競争入札結果報告書などによると、2010年からの5年間の参加業者は、同町と長岡京市、京都市に事業所を置く8社。
計20回の入札のうち18回で、落札業者以外の7社が予定価格と同額で応札し、1社のみわずかに下回る額で落札していた。各施設の落札業者は1例を除きすべて同じ業者だった。
落札額は115万5千円~53万円で、予定価格に占める割合は97%を超える。中には99・7%と極めて高率のケースもあった。
町政策総務課は「入札の主体は業者であり、談合情報などが寄せられていない以上、業者への聞き取りは行わない」としている。
■業者は談合を否定
大山崎町役場などの清掃業務委託に関する町の指名競争入札に8社が参加しながら、毎年同じ業者が落札している。異例の事態の背景に何があるのか。
中央公民館の清掃業務を毎年落札している町内の業者は、公民館以外は予定価格で応札している。同社は「地元業者である以上、1つは落札したい思いがある。受注しても赤字で金銭的なメリットはない」と談合を否定する。
同社によると、20年以上前から公民館の清掃業務を請け負っており、随意契約から競争入札に代わって以降も継続しているという。他社が落札しない理由については「分からない」とする。
一方、大半を予定価格で応札している別の業者は「清掃が本業ではないため、落札に積極的ではない」と話す。それでも入札に参加する理由について「断ると町との関係が切れてしまうという懸念がある」と打ち明けた。
【 2014年09月10日 09時50分 】