山田兼士が編集発行人になっている4人誌。山田の闘病などがあり2年ぶりの発行となっている。無事の発行継続をお祝いしたい。3人のゲストも迎えての73頁と充実している。
「キリギリス」田原。
夏休みに仲間と一緒に熱中したキリギリス捕りを題材にしている。「気温が高ければ高いほど、キリギリスはよく鳴く」、サツマイモ畑は「キリギリスが逃げても、跳んでいった場所がすぐ見つかる」など、かつての日々が彷彿としてくる作品である。新学期になって友だちが学校へ持っていったキリギリスが見つかり先生に怒られ、そして、
踏みつぶせ!と
クラスメートは抵抗できず、仕方なく足でグイと踏みつけた。
それからしばらくは、キリギリスの鳴き声を聞くのが辛かった。
終盤までは、リズムのある文体での短いエッセイのような内容だったのだが、最後に突然感情を大きく揺り動かす詩となっていた。
「日の署名」江夏名枝。
3編の4行詩が載っている。最新詩集「あわいつみ」の作品もそうだったが、自らの感覚を対峙するものとして言葉で定着している。「紋章」全4行を紹介する。
同じ迷いを繰りかえし
ついに定められる
扉を叩く音へ
削りあげられる
「疾中情景詩篇」山田兼士。
8篇の連作であり、作者によれば「「臨死体験」を含むいくつかの出来事をモチーフに書いた」とのこと。始めの作品が5行×9連、残りの7篇は5行×6連となっている。山田は突然の発病で実際に2ヶ月間は意識不明だったとのこと。そこからの病院での生活を作品化しているのだが、それは奇跡のような復活の歩みである。本当によかったですね。8作目のタイトルは「未知の 未明の 未踏の どこかへ」。これからの以前にも増してのご活躍を祈念している。
詩誌の最後には山田による「詩集カタログ2019/2020」が載っている。彼のツイッターでの書評をまとめたものだが、資料集としても有用なものとなっている。
「キリギリス」田原。
夏休みに仲間と一緒に熱中したキリギリス捕りを題材にしている。「気温が高ければ高いほど、キリギリスはよく鳴く」、サツマイモ畑は「キリギリスが逃げても、跳んでいった場所がすぐ見つかる」など、かつての日々が彷彿としてくる作品である。新学期になって友だちが学校へ持っていったキリギリスが見つかり先生に怒られ、そして、
踏みつぶせ!と
クラスメートは抵抗できず、仕方なく足でグイと踏みつけた。
それからしばらくは、キリギリスの鳴き声を聞くのが辛かった。
終盤までは、リズムのある文体での短いエッセイのような内容だったのだが、最後に突然感情を大きく揺り動かす詩となっていた。
「日の署名」江夏名枝。
3編の4行詩が載っている。最新詩集「あわいつみ」の作品もそうだったが、自らの感覚を対峙するものとして言葉で定着している。「紋章」全4行を紹介する。
同じ迷いを繰りかえし
ついに定められる
扉を叩く音へ
削りあげられる
「疾中情景詩篇」山田兼士。
8篇の連作であり、作者によれば「「臨死体験」を含むいくつかの出来事をモチーフに書いた」とのこと。始めの作品が5行×9連、残りの7篇は5行×6連となっている。山田は突然の発病で実際に2ヶ月間は意識不明だったとのこと。そこからの病院での生活を作品化しているのだが、それは奇跡のような復活の歩みである。本当によかったですね。8作目のタイトルは「未知の 未明の 未踏の どこかへ」。これからの以前にも増してのご活躍を祈念している。
詩誌の最後には山田による「詩集カタログ2019/2020」が載っている。彼のツイッターでの書評をまとめたものだが、資料集としても有用なものとなっている。