加賀の旅人

郷土の凧と歴史の狭間に埋もれた凧の歴史を尋ねる旅人です。

令和2年 婦くら雀凧を作る(6)

2020年06月22日 | 凧の制作

令和2年 今回製作した婦くら雀凧は強風用の作りとしてあるので、風を受けて鳴るウナリは揚っている凧の存在感を示すための重要な装備です。

竹弓の材料は丸竹をそのまま使用したものや丸竹を半割にして使用するもの、竹を板割りにし使用するものなどがあります。
また、玄となる物は古くは鯨の髭を薄く削った(金澤市史で書かれている)もの、藤つるを薄く剥いだものや竹を薄く削ったものがあるようですが、竹を薄く削った物は日本の凧の会の事務局長の堤氏(故人)からいただいたものがありますが、未だ使えずに仕舞ってあります。

現在はビニール製と思しき細いテープを使用している人が多いと思いますが、江戸凧や伝統凧は竹製のウナリを使ってこだわっている方もいらっしゃいます、
テープは昔、小関章さん(故人)がどこかの会場で袋に一杯テープを持ってきて、「必要な人は使って」と言っていたので分けていただきました。
テープはフイルムかビニール製かは分かりませんが幅は2.5~5㎜位で数種類あります。
テープの幅の違ったものを玄として張って風切音の音色でテープを決めています。

竹弓の反発力が強く、テープ幅の狭いものが高い音色が出るので、私的には好きですが反発力が強すぎるので、テープの消耗が激しいのが難点です。
竹弓となる竹の長さが90cmを超える物でテープの幅を変え、響きに重みのある音も出すことができました。


           (割竹120cmのウナリと丸竹110cmのウナリ)

60cm、43cmのウナリは竹弓を半割にしたり、板割りにしたり、テープの幅も色々試したのですが、満足のいく音色にはできませんでした。
名古屋の古流セミ凧などは小さくてもウナリの音は疳高い音色なのですが、ウナリの作り方も奥が深く、まだまだ未熟であると痛感しました。

竹弓の先端には竹の根を加工し、枕としました。それと凧とウナリを縛っていたのですが、木を加工した取付材を作り凧に縛ることにしました。

                 (竹の根を加工した枕)
ウナリの響きは凧の揚がる姿勢(角度)と竹弓の取付角度でテープが風を受けた時の風切音で、その角度を決めるのはとても難しいものです。
今回この取付材を凧の上下にスライドし竹弓の角度を変えるようにしました。


              (ウナリの取付材を凧に縛る)

今年は新型コロナウィルス感染症で自粛ムードの中、外出も自粛でしたが、6月19日より県をまたいでの外出も制限がなくなりました。良い風が吹いているので凧の試し揚げと思っているのですが、暑さのせいにして段々外出が億劫になってきました。
今回、婦くら雀凧を沢山作りましたが、しばらくは作ることは無いと思っています。


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