
京都府向日市上植野町の第5向陽小PTAの読み聞かせサークル「はらぺこあおむし」が、来月で活動20周年を迎える。絵本の読み聞かせをはじめ、紙芝居やパネルシアター、人形劇などで児童を物語の世界にいざない、本の楽しさを伝えてきた。今月14日にも同小図書室で、好奇心と期待に胸を膨らませた児童を前にお話会を開いた。
サークルは1993年12月に活動を始めた。名称は絵本の名作にちなむ。現在はPTAの現役とOBの女性18人がメンバー。手芸やピアノ、イラストなど、それぞれの得意なことを生かしている。活動を続ける中で「これができる」と新しい自分を発見するメンバーもいるという。
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お話会は月1回、1~2年と特別支援学級の児童を対象に開催。メンバーは週1回集まり、選書や練習、人形など作品の制作・修理を行っており、季節感や人間味のある物語を選ぶようにしている。
お話会の1週間前には開催を予告し、塗り絵や迷路などが楽しめるチラシ「はらぺこニュース」を発行する。紙を折りたたんだ「8ページ絵本」も配布し、絵や物語をかいてきた児童には表彰状を贈っている。
ほかにも、「子ども読書の日」がある4月は全学年が読み聞かせを楽しめるようにし、5向小と支援学校の交流行事などでも公演する。仕事や病気などで休まざるを得ないメンバーもいるが、児童の笑顔をパワーの源に活動を続けてきた。
サークル立ち上げから携わっている岸野明美さん(59)は「メンバーが少なくなった時もあったけど、できる時にできる人が行うというゆるやかな感じと、学校の先生が協力的だったため長く続けてこられた」と語る。
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14日のお話会には普段より多くの児童が集まり、メンバー13人が人形劇と絵本の読み聞かせ、パネルシアターを披露した。
人気絵本「ぐりとぐら」を基にした人形劇では近く行われるマラソン大会を題材にし、野ネズミとウサギ、恐竜の手作り人形のコミカルな動きや語り口が児童の笑いを誘った。
女の子とネコが登場する絵本の読み聞かせでは児童を物語に引き込み、さるかに合戦のパネルシアターは電子ピアノの効果音やメンバーの歌を織り交ぜながら演じた。
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はらぺこあおむしは20周年企画として「はらぺこおはなしデリバリー」も実施。希望するクラスを訪れて、お話を「配達」し、児童を楽しませている。
代表の林美幸さん(46)は「メンバーが互いを大切にし、フォローし合って活動してきた。30年、40年、50年と今までのように続けていければ」と話している。
【 2013年11月19日 11時16分 】