加賀の旅人

郷土の凧と歴史の狭間に埋もれた凧の歴史を尋ねる旅人です。

凧の出し物 傘を作る3

2015年04月17日 | 金澤郷土の凧資料
傘の骨と25㎜φの傘の心材を準備し傘の骨組みを組み立てました。
今度は2回目の制作なので手際よく製作できました。

(傘の骨組み表側)

(傘の骨組み裏側)
今回は手すき和紙に印刷した婦くら雀の紙を竹骨に合わせて貼り付けたので、自分ながら満足のできる仕上がりとなった。

(紙貼りが完成:表側)

(紙貼が完成:裏側)
傘に貼った状態で紙の表面に水を付けて乾燥させると紙はピーンと貼ってよい状態に仕上がった。

(彩色が完了:表側)

(彩色が完了:裏側)
その後、彩色して乾燥させるとさらに紙は張って、傘をラッパ状態にするのに普段以上の抵抗感が出てきたのです。

その結果、傘を押上げる心材につけてある竹骨が変形し接続材が破損寸前になった。
解体し作り変えるか、押上げる心材と竹骨の部分を補強するかの選択を迫られる出来事になりました。
今までは機械すきのナイロン入りの和紙を使用していましたので、ここまで張りが強くなることはなかったのです。
原因は手すき和紙に水を付けて張りを持たせた上に、さらに染料で水分が乾燥したときに紙の繊維が緊張して張りが強くなったことでした。
今後は染料での彩色だけで行くべきだと思いました。

Yahooで和傘の画像を検索しヒントになるものがないかと探していると、傘の内側に糸状のもので幾何学模様となった画像を見つけました。

(Yahooの傘の画像を借用しました)
ひょっとするとこの糸は単にデザインだけではなく傘の骨のヒネリによる変形防ぐものかもと思い、この方法を試してみることにしました。
傘の骨に糸を張っていく作業は根気のいる作業でしたが何とか恰好はできたようです。
この糸張りをしたおかげで傘のひねりは全くなくなり、スムーズに開閉ができるようになりました。

(傘の糸の幾何学模様)

仕上がった傘を陽にかざしてみると染料の色合いがきれいで仕上がりに満足でした。

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