桜の名所・背割堤が全面開園 京都、台風被害から復旧

2018-11-04 15:26:25 | 災 disaster

 9月の台風21号で桜並木が被害を受けた京都府八幡市の淀川河川公園背割堤地区が3日、約2カ月ぶりに全面開園する。倒木や、折れた幹や枝が除去された。公園を管理する国土交通省淀川河川事務所(大阪府枚方市)によると、桜の紅葉は今月中旬ごろから見頃になるといい、来年春の開花も期待できそうだ。

 堤防約1・4キロにある桜242本のうち、根こそぎ倒れるなどした23本を除去した。傷んだ木の養生を続けており、樹木医らの助言を受けて桜の健康状態を確認し、樹形を整える剪定(せんてい)作業に入る。木が根こそぎ倒れた箇所に、新たに桜の植樹も検討する。倒木はベンチやキーホルダーなどに活用する。

 24、25日に、全面開園後初となる大規模イベント「背割堤のアキサイ(秋祭)2018」を開催する。淀川を屋形船で周遊する「淀川舟運と歴史ハイク」(有料)やマルシェ、コンサートなどが行われ、紅葉狩りも楽しめる。

【 2018年11月03日 11時21分 】


京野菜の九条ねぎ被害甚大 台風21号1カ月

2018-10-08 10:12:10 | 災 disaster

 観測史上最大の強風が吹き荒れた台風21号の直撃から4日で1カ月。京都府山城地域の農作物被害は府の集計(9月28日時点)で約71ヘクタール、約2億1千万円に上り、地域別で府内最大とみられている。9月30日の台風24号の打撃もあり、被害はさらに拡大する見込みだ。

 八幡市は主要作物のネギが深刻な被害を受けた。市の調べで約19ヘクタール、約8300万円の損害。ネギ農家(28)=同市八幡=は収穫期だった0・2ヘクタールのネギの半分が倒れて出荷できず、残るネギも折れ曲がるなどして「半値ほどになった」という。収穫前の畑も、農業用マルチシートがはがれ、冬場の収穫量減は避けられそうにない。

 ネギ農家は「栽培を止めたら収穫はなくなる。台風の合間でも、次のネギをどんどん植えていかないと」と話す。長雨に備えて畝立て時期を早め、小松菜やネギ用の農業用ハウスの扉を補強した。

 山城地域の九条ねぎは、JA京都やましろ(京田辺市)が築地市場(東京都)に出荷、関東で人気が高まっていた。9月は例年1日約700キロを出荷していたが、台風などで今年は200~300キロに落ち込み、出荷ゼロの日もあり、痛手になった。

 京田辺市特産の田辺ナスも、暴風で実に傷が付いたり、葉が飛んで成熟が遅れたりした。JA京都やましろによると被害は約1千万円。施肥を増やすなどの対策を実施、現在は花が咲いて実をつけ、収穫は回復しつつあるという。

【 2018年10月04日 15時34分 】


京都の名所「竹の径」復旧急ぐ 台風被害、近く人気イベント

2018-10-08 10:00:34 | 災 disaster

 各地に猛威をふるった台風21、24号で被害を受けた京都府向日市の観光名所「竹の径(みち)」の補修作業が、今月下旬に行われる同市の人気イベントに向けて始まっている。一帯は強い風の影響で竹が横倒しになり、竹垣も壊れるなどしており、趣ある景観の復旧が本番に向けて急ピッチで進む。

 竹の径は、向日市北西部に位置する全長1・8キロの竹林。放置林対策として市が2000年から整備し、府の文化的景観に選ばれるなど観光資源として活用されている。二つの台風の影響で、道路をふさぐように竹が倒壊、2週間近く全域が通行止めになった。竹垣計約140メートルも倒れたり破損したりするなどの被害も出た。

 催しは市観光協会主催の「竹の径・かぐやの夕べ」。4千個以上の竹あんどんによるライトアップが生み出す幻想的な雰囲気に、例年約1万5千人が訪れる。現在も通行可能な状態ではあるが、景観面から修繕が必要なため市や業者でつくる市竹産業振興協議会が、曲がってしまった竹や竹垣の改修などに取り組んでいる。

 協議会の田中益一会長(64)=同市物集女=は「被害の大きさに驚きと悲しみを受けた。夜の竹林の美しさを例年のように感じてもらえるよう協議会として最大限努力したい」と話した。

 かぐやの夕べは20、21日の午後5時半から。竹製品の展示や音楽ステージ、飲食物の販売もある。問い合わせは市観光協会075(963)6504。

【 2018年10月03日 09時41分 】


一休さんウォーク、健脚コース中止 京都、倒木で甘南備山通れず

2018-09-21 21:03:01 | 災 disaster

 ハイキングなどで親しまれている京都府京田辺市薪の甘南備山(標高221メートル)が、台風21号による倒木で遊歩道の多くが通行できなくなったことが18日に分かった。11月10日開催の「一休さんウオーク2018」の健脚コース(約17キロ)にもなっており、主催する実行委員会は同コースの中止を決めた。他のコースは実施する。

 甘南備山は、神が隠れる地という意味がある。船岡山(京都市北区)と結ぶ南北線を軸に平安京が建設されたともされ、山頂付近に展望台が整備されている。

 市や地元の薪甘南備山保存会によると、台風で山の木が根こそぎ倒れるなどして、三角点に行く「尾根の小径」などの遊歩道がふさがれた。神南備神社や展望台に向かう管理道路は通行可能で、遊歩道の木々の撤去作業を進めるという。

 「一休さんウオーク」は、酬恩庵一休寺などを巡る初心者コース(約6キロ)と、大御堂観音寺や普賢寺ふれあいの駅なども巡る一般コース(約11キロ)を実施する。健脚コースを申し込んだ人には市が連絡してコース変更などの相談に応じる。問い合わせは同実行委事務局0774(64)1335。

【 2018年09月19日 09時56分 】


「京都ナス」台風で大打撃 京都・乙訓、傷つき出荷できず

2018-09-21 20:55:09 | 災 disaster

 台風21号による京都府乙訓地域の農業被害の概要がこのほど分かった。特産の「京都ナス」や稲など農作物に被害が出たほか、農業施設はビニールハウス(パイプハウス)など計80棟が全壊や損壊した。

 農作物は長岡京市の収穫最盛期の秋ナスが大きな被害を受けた。同市で開発されたナス「千両二号」を、長岡京茄子(なす)部会の農家18軒が1・8ヘクタールの畑で栽培していたが、強風で丈夫な鉄製の支柱ごと木が大きく傾き、実が葉や枝などにすれて傷つくなどで大半が出荷できなくなった。

 同市今里の畑で被害状況を確認していた同部会長の若林和彦さん(65)は「これまでも台風被害はあったが、これほどひどいのは初めて。猛暑を乗り越え出荷を楽しみにしていたのに」と落胆。木を立て直しても新たな収穫は11月の終盤近くになってからで量も少なく、若林さんは「大変な作業が必要で、気力がうせてしまう」と表情を曇らせた。

 同市は14日、農業施設の被害で発生した廃棄物の無料収集を同市今里2丁目の今里集出荷場で実施。農家22軒がパイプハウスの破損したビニールや農業用倉庫のなみ板やトタン板、木材などを持ち込み、積載量2トンのトラックに次々と積み替えた。廃棄物は約10トンに達した。

 農業施設の全壊から小破の被害数は同市がパイプハウス12棟と鉄骨(ガラス)ハウス2棟、農業用倉庫9軒。向日市はパイプハウス16棟、ガラスハウス3棟、農業用倉庫30棟。大山崎町はパイプハウス5棟、農業用倉庫3棟となった。

【 2018年09月16日 13時14分 】


台風20号で倒木被害相次ぐ 京都、宇治川鵜飼は25日再開

2018-09-01 10:45:23 | 災 disaster

 23日夜から24日未明にかけて台風20号が近畿を通過した。京都府京田辺市で最大瞬間風速21・7メートル(23日午後10時11分)を観測した山城地域では、宇治市や井手町で倒木などの被害があった。

 宇治市木幡南山畑の住宅街では民家の木製の塀が道路側に倒れ、23日午後10時20分ごろ通行人が市消防本部に通報した。塀は幅6メートル、高さ2メートル。24日朝、近くに住む女子高校生(17)は「友達の家に行く時に通る道。その時に倒れてきたらと思うと怖い」と話した。

 宇治川沿いの市道山王仙郷谷線で23日午後9時55分ごろ、「木が倒れている」と住民から市に通報があった。宇治市宇治金井戸の道路沿い斜面で大木の枝が折れ、道をふさいだ。市は通行止めにし、24日朝から作業員が、電線にかかるなどした枝葉をチェーンソーで切り、撤去した。

 井手町井手では、京田辺市消防井手分署近くの府道和束井手線で倒木があり、撤去された。玉津岡神社駐車場でも倒木があった。また、新四郎山グラウンド東側ののり面が一部崩れた。使用に支障はないという。

 台風で23、24日は中止となった宇治市の「宇治川の鵜飼」は25日から再開する。

【 2018年08月25日 08時20分 】


木津川堤防で雑草火災 京都、野焼きが延焼か

2018-08-24 10:01:08 | 災 disaster

 20日午前11時30分ごろ、京都府京田辺市東青上の木津川左岸の堤防のり面から火が出ているのを通行人が見つけ、119番した。堤防の雑草など約1750平方メートルが焼け、約15分後に消した。けが人はなかった。

 現場はJA京都やましろ碾茶(てんちゃ)加工工場の北約100メートル。当時、府内全域に乾燥注意報が出ていた。市消防本部は野焼きの火から延焼したとみており、「空気の乾燥に加えて風も強かった。火から目を離さないように気を付けてほしい」と火の取り扱いに注意を呼び掛けている。

 

【 2018年08月21日 08時50分 】


地震被災地に台風、屋根のシート破れる 京都南部

2018-08-09 14:30:11 | 災 disaster

 29日午前に近畿を通過した強い台風12号の影響で、京都府山城地域では倒木による道路の通行止めが相次いだ。6月の大阪府北部地震で民家に多くの被害が出た八幡市では、屋根を覆うブルーシートが破れたり剥がれたりして住民が対応に追われた。

 地震の爪痕が残る八幡市の八幡地区。会社員(59)宅では屋根に掛けていたシートが破れ、29日朝から、家族らが掛け替え作業に汗を流した。「地震で少しずれていた瓦が、今回の風で大きくずれた。雨漏りがして、2階の部屋や廊下は水浸しです」と話した。

 城陽市富野の木津川堤防では13メートルある市の「名木・古木」のエノキが縦に裂け、半分が倒れた。同市平川の平井神社でも倒木があり、一時、市道をふさいだ。

 府道大津南郷宇治線は倒木で、宇治田原町高尾から滋賀県境までが通行止め。木津川の増水で、八幡市と久御山町を結ぶ上津屋橋(流れ橋)、笠置町の潜没橋、精華町内の堤防沿いの自転車道の一部も通れなくなった。28日夜から29日朝にかけて京田辺市で6世帯12人に避難勧告が出された。木津川市の24世帯39人をはじめ山城地域で計145人が避難所の公共施設などに一時、身を寄せた。

【 2018年07月30日 09時31分 】

 


罹災証明、申請7割が「自己判定」 大阪地震1カ月、対応迅速化

2018-07-22 14:06:36 | 災 disaster

 大阪府北部地震は18日で発生から1カ月。近隣の京都府乙訓3市町では、家屋の罹災(りさい)証明書の発行件数が300件に上っていることが分かった。長岡京市と大山崎町は、証明書を発行するため現地調査を省き、被災者が撮影した写真を持ち込む「自己判定方式」を初めて導入した。同町では全体の7割近くが同方式で申請され、速やかな対応を進めている。

 3市町の発行件数の内訳は17日正午時点で、向日市が20件(申請22件)、長岡京市が62件(同68件)、大山崎町218件(同272件)。被害はすべて一部損壊で、屋根瓦が落ちたり、外壁がひび割れたりするなどした申請だった。全、半壊はなかった。

 罹災証明書は、公的支援や義援金を受ける際に必要となる。一部損壊の場合、対象外となるケースが多いが、保険会社や職場への提出が求められる場合もあるという。

 大山崎町では当初、すべての申請に対して職員が一軒一軒現地調査をする予定だった。しかし、申請件数が予想以上に多かったため6月27日から自己判定方式を導入。約68%の184件を被災者の持ち込んだ写真を基に同方式で手続きを進めている。町は「自己判定方式を導入していなければ今も現地調査に追われていたかもしれない。自己判定方式でスムーズに罹災証明書が発行できた」としている。

 長岡京市も、申請件数のうち、23件を同方式を使って手続きを進めた。

【 2018年07月18日 11時07分 】

 

流れ橋は流れず 京都南部、道路通行止め一部解除

2018-07-16 11:51:24 | 災 disaster

 長く続いた大雨で、京都府山城地域では交通機関や道路を中心に影響が出た。近畿で梅雨明けし天候が回復した9日、自治体などによる復旧作業も進んで通行止めが解除された道路区間もある一方、山間部では今も交通への影響が残る。

 通行止めだった宇治市の府道大津南郷宇治線は規制雨量を下回り、天ケ瀬ダム-滋賀県境間の通行が9日午後1時から可能になり、宇治-大津間の行き来が可能になった。平等院南門付近から南東側の道路脇斜面で6日に発生した土砂崩れ地点は、引き続き不通。

 八幡市上津屋と久御山町佐山を結ぶ木津川の流れ橋(上津屋橋)は水位上昇で通行禁止だったが、8日朝に解除された。昨年秋の台風で橋板や橋桁が外れ、府が復旧して6月8日に通行再開したばかりで、今回は無事だった。

 JR関西線は9日も加茂-伊賀上野間で終日運休した。加茂―笠置駅間の2カ所で線路に土砂が流入しているため。同日は約1時間間隔でバスによる代行輸送を行った。JR西日本が土砂の撤去作業を進めているが、復旧の時期は未定としている。

【 2018年07月10日 08時06分 】


地震被害支援の対象拡大 京都・八幡、一般市民にも

2018-07-16 11:46:34 | 災 disaster

 京都府八幡市社会福祉協議会は、大阪府北部地震で被害に遭った家の片付けや清掃などの無償支援について、対象を独居高齢者らから一般市民にまで広げた。悩み相談や融資紹介も行う。地震後に豪雨も重なって復旧作業の遅れが心配されており、市社協は「困ったことがあればどんなことでも相談してほしい」としている。

 同社協は、地震翌日の6月19日から、独居高齢者や障害者、災害時要援護者を対象に支援を実施。要望が一段落し、今月2日からは全市民に対象を広げ、案内チラシを全戸配布した。

 2日から9日までに60件を超える問い合わせがあり、支援を開始した。社協登録ボランティアとともに家具の位置を戻したり、倒れた石灯籠を元に戻したりしたという。屋根のブルーシート設置や塀の修繕など専門的な作業は業者を紹介している。

 ボランティアによる心配事の相談や、府社会福祉協議会が行う低所得・高齢・障害者世帯対象の資金貸し付け制度も案内している。問い合わせは八幡市社協075(983)4450。

【 2018年07月10日 12時44分 】


国道陥没は止水対策ミス 京都、トンネル漏水事故の技術検討委

2018-07-16 11:43:19 | 災 disaster

 雨水貯留施設「いろは呑龍(どんりゅう)トンネル」の漏水と土砂流出事故についての技術検討委員会が9日、現場近くの京都府向日市鶏冠井町の府流域下水道乙訓ポンプ場で開かれた。事故原因は、施工業者の止水対策が不十分だったためで、地下での復旧工事を終えたことが報告された。同トンネル南幹線の一部供用開始は、2020年度末で当初計画通りだという。

 事故は昨年11月27日、使用中の北幹線と建設中の南幹線の接続部分(地下25メートル)で発生し、現場の真上を走る国道171号が陥没した。

 同委員会は地盤工学などの専門家4人で構成されている。この日の第3回目の会合では、事故原因は▽接続部分の外周における充填(じゅうてん)剤の不足▽止水材の未設置―などで、西松建設など施工業者のミスだったことが報告された。これまでに対策工事を終えて現在は漏水はない状態だという。

 委員長の大西有三京都大名誉教授は「接続部分は複雑な工事だったにもかかわらず、業者の過信があったのではないか。残る工事は安全に進めてほしい」と述べ、業者側は「過去の事例などを検証して施工すべきだったが、十分な実行が伴わなかった。教訓を生かしたい」と謝罪した。陥没した部分は砕石や薬剤でふさがれているが、今後、本格的な復旧工事を行う。

【 2018年07月10日 09時18分 】


土砂崩れで通行止め、渋滞続く 京都南部、鵜飼など休業

2018-07-16 11:21:48 | 災 disaster

 京都府山城地域は6日も雨が降り続いた。ほとんどの学校が休校となり、住民の暮らしや仕事にも影響が及んだ。各地で土砂崩れや倒木が道路をふさぎ、通行止めや規制が行われている。雨で作業は遅れ、多くは復旧のめどが立っていない。

■道路

 城陽市奈島の国道307号では5日深夜、道路脇斜面が幅10メートル、高さ5メートル崩れ、東行き車線をふさいだ。片側交互通行の規制が続いた上、名神高速道路や京滋バイパスの通行止めの影響もあり、渋滞は京田辺市や宇治田原町にまで及んだ。

 宇治市宇治の府道大津南郷宇治線では6日午前9時ごろ、道路脇の斜面が幅30メートル、高さ30メートルにわたり崩れ、木約20本と土砂が道をふさいだ。平等院南門付近から滋賀県境まで通行止め。

 同市木幡の府道二尾木幡線は土砂崩れや倒木で平尾台-木幡松峠が通行止めに。炭山-西笠取の生活道路としても使われている谷山林道も倒木で不通。

 京田辺市打田から水取までの府道生駒井手線が、雨量規制値に達して通行止め。同市松井など道路4カ所で崩土があり、一時片側通行。同市高船では倒木で通行止め。

 木津川市の府道天理加茂木津線の大畑口バス停付近で路肩が崩れて電柱が傾き、片側通行。同市加茂町大野は土砂崩れで片側通行。

 宇治田原町では町内3カ所で土砂崩れが発生、町道の郷之口高尾線と郷之口末山線が通行止め。井手町と和束町を結ぶ府道和束井手線は規制雨量を超え、通行止めが続いた。

 精華町東畑の府道生駒精華線が土砂の流入で通行止め。笠置町の府道笠置山添線、同町飛鳥路地区へと続く潜没橋、和束町の府道木津信楽線の原山-湯船間、南山城村の府道上野南山城線も通行できなくなっている。

 木津川市山城町上狛~笠置町笠置の国道163号(同市加茂町の一部区域を除く)と、同国道と和束町を結ぶ区間の府道木津信楽線は通行止めになった。

■観光

 宇治川の増水で宇治川観光通船(宇治市宇治)は休業し、従業員たちは宇治橋上流に係留する屋形船や鵜舟をロープで固定したり、船内にたまった雨を排水したりと作業に追われた。

 「宇治川の鵜飼」は、開幕した1日を除いて行われていない。松坂善勝鵜匠(80)は「雨がやんでも琵琶湖の水位を下げるために放流は続く。今後2週間ほどは鵜飼の営業ができないかもしれない」と心配そうに語った。

 天ケ瀬ダムの放流量が増え、府立宇治公園は5日から立ち入り禁止に。JR奈良線の運休で平等院表参道は店の約半数が臨時休業し、観光客の姿はまばらだった。

 いつもはJR宇治駅などから平等院や三室戸寺へ人力車を引く滋賀短期大1年眞鍋圭人(けいと)さん(18)は「大阪府北部地震の日より観光客が少ない。今日は、街に何かあった場合のボランティアのつもりです」。

 京田辺市では酬恩庵一休寺など市内各所で展覧会「大京都2018in京田辺」が開幕予定(16日まで)だったが、7日までの中止を決めた。

 笠置町の木津川河川敷キャンプ場は、増水と、道路の一部が崩れて危険なため、閉鎖している。

【 2018年07月07日 09時56分 】

 

 

大雨の警戒継続、不安続く 京都の乙訓地域、一時400人超避難

2018-07-16 11:15:41 | 災 disaster

 近畿地方などに降り続く雨で、京都府の乙訓2市1町では、土砂災害や水害の警戒のための避難指示・勧告が6日も継続した。避難所では一時、最大で400人以上が身を寄せて不安な一夜を過ごしたほか、道路の通行止めや小中学校などの休校もあり、市民生活にも影響が出た。各市町は引き続き警戒を呼び掛けている。

 長岡京市では、土砂災害の警戒のための避難指示が5日午後8時25分、粟生や長法寺、金ケ原、奥海印寺などの2492世帯(5820人)に発令された。また、桂川の水位上昇に伴う水害警戒のための避難勧告が、馬場や神足などの5691世帯(1万3581人)に断続的に出された。同市によると、6日未明には計約240人が避難所に身を寄せた。

 避難所となった長岡第四中(下海印寺)には、5日夜から地域住民が続々と集まった。同市こがねが丘の男性(49)は、自宅隣の老朽化した石垣の上に竹林が茂り、土砂崩れを案じて、避難指示の発令直後に妻(49)と2人で避難。「初めての経験。雑魚寝で歩く音も響く。ほとんど眠れなかった」とこぼした。「地震もあった。雨がやんで地盤が安定するまでは怖い」とし、避難を続けるという。

 長岡第九小(東神足2丁目)の避難所へ、6日午前9時ごろに双子の息子(3)を連れて避難した近くの会社員女性(34)は「保育園は休園で、大人1人で子ども2人と過ごすのは不安。ここなら人がいて心強い」。5日深夜に避難勧告が出たが、子どもたちは寝ており、暗がりの中で雨も強く、身動きが取れなかった。「引っ越して来たばかり。どれくらい事態が切迫しているのかよく分からない」と漏らした。

 同市では6日、市立小中学校計14校がすべて休校となった。また、7日に中央公民館(天神4丁目)で開催予定だった「少年を非行から守る府民運動乙訓地区大会」をはじめ週末のイベントの多くが中止となった。

 大山崎町では、天王山山麓の約1200世帯(3千人)に避難指示、桂川に近い地域の約3300世帯(7800人)に避難勧告が出され、6日未明には約200人が町内4カ所の学校などの施設に避難した。町立の3小中学校は6日はすべて休校となった。

 向日市は5日午後11時過ぎに避難勧告を出した。6カ所の避難所に6日未明には計4人が身を寄せた。今回の大雨では、向日市などの雨水をためる府の施設「いろは呑龍(どんりゅう)トンネル・北幹線」の貯留率は最大約53%(6日午後1時半ごろ)で、まだ余裕があったという。

 乙訓地域の道路は、府道伏見柳谷高槻線が長岡京市奥海印寺より西側について5日午後7時から通行止めになった。また、同市の一部で冠水や土砂流出で通行止めや片側通行などの措置がとられた。

【 2018年07月07日 09時30分 】


保育園隣で火災、住民ら協力し避難 京都、園児9人無事

2018-07-16 10:46:55 | 災 disaster

 2日午後2時40分ごろ、京都府長岡京市竹の台の店舗兼住宅から出火、木造2階建てが全焼した。けが人はなかった。当時、現場付近を含めて市内では約400軒で落雷による停電が生じており、向日町署は雷が出火原因の可能性があるとみて調べている。


 火元の西隣には、小規模保育園「チェリーズハグ長岡京園」があった。出火当時、昼寝中だった0~2歳の乳幼児9人を、保育士らが近隣住民の助けを得ながら避難させた。


 運営するNPO法人「いんふぁんとroomさくらんぼ」の西村日登美代表理事(55)の説明では、近くの子育て支援センター職員が煙に気付き、同園へ知らせた。近隣住民や通行人も協力し、炎を上げる建物を脇目に乳幼児をベビーカーに乗せたり、抱きかかえたりして、支援センターにいったん身を寄せた、という。「もしも、火災に気づけていなかったら、どうなっていたことか」と、こわばった表情で語った。


 夕方には、急きょ仕事を切り上げた保護者が支援センターに駆けつけ始め、1歳の長男を迎えに来た会社員女性(30)は「燃えた跡を見て、逃げ遅れていたら本当に怖いと思った。子どもが無事で何より」と安心した様子を見せた。


【 2018年07月03日 09時30分 】