桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

大雪山の話④

2005-06-04 21:08:33 | 旅行記
星観荘で48時間コースとその年の閉観パーティーに参加した後、私は再びゆわんと村に戻ってきた。沼の平の紅葉を見たかったからである。

ゆわんと村にやって来てみると、まだIさんがいた。私がいなかった9日間の間に、ほぼ回れるところはすべてまわったという。しかもあと2泊すると移動とのことだった。私も2泊ほどして移動するつもりでいたので、ひょっとすると同じ日に出ることになるのかな、と思った。

翌日は雲一つ無い素晴らしい天気であった。真っ青な空に、新雪を頂いた大雪連峰が見えている。聞けば、沼の平方面の紅葉は見頃だという。うまくすれば、新雪と紅葉を一緒に見られるかも知れないという。星観荘に行く前には、前年の残雪と紅葉の取り合わせを楽しんだ後だったので、期待が高まった。

今日は9人の連泊者全員が、3台の車に分乗して、愛山渓に向かった。登る準備をしていると驚いた。うち5人が、立派な三脚を持って登るというのである。

山の陰になっていてまだ辺りが薄暗いうちに私達は登り始めた。陽が射してくると、一面に紅葉した上に降り積もった新雪がきらきらと輝いていて、実に美しい。これは、最高の景色が望めそうである。

分岐点にやってきた。Iさんと、カメラ組の6人は永山岳方面へ向かった。そうでない私達3人は、沼の平から当麻乗越、引き返して三の沼をまわることにした。

沼の平の台地に登って驚いた。山々は一面に紅葉し、ナナカマドの赤、ダケカンバの黄、ササと針葉樹の緑、真っ青な空の青、新雪の白との取り合わせが実に素晴らしい。しかも風がない。こんな最高の天気があるだろうか、と思いたくなるような天候であった。

コメント
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