室町・戦国時代に乙訓をはじめとする地域・西岡(にしのおか)を治めた武士集団「西岡衆」の活躍を紹介する漫画を、同地域の教員らでつくる「京都 乙訓ふるさと歴史研究会」が制作した。戦乱の世で郷土の自治を守り抜いた西岡衆の足跡を、子どもたちにも分かりやすく描いている。
同研究会は、西岡衆に関する独自の調査結果を資料集や紙芝居にまとめているが、より多くの人に手に取ってもらえるよう漫画版を制作することにした。編集は京都精華大が協力し、作画は漫画家の小島えいゆさんが担当した。
「マンガ 山城国 西岡衆」と題した冊子はA5判23ページ。村の指導者で土豪として成長した西岡衆が応仁の乱に参戦した後、三好長慶、織田信長、細川藤孝(幽斎)らの有力武将と関係を築き、各地に転戦して活躍していく過程がドラマチックに描写されている。
一方、本能寺の変で明智光秀に味方するか否かや、その後に武士を捨てて農民となるかどうかなど、彼らが思い悩んだ局面も大きく取り上げた。
同会の会長で、漫画の作成を企画した中西昌史さん(53)=第2向陽小校長=は「西岡衆の何人かは山崎の戦いで光秀に味方したとされており、NHKの大河 ドラマで取り上げられてもおかしくない」とした上で、「自分の土地やそこに暮らす人たちを守るために、力を合わせて生き抜いた先人がいたことを知ってほし い」と話している。冊子は5千部作成し、学校や図書館などに配布した。
【 2018年05月17日 16時32分 】