希少オニバス、小学校で再生 京都、児童がビオトープ栽培

2018-09-01 10:47:19 | 水 water

 かつて京都市南部に広がっていた巨椋池の一部で、戦後干拓された「横大路沼」に生息していた希少な水生植物の育成に、地元の横大路小(伏見区)の児童たちが取り組んでいる。校内のビオトープで京都府の絶滅寸前種のオニバスなど5種類を育てており、興味津々な様子で日々の成長を見守っている。

 市南部クリーンセンター第二工場の建て替えのため2006年に市が調査を行った際、近くにオニバスが自生しているのが見つかった。横大路沼が干拓され、長年土の中で休眠していた種子が、偶然条件がそろい発芽したとみられる。その後、京都大の研究グループや専門業者が事業地や周辺の土壌を採取し、ミズオオバコやコガマ、シャジクモなどの種を発芽させることに成功した。

 かつて横大路沼や周辺に生息していた植物の育成を通して地域に愛着を持ってもらおうと、横大路小の校内の一角に今春、ビオトープを設置。4年生が植物の専門家や地域住民から話を聞きながら、自分たちで水やりなどの世話を続け、観察記録をまとめている。

 児童たちはビオトープでの植物再生に強い関心を示し、4年生の男子児童(10)は「オニバスのとげが伸びるのが楽しみ」と話していた。

【 2018年08月25日 10時50分 


日中友好のハス、涼やかに咲く 京都で「西湖紅蓮」が見頃

2018-07-16 12:11:48 | 水 water

 友好都市の証しとして中国・寧波市から京都府長岡京市に贈られたハス「西湖紅蓮(さいここうれん)」が、同市天神2丁目の八条ケ池で見頃を迎えている。薄紅と白の花が風に揺れ、酷暑の中で涼を演出している。

 紅蓮は1993年の友好都市締結10周年記念式典に出席した寧波市の当時の市長が提供を長岡京市に提案。96年に寧波市の専門家が訪れ、同池に約150株を定植した。現在約300株に増えた。

 池では、外側の花びらが薄紅色、中側が純白の直径20センチ前後の大輪があちこちに咲いている。水上橋の通る市民らが足を止めて見入ったり、写真を撮ったりしている。同市商工観光課によると、例年に比べ開花は1週間ほど早い。7月末ごろまで楽しめそうという。

【 2018年07月15日 11時30分 】


もうすぐ開幕、ウミウの訓練公開 京都・宇治川鵜飼

2018-06-24 09:58:27 | 水 water

 宇治の夏の風物詩「宇治川の鵜飼」開幕を前に、公開トレーニングが20日、京都府宇治市宇治の宇治川で行われた。雨が降る中、鵜匠たちが本番さながらの綱さばきを見せ、ウミウとの呼吸を確かめた。

 伝統的な衣装を身にまとった澤木万理子鵜匠と江﨑洋子鵜匠が舟に乗り、人工ふ化で誕生した「ウッティー」3羽を含む計11羽を操った。鵜匠たちは「ホォーホォー」と声を出したり、船べりを棒でたたいたりしてウミウの本能を刺激し、魚を捕らせた。

 澤木鵜匠は「雨で川が濁って見えにくかったこともあり、慣れていないウッティーもいた。トレーニングをもう少し積みたい」と話し、江﨑鵜匠は「本番では一昨年に生まれたウッティーもデビューする。頑張ってほしい」と期待した。

 今シーズンは7月1日~9月30日。問い合わせは市観光協会0774(23)3334。

【 2018年06月21日 09時30分 】


メダカ野生?飼育?謎追う 京都で発見、DNA鑑定手掛かりに

2018-06-17 07:26:46 | 水 water

 京都府長岡京市下海印寺の旧小泉川に現れたメダカの行方を、環境保護団体「乙訓の自然を守る会」が追っている。乙訓2市1町の小泉川と小畑川では、支流や水路を含めてメダカは姿を消したと考えられていたという。野生なら吉報だが、飼育中の魚や卵が流れ出た可能性もある。謎を解く手掛かりにDNA型鑑定が必要といい、目撃情報を募っている。

 昨年10月9日、長岡京市泉が丘の住宅街のすぐ北側を流れる旧小泉川で、同会管理のビオトープから、府レッドデータブックで絶滅危惧種に指定される「ミナミメダカ」2匹が見つかった。

 体長約3センチの成魚で、尻びれの形状や体色から識別。撮影して放流した。生物調査中に網に掛けた会員の八木義博さん(78)=同市高台2丁目=は「感激の瞬間」と想定外の出来事を振り返る。

 農業用水路のコンクリート化や農薬使用による環境悪化、宅地化などが原因で、メダカのすめる環境は全国的に失われた。同会によると、乙訓2市1町でメダカの生息が確認できるのは大山崎町の桂川本流付近のみ。以前、小泉川流域で細かな水路まで調べたが発見できなかった。情報があっても、見つかるのは外見がメダカに似た外来種「カダヤシ」ばかりだという。

 今回の発見が示す可能性は大きく二つ。(1)ビオトープ上流に存在する生息域から川を下り、野生していた(2)飼育中だった水槽の入れ替えなどの際、上流域の排水溝から川へ魚か卵が流れ出した-。

 メダカは生息する地方によって異なるDNA型を持つ。同会は、(1)に望みを託して魚類のDNA型鑑定ができる研究者の協力を取り付けた。仮に再捕獲できたメダカが近畿地方を含む型と判明すれば、野生か飼育か二つの可能性とも残る。

 メダカの動きが活発化するのを待ち、4月から定期的に会員たちがビオトープで捜索を始めたが、6月12日の活動でも発見できなかった。流域住民の目撃情報があれば、再捕獲のために現地へ調べに行く考えだという。

 同会代表の宮﨑俊一さん(78)=同市天神3丁目=は「迷宮入りになるかもしれない。でも、野生の望みが出てくれば、流域で生息調査を本格化させたい」と先を見据える。

 ただ、メダカが野生だったとしても、生息環境の保全は難しい課題だ。阪急西山天王山駅に近い発見場所のビオトープでも、周辺では開発が進む。上流のため池は既に埋め立てられた。「身近な生き物と共存できる環境をどう残すか。メダカがメッセージを投げかけている」と宮﨑さんは言う。

【 2018年06月14日 12時01分 】


鵜飼のウ、今年は産卵ゼロ 京都、5年連続繁殖ならず

2018-06-17 06:41:22 | 水 water

 京都府宇治市観光協会は7日、飼育下での繁殖に過去4年連続で成功してきた「宇治川の鵜飼」のウミウが、今年は産卵しないまま繁殖期間を終えたと発表した。鵜匠は「原因を追究し、来年の産卵期に備えたい」としている。

 宇治では2014年に、飼育中のウの産卵と人工ふ化に国内で初めて成功し、現在は計9羽が育つ。

 今シーズンは、親鳥に抱卵や養育を任せるため、産卵用の台を低くしたり、仕切りを設けたりと環境に変化を付けた。1組のつがいが営巣したが産卵には至らず、近くに別の巣を設けて擬卵を置くなど、ここ2カ月間にさまざまな工夫をしたが実を結ばなかった。

 鵜匠の澤木万理子さんは「つがいが変わったことや春先の寒暖差、冬場の餌の量などいろんな要因が重なったのかもしれない。専門家にも聞いて突き詰めたい」と話している。

 また、追い綱を使わない「放ち鵜飼」の実現に向け、同協会がインターネット上で募集していた寄付金の総額が、目標の150万円に到達した。29日まで引き続き募る。

【 2018年06月08日 08時24分 】


流れ橋、8日から通行再開 京都、台風で橋板流出

2018-06-17 06:34:03 | 水 water

 京都府八幡市上津屋と久御山町佐山を結ぶ木津川の流れ橋(上津屋橋)が復旧し、8日午後1時に通行止めが解除される。昨年10月22日の台風21号の豪雨で橋板や橋桁が外れ、府が復旧工事を進めてきた。木造橋の風情が戻ることになる。

 流れ橋は長さ356・5メートル、幅3・3メートル。橋板や橋桁は橋脚とワイヤでつながり、川の水位が上がると流れる仕組み。歩行者専用橋で、自転車やバイクは降りて押すことで通行できる。

 1953年の架設以降21回流れており、うち2011年から4年続けて流れたため、府は16年に橋全体を高くするなど流れにくい構造にしたが、昨年の台風で上流の飯岡水位観測所(京田辺市)の水位が平成以降で最大を観測する出水となり、流された。

 復旧工事はクレーンで板などを元に戻し、傷んだ一部の部材を交換した。工費は未確定。

【 2018年06月07日 09時20分 】


カジカガエルの鳴き声復活を 京都・井手で放流

2018-06-03 09:25:16 | 水 water

 京都府井手町の住民グループ「カジカガエル保護友の会」がこのほど、1953年の南山城水害によって町内で絶滅したとみられるカジカガエルの復活に向け、同町井手の玉川に南丹市美山町で捕らえたカジカカエルを放流した。

 カジカガエルはシカのような美しい声で鳴くのが特徴で、古くから町の花ヤマブキなどとともに和歌に詠まれている。

 放流は98年から南丹市の協力を得て続けている。小雨の中、会員5人が玉川の上流で約20匹のカエルを放流した。会長の小川俊雄さん(92)は「ここ数年で町内でも鳴き声を聞いたという話をよく聞くようになった。もっと数が増えてほしい」と話した。

【 2018年05月28日 10時30分 】


ホタルの幼虫放流、乱舞楽しみ 京都・長岡京

2017-11-30 08:21:45 | 水 water
 「え、こんなんなん?」「ムカデみたい!」。子どもたちが次々と驚く。コップの中で体長1~2センチに育ったホタルの幼虫が動いていた。京都府長岡京市奥海印寺の西代里山公園にあるホタルの養殖池に11月中旬、地元の小学生が放流した。

 昨年、「長岡京市ゲンジボタルを育てる会」のメンバーらが捕獲した成虫は、市役所の地下室で産卵。ふ化した幼虫は、カワニナを与えられて成長した。

 春には上陸し、土に潜ってさなぎとなる。地元の小泉川で光の乱舞が見られるのは例年6月上旬ごろという。

 参加した長岡第五小2年の早田陽真君(8)=同市奥海印寺=は毎年、観察するのを楽しみにしている。「また光ってほしいな」と願いを込めていた。

【 2017年11月21日 10時31分 】

「離宮の水」ブランドに11商品 大阪・島本で認証

2017-08-19 11:43:21 | 水 water
 大阪府島本町や町商工会などは、水無瀬神宮(同町広瀬3丁目)に湧く「離宮の水」を使った11商品をブランド認証した。同神宮でお披露目式をこのほど開き、関係者ら約20人が名水由来の豆乳やあめなどを味わった。

 離宮の水は環境省の名水百選に認定されており、町などは水をブランド化することで島本を全国にPRしようと今年1月に推進協議会を設立し、ロゴを作製。5月に水を使った商品を募り、町内の飲食店など11事業者が名乗りを上げた。

 式では、推進協会長の山田紘平町長が事業者代表に認証書を手渡した。関係者らが離宮の水で練り込んだパンやゼリーなどを試食。冷製うどんで認証を受けた同町山崎3丁目のうどん店主鍵原和男さん(68)は「微力だが島本をしっかりPRしたい」と意気込む。

 推進協は、11事業者の所在地や商品を掲載したマップを町内の公共施設や駅などで配布している。

【 2017年08月16日 13時05分 】

渡し舟「復活」、ゴムボートに揺られ体験 京都・八幡

2017-06-23 09:59:06 | 水 water
 かつて桂川、宇治川、木津川の三川合流地域を運航していた「渡し舟」を体験するイベントが18日、京都府八幡市八幡の背割堤地区や大阪府島本町一帯であった。参加者35人が舟をこいで往時の生活に思いをはせた。

 淀川河川公園管理センターによると、渡し舟は昭和30年代まで八幡市橋本と対岸の大山崎町を結んでいた。今回は国土交通省と同センターが催し、背割堤地区から島本町まで約2・5キロのコースを設定した。

 参加者はゴムボート型カヌーに乗り込み、島本町の同公園島本地区の船着き場へ向かって約40分かけ、自然豊かな風景をゆっくりと楽しみながらパドルをこいだ。このあと、島本町の水無瀬神宮や桜井駅跡を巡った。

 友人と参加した井上芳子さん(66)=島本町=は「川の流れがよく分かった。八幡市をさらに身近に感じた」と話した。

【 2017年06月19日 10時30分 】

安心でおいしい水への秘密見学 京都、乙訓浄水場を公開

2017-06-20 14:12:26 | 水 water
 京都府の乙訓2市1町に水道水を供給する府営水道乙訓浄水場(京都市西京区)の施設公開が11日行われた。親子連れらが、トロッコに乗って地下のポンプ施設などを見学した。

 府は、身近な水道に理解を深めてもらおうと、府内3カ所の浄水場を毎年1カ所ずつ順番に公開している。2000年に稼働した乙訓浄水場は、耐震工事を行っていたため、公開は7年ぶり。この日は約500人が訪れた。

 訪れた人は、薬品や砂などを使ってごみや汚れを取り除く沈殿池や急速ろ過池などを見学。インクラインの作業用トロッコに乗って、保津川から取水した水をくみ上げるために地下約80メートルに設置されたポンプについて、担当者から説明を受けた。

 また水質実験のコーナーがあり、子どもたちがかび臭い水のにおいをかいだり、濁った水が特殊な砂を通ると浄化される様子を観察したりしていた。

 祖父母と弟と参加した花山秀生君(7)=京都市北区=は「インクラインのトロッコが、ゆっくり進むジェットコースターみたいだった。ポンプのこともわかって楽しかった」と話していた。

【 2017年06月11日 11時52分 】

ひな5羽順調に育つ 「宇治川の鵜飼」のウミウ

2017-06-11 09:25:13 | 水 water
 京都府の宇治市観光協会は9日、「宇治川の鵜飼」のウミウを人工ふ化している取り組みについて、報道関係者向けの報告会を開いた。今年は5羽のひなが誕生し、いずれも順調に成育している。10日から市観光センターで一般公開する。

 人工ふ化開始から4年目となる今年は4月に四つのペアが計20個を産卵。このうち有精卵は11個で、5月4~12日にかけて5羽が生まれた。昨年までは一つのペアの卵しかふ化できていないが、今年は別のペアの卵も初めてかえった。

 昨年は誕生した5羽のうち、3羽が間もなく死亡した。今年は卵を温めるふ卵器の設定温度を最大0・9度下げ、卵の中でひなが十分に育ってからかえるように工夫したという。人工ふ化のウミウは計10羽になった。

 同協会は人工ふ化のウミウによる手綱を付けない「放ち鵜飼」を2018年に試験実施する予定。澤木万理子鵜匠は「試行錯誤しながらトレーニングを行っていきたい」と話している。

 一般公開は10日から7月9日までの土、日曜日に、午前11時~正午と午後2時~3時半に行われる。

【 2017年06月10日 10時10分 】

初夏の香り、しょうぶ湯始まる 京都・長岡京

2017-05-21 17:30:40 | 水 water
 ほのかなショウブの香りが、初夏の風情を醸し出す。京都府長岡京市東神足2丁目の市地域福祉センターきりしま苑で、無病息災を願うしょうぶ湯が15日、始まった。センター利用者や市民が、ゆっくりと湯につかって疲れを癒やしている。

 きりしま苑がオープンした1992年から実施している。今年も徳島産のショウブの葉約45キロを用意、束にして湯船に浮かべている。近くの山下喜久江さん(73)は「毎年、楽しみに待っているんです。よく温まります」と話していた。

 一般利用は60歳以上の長岡京市民が対象で、午前9時半~10時半と、正午~午後3時半。19日まで。無料。問い合わせは、きりしま苑TEL075(956)0294。

【 2017年05月16日 10時05分 】

ウミウ、8個が有精卵 京都・宇治、GW中にふ化も

2017-04-30 16:31:05 | 水 water
 京都府の宇治市観光協会は25日、「宇治川の鵜飼」のウミウが今春産んだ卵のうち、8個が有精卵だったと発表した。市観光センター(宇治市宇治)で検査した。早ければ大型連休中に今年最初の卵がふ化する可能性があるという。ふ化すれば4年連続となる。

 今年は4月7日から計18個の産卵があった。この日の検査は有精卵かどうか判別可能な産卵後7日以上の13個が対象。大和動物病院(同市広野町)の高橋将哉院長が暗室で卵に懐中電灯で光を当て、血管ができているかなどを調べて判別した。

 有精卵8個で無精卵1個、不明4個。卵はいずれもふ卵器に戻して人工ふ化を目指す。澤木万理子鵜匠は「1羽でもたくさんの健康なひなが生まれることを願っています」と話している。

【 2017年04月26日 10時35分 】

景観に配慮、渓谷に新アーチ 京都・宇治、新白虹橋で渡り初め

2017-03-29 11:57:13 | 水 water
 天ケ瀬ダムの再開発に伴い、宇治川の「白虹橋(はっこうばし)」(京都府宇治市宇治―志津川)の架け替え工事が完了し、26日に渡り初め式が行われた。ダムや渓谷の景観に配慮した珍しい形状で、志津川地区の住民や関係者らが、橋の完成を祝った。

 国土交通省琵琶湖河川事務所の再開発事業の一環で、新たに設置する放水口の位置と旧橋が重なるため、下流に新橋を設置した。車両が離合できるよう幅員を約4メートルから9メートルに広げたほか、歩道を新設した。上下のコンクリート板を薄くして鋼材でつなぎ、上下流から景観を見通せる珍しい構造を採用した。全長77メートル。総事業費は約11億6千万円。

 この日は、山本正市長ら関係者がテープカットをした後、住民らが周囲に広がる風景を楽しみながら真新しい橋をゆっくりと歩いた。志津川の梅原孝区長(66)は「地域住民にとって生活する上で大切な橋。大事にしていきたい」と話した。

【 2017年03月27日 09時40分 】