瀬崎祐の本棚

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花  41号  (2008/01)  東京

2008-03-26 23:24:15 | 「は行」で始まる詩誌
 「雨のように」山田隆昭。雨に濡れた電線を見ている。電線にたまる水滴が膨らみ、ついに落ちていく様を見ている。水は地にもどり、とどまることなく世界を動いている。第3連はその水滴の独白となっている。

   今日 ぼくは昇天する
   最後に見る風景を忘れはしない
   ふるふると揺れて
   美しく見えるか
   この体 このたましい
   そのときがきて
   なにを連れてゆけるだろう

 この視点の変化が面白い。水滴は落ちても、日向の匂いや草の音はそのままで変わらない。大いなる摂理のもとで、水滴はただ次の象限へ移っていく。そんな水のことを、「水は哀しいもの/うらやむべきもの」と呟いている。
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