すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

リュウ君、旅立つ

2023-01-11 20:51:57 | ひとりごと
 今日、リュウが旅立った。
 リュウは本当に本当に最後までいい子だった。
 年を越せないかと思ったほどだったのに、それから一時期元気を取り戻し、何でも食べるようになった。
 心配で家庭内別居して居間で寝ていた時も、私の体力が限界になる前に、2時間おきに鳴くのをやめて、23時から朝6時までは静かに寝るようになり、ここ数日は私もベッドで眠れた。
 それでも徐々に悪くなるのは見えていて、重すぎる体に痩せた足で何とか踏ん張っていた。おしっこもウンチ君も鳴いて教えて、おむつに出る前に間に合うことも何度もあった。
 この前は久々に庭にも出られた。夕べは少しだけど牛肉をあげたら嬉しそうに食べた。
 でも、夕べのご飯は3分の1ほど残した。そして、皿の水が飲めなくなった。そこからは、シリンジでほんの少し口を濡らしてみて、舐めるようなら注ぎ込んだ。けれど、決定的な物を見てしまう。おむつ交換の時、肛門が開いていた・・・。
 今日はキヨちゃんの通院日。キヨちゃんも私も気が気ではなかったが、幸いにもたまたまくりりんがお休みになり、くりりんが留守中はついていてくれた。
 病院の後は大急ぎで帰ろうとするのに、いつもはすぐに出来る薬が出来ない。キヨちゃんも待たせられないし、薬は出直すことにいて戻った。
 留守中にくりりんが一度おむつを替えてくれてた。そのうちに薬が出来たと電話。薬局まで車で片道30分。急いでいたので、ガソリンも入れてないし灯油も買ってない。振り込みをしなくてはならない事もあった。でも、リュウを思えば、気が気でない。
 「一緒に行くよ。手分けしたら早い。」
とくりりん。
 キヨちゃんに任せて大急ぎで用事を済ませ戻った。その間、キヨちゃんは土間に座り込んで、リュウを撫でてくれていた。途中お水をたくさん飲んだと言う。シリンジからはキヨちゃんでは無理だ。それを分かっていたのか、キヨちゃんからは顔をあげて皿から水を飲んだらしい。
 リュウの便が緩くなってから、肛門が荒れていたので、おむつ交換の時に塗るつもりで新しいオロナインを買ってきていた。戻ってすぐにリュウがサインを出した。見るとウンチ君が出ていたので、くりりんを呼んで二人でおむつを替えた。お尻を拭き終わる頃、急にその時は来た。
 あまりに急だった。泣きながら、もう息をしなくなったリュウのお尻にオロナインを塗ってやった。
 よく頑張ったと思う。葬儀場の方から、
 「こんなひどい病気の子は見たことが無い。」
と言われた。リュウの腫瘍は大きな大きなおなかの腫瘍の他、背骨に沿って頭の中まで続いていた。
 奇跡的に元気でいられたのか、我慢していたのか分からない。でも、本当にしんどい息の中でも、ずっとずっといい子で、ずっとずっと頑張り屋さんだった。
 リュウ、もうしばらく私の部屋にいようね。落ち着いたらくろべえの所に行こうね。
 今までいっぱいいっぱい愛をありがとう。幸せな14年だったよ。

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コメント (4)
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