エゴマで墨作り挑戦 奈良の会社員と京都・大山崎の児童

2014-07-19 05:57:52 | 習 learn

 京都府大山崎町にゆかりの深いエゴマを使って墨を作りたい-。墨の一大生産地・奈良の製墨会社社員がそんな思いを抱き、大山崎小児童らによるエゴマ作りに参加している。「子どもたちに、エゴマで作った墨汁で字を書いてもらいたい」と張り切っている。

 奈良の墨作りは奈良時代に始まったとされ、墨の生産が低迷した平安時代にも隆盛を誇った。現在も国内シェアの9割を占める。菜種油が主流となる江戸時代までは、エゴマも原料として使われていたと言われる。一方、大山崎町は中世にエゴマを原料とする灯明油の販売で栄えた。

 同町の住民グループ「大山崎えごまクラブ」のメンバーら約10人が、2月に「墨運堂」(奈良市)の製墨工場を見学したことをきっかけに、同社営業企画室室長の野口信二さん(67)らがエゴマに関心を持つようになった。

 野口さんら2人は6月下旬、大山崎小児童約100人が町役場近くの畑にエゴマの苗を植える様子を見学。写真に収めたり、同クラブのメンバーに生育過程を尋ねるなど、熱心に研究していた。今秋の収穫にも参加する予定という。

 墨は一般的に、菜種油やゴマ油の油煙から採取したすすを練り固めて作る。墨運堂で使用している原料は菜種油で、これまでエゴマを使ったことはないという。

 野口さんは「大昔は、奈良で大山崎のエゴマを使った墨が作られていたかもしれない」と歴史ロマンに思いをはせる一方、「製法は菜種油と同じなので問題はないが、墨を作るには量が少ない。何とか方法を検討したい」と話している。

【 2014年07月16日 11時50分 】



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